異常気象に生態系破壊、そしてエネルギー問題。私たちの生活に大きな影響を与える環境問題は、もはや無視することのできない人類共通の課題です。暗い話題ばかりが先行しがちな環境問題ですが、世界にはユニークな視点から環境問題解決に尽力する会社があります。今日は、そんな少し変わった環境ビジネスを2つご紹介しましょう。
ハエが地球を救う!アグリプロテイン社
人口の増大に伴い、日々増加する食糧需要。さらに、畜産や養殖用のエサにはタンパク質が欠かせません。飼料用のタンパク質は、主に大豆や稚魚が用いられてきました。しかし、需要が拡大する大豆を育てるための森林伐採や、養殖魚のエサとなる稚魚の乱獲などによる生態系の破壊が大きな問題になっています。
そんな問題に立ち向かうのは、南アフリカに設立されたAgriProtein(アグリプロテイン)社。自然環境にやさしい新たなタンパク源としてピックアップされたのは、なんとハエ!と言っても、利用するのは羽の生えた成虫ではなく幼虫です。
まず、食糧廃棄物に入れたハエの卵を幼虫に孵化させます。幼虫が廃棄物を食べて十分大きくなったら、収穫して洗浄後ゆっくり乾燥。それを細かく砕いたらMagMeal(マグミール)の完成です。MagMealは、トリ、ウシ、そして魚のエサとして最適だそう。また、ハエの幼虫を孵化させた食糧廃棄物は、オーガニック肥料として販売されます。
国際連合が昆虫食に注目していることは以前こちらでお伝えしましたが、ここでも虫が救世主になる可能性がでてきました。
コーヒー豆をバイオ燃料に!バイオビーン社
地球温暖化の原因である温室効果ガスの削減。そして、将来枯渇するであろう石油に代わる燃料として注目を集めるバイオ燃料の開発。このふたつを同時に実現させたのが、イギリス発のbio-bean(バイオビーン)社です。
彼らが目を付けたのは、ロンドンのカフェやインスタントコーヒー工場が廃棄する、年間20万トンにも及ぶコーヒーかす。イギリスでは、廃棄物の8割は埋め立て式のごみ処理場へ運ばれるそうで、温室効果ガス排出の原因となっています。bio-bean社では、20万トンのうち年間3万トンを回収。回収したコーヒーかすから油分を抽出し、バイオ燃料に転換する技術を開発しました。
bio-bean社のバイオ燃料は2種類。ひとつは、燃焼しても大気中の二酸化炭素総量を増やさないバイオディーゼル。そして、もうひとつは固形燃料のバイオペレットです。現在、ロンドン市内のビルやバスで燃料として使用されているというコーヒーかすから出来たバイオ燃料ですが、発案者はこれで世界が救えるとは思っていない、と明かしています。それは、bio-bean社が作るバイオ燃料は、世界中で消費される石油量と比べてわずかでしかないためです。それでも、もし世界中のコーヒー消費国がこの技術を導入したら・・・と想像せずにはいられません。
スケールが大きすぎるため、自分にできることなんてないのでは、と思いがちな環境問題。しかし、世界には今までにないユニークな視点から地球環境に貢献しようとしている会社があることに、少しパワーをもらえた気がします。
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Sae ライター
バックパックひとり旅に飽き足らず、中国でのインターンを経由し、最終的にオーストラリアで就職、移住。旅に出られないときは、お家で現地レシピに挑戦して癒されています。世界のおいしいもの、食器、路地が大好き。目標はアジア移住と早起き生活です。
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