アメリカ西海岸、L.A.からP.C.H.と呼ばれるパシフィック・コースト・ハイウェイ州道1号線をサンフランシスコへ北上して行く途中、約90マイルにも渡る海岸線が現れます。
ここは、「ビッグ・サー」と言われる場所で、数千年前にインディアンが住んだのが、「ビッグ・サー」最初の人類だっとか。「ビッグ・サー」はごつごつとした岩が作り出すダイナミックな景色が広がる有名な観光地。自然や文化と親しむ、ロングトレイルを楽しむ人が各国から訪れます。
迫力ある景観とともにスリルを感じるビクスビークリーク橋
P.C.H.はしっかり舗装されているので走りやすいのですが、助手席に乗っているだけでもドキドキしてしまうほど、カーブや坂の険しい道ばかり。左には大きな太平洋、右には迫力満点のサンタルチア山脈が広がり、壮大な自然の風景に圧倒されます。
ここで暮らす人は約1,000人程度と少なく、だからこそ自然の姿がありのまま今も変わらず残っています。
そんな旅路の途中、ふと立ち寄った小さなキャンプ場。そこはレッドウッドに囲まれた森で、少し歩けば澄んだ川があり、家族連れや若いグループで賑わっていました。
自然に囲まれた「ビッグ・サー」ではハイキングや山歩きを楽しむ人も多く、周辺には多くのキャンプ場が点在。バックパックを背負って一人で旅をしている人も多く、この場所へ訪れるだけで、冒険心がムクムクと湧いてきます。
他から孤立した立地と美しい自然。そして街の喧噪からは遠く離れた森の静けさを求めて、小説家のヘンリ・ミラーや映画公開で話題の『路上 On the Road』を書いたジャック・ケルアックもこの地を訪れています。
長い時間をかけて、テントを張りながら地図を片手にのんびり歩き続ける。行く先は運まかせ。そんな旅が似合う場所です。
『路上 On the Road』
南米横断を描いた、フランシス・フォード・コッポラ製作総指揮のフィルム。
[Photo by shutterstock.com]
※2013年9月15日の記事より紹介
Akemi Kan 編集/ライター
某出版社勤務後独立。昨年マガジンハウスより、海を愛するビーチガールのためのファッションカルチャーマガジン『FLOWER』を創刊。現在は、海や山、旅などを中心としたさまざまな媒体に執筆中。趣味はサーフィンと旅。ボヘミアンな暮らしを求めて、日々妄想&世界旅を実践。今年の秋には某編集プロダクションから新雑誌を発行予定。
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