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ジャパンクオリティ炸裂!外国人も大絶賛の美しすぎる「カニカマ」

Posted by: 米田ロコ
掲載日: Nov 6th, 2014. 更新日: Oct 21st, 2015
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SushiやSashimi、Edamameなど、何かと海外で人気の日本食。実はカニカマも海外でよく食べられているって知っていましたか?今回はそんな、海外でも注目される「カニカマ」のお話です。


世界初のカニカマ、どうやって誕生したの?

世界で初めてカニカマが誕生したのは1972年のこと。日本の老舗のねり物製造メーカースギヨから生まれたのが始まりです。じつは、この世界初のカニカマ、なんと人工クラゲを開発する過程での、失敗作から生まれた偶然の産物だったそう!失敗は成功の母、とはまさにこのことですね。

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世界初でもあり、日本初の元祖カニカマ「かにあし(かに風味かまぼこ)」(写真提供:スギヨ)

話題の美しすぎるカニカマ「香り箱」

初めてカニカマが誕生してから40年以上、なんとまだまだスギヨはカニカマ作りを追求し続けていました。その飽くなきものづくり精神で完成したのが、「香り箱」(別名:かにちゃいまっせ)。リアルすぎるカニカマとして、テレビ番組などでも話題になりました。

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そこで、実際どれくらいリアルなカニカマなのか、本物と比べてみました。

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こちらは本物のカニ。

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そしてこれが香り箱。ここから湯気が立ちこめれば、カニしゃぶに見えてしまうかも!

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カニ繊維の流れとほぐれ感が素晴らしい。食べてみると、味はもちろんカニカマなんですが、食感は本物のカニに似ている感じが。

見た目といい、食感といい、「香り箱」は確かに今までのカニカマの概念を覆しています。

工場潜入、「香り箱」はこうやって作られていた!

さて、気になるのは、「香り箱」がどうやって作られているかということ。もうこれは工場に潜入してみるしかありません!

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スギヨのカニカマ工場。石川県の能登半島にあります。

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カニカマの原料になるスケトウダラ。原料のグレードにも色々と種類があるのですが、カニ肉の白色を表現するのに最適且つ上級のものを使用しているのだそう。

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細かくカットしたスケトウダラが蟹エキスや卵白と混ぜられていきます。

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その後、練り状に。香り箱を作るためには、“練り”には必ず人の手が必要なのだそうです。

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ここからが「香り箱」製造の重要ポイント。練った生地は約1mmのシート状に伸ばされ、加熱されます。そして細かい切れ目が入ります。この切れ目が、カニ繊維の “ほぐれ”を再現する大切な工程。

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さらにカニ肉を食べた時の弾力ある食感に近づけるため、一定の力で生地を引っ張り、ひねりながら紐状に。

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そして、紐状の生地に圧力をかけカットして、「香り箱」の白身が完成!
次は、いよいよ着色の工程です。

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「香り箱」の着色は、なんとフィルムを使っておこなわれるそう!トマトやパプリカの赤色色素がついたフィルムでカットされた白身を包みます。フィルムを使って色付けすることで、表面がまばらに赤くなり、より本物のカニのように見えるのだそう。

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最後にフィルムが剥がされ、人の手によって検品・パック詰めされて完成です。

ここですかさず、出来上がったばかりの「香り箱」を試食させてもらいました。

あれっ?前に食べた「香り箱」と味が違う。前のほうが美味しく感じたような・・・

それもそのはず、パック詰めされた「香り箱」は、さらに—20℃に急速凍結し解凍された後に、私たちの手元に届くのだそう。この凍結→解凍の工程により、繊維間に水分が残って、茹で上げたカニに近い食感になるとのこと。スギヨの工場長曰く、「家庭でパックを開けた時に、最も美味しく食べられるように計算して作っている」ということでした。

「香り箱」開発には約一年。失敗を繰り返しながらも、細やかな日本人の気遣いとモノづくり魂が注がれていたのですね。

海外のカニカマ事情、外国人は「香り箱」にどんな反応を?

さて、冒頭に海外でもカニカマがよく食べられているとお伝えしましたが、ジャパンクオリティとも言えるこの「香り箱」に外国人はどんな反応を見せるのでしょうか?気になったので、実際に「香り箱」の写真をみせて感想を聞いてみることに。

【パリ育ちのマルチリンガル、アレックスさん(フランス出身)】

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Q.「香り箱」の印象はいかがですか?
A.とても豪華な印象を受けました。さすが日本は見た目を重視していて、とてもリアル、そして新鮮に感じています。食べてみたいです。職人技ですね。すごい!

Q.フランスにもカニカマは売っていますか?
A.日本でカニカマと言われているものは、フランスではSurimi(すり身)という名で親しまれています。フランスのSurimiは、見た目がとてもカニカマに似ています。
フランス人の多くは、カニカマを本物のカニだと思い込んでいますが、実は白身魚を使って赤い色を付けています。しかし、日本の「香り箱」のようなリアルなものはないですね。

Q.海外ではカニカマが人気だと聞いたことがあるのですが、実際のところ、フランスではどうなのでしょう?
A.ブームというよりは、日常的によく食べられています。例えば、パーティーの時などに、おつまみとして出てきます。レモンをかけたり、マヨネーズみたいなものをディップして食べたりしています。
フランスのSurimiにはカニの風味も追加されたりしていて、日本に次いでフランスはカニカマ(Surimi)の消費量世界2位だと言われていますよ!

Q.Surimiがフランスの辞書に載っているとの噂を聞いたのですが・・・それは本当?
A.先程もお伝えしましたが、フランスのすり身(Surimi)=日本のカニカマというような不思議なことが起きています。日本人が思う「すり身」と、フランス人が想像するSurimiは違いがあるように思いますが、「すり身」(Surimi)という言葉はフランスの辞書にも載っていますよ。「弁当」(bento)と同様に、割と最近の辞書に載った言葉だと思います。

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アレックスさんがフランスでよく見かけるというカニカマはこんな感じだそう(写真提供:Shutterstock

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Q.「香り箱」の印象はどうですか?
A.美味しそうなカニですね〜。

Q.アイクさん、これは本物のカニではありませんよ・・・。カニに見えますが、じつは魚のミンチで出来ています。この香り箱も蟹エキスは入っていますが、魚のミンチですよ!
A.えっ?!本当に?本物のカニに見えますね。魚のミンチということは知らなくて、完全にダマされましたね!(笑)

Q.ところで、そもそもカニカマって知っていますか?アメリカでも見かけますか?
A.カニカマという名前は知りません。でも、「香り箱」のようにリアルではないですが、似ているような商品はスーパーで見たことがあります。もっとマシーンで加工した感じの見た目をした食品ですが・・・それも本物のカニだと思っていました。

Q.カニカマは海外では、Surimi(すり身)という名前で親しまれているそうなのですよ。知っていましたか?
A.知りませんでした!やっぱりカニのコストが高いからすり身を使ったほうが節約出来るんですかね!(笑)

アイクさんは、カニカマ自体を“本物のカニを加工した食品”だと思い込んでいた様子。カニカマの真実(じつはすり身だった)を知り、混乱していました。しかしながら、外国人が「香り箱」の美しさに驚いていたのは間違いありません。「香り箱」は日本が世界に誇る、隠れた名品と言っても過言ではないと思います。チャンスがあれば、海外の友人に、日本のお土産として「香り箱」を持っていくのも良さそうです。

ちなみに、スギヨによると、現状ではまだ満足しておらず、さらなる最高のカニカマを目指して、「香り箱」を研究中だとか!今後、カニカマがどんな進化を遂げていくのか楽しみです。

[取材協力 スギヨ]
[Photo by MASASHI YONEDA]

米田ロコ

LOCO Yoneda ライター・編集者。
自由と自然を愛し、Vanlifeにて日本を旅する。

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