標高4478m、山に登らず山を楽しむ
アルプスにあるマッターホルン。
天空に向かってツンっと尖った山頂が特徴のピラミッド型の山は、とても、とても美しい。
頂上にはイタリアとスイスの境界線があり、麓町のツェルマット(スイス)はそのマッターホルンが一番きれいに見える場所。ツェルマットにはいくつかの展望台があるので、そちらに足を運ぶのももちろん楽しいと思いますが、ツェルマットから見上げるマッターホルンの朝焼けこそ必見!なのです。
前日いかに疲れていても、いかに楽しく飲んだとしても、翌朝は暗いうちから起きてスタンバイしなくてはいけません。そして前日夕方までに、マッターホルンの山頂が見える場所を確認しておくのも忘れてはいけません。
ツェルマットの町の中を流れるマッターフィスパ川の橋の上がベストポジションですが、うまくすればホテルの部屋から見える場合もあります。
でも、かき氷に見えちゃうのよね
部屋のベランダがマッターホルン向きで、快晴という幸運に恵まれると、こうなります。
明け方はまだ街灯が灯って道を照らし、
彼方の山は、浅い青の空に冠雪の山頂をつき出しています。
やがて次第に空が明るくなり街灯も消えるころ、ツンっと尖った山頂が少し朱に色づきはじめ、少しずつその色のすそ野を下げていきます。
ついに真っ青な空の中に金色の小さなピラミッドが浮かび上がるのです。
ゆっくり、ゆっくりと朱赤から金色へと輝きの色が変わり・・・ついに真っ青な空の中に金色の小さなピラミッドが!
そう、朝焼けするのは、空ではなく山!
でも、この神々しいまでの金色の輝きを見ていたら、なぜだか急にかき氷が思い出されました。見てください、この山の形。これでは思い浮かべるなというほうが無理というものではありませんか。「最初のほうはいちご味っぽかったな〜」などと山を愛する人には聞かせられない感想を胸に抱きつつ、十数分の自然の作りだすエンターテインメントを楽しんだわけです。
Noriko Sato 編集/ライター
証券会社勤務のあと、編集プロダクションを経て独立。食いしん坊だけど、好き嫌い多し。呑兵衛だけど、好き嫌い多し。まぁいいじゃないですか、このくらいのわがまま。
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