イギリスの詩人バイロンが「エデンの園」と絶賛したポルトガル・シントラの町並み。
なかでも異彩を放っているのが奇妙で謎に満ちたペナ宮殿です。
カラフルで欲張りなペナ宮殿
ペナ宮殿を建てたフェルナンド2世は、実はドイツのノイシュヴァンシュタイン城を建てたルードヴィッヒ2世のいとこ。マヌエル、イスラム、ゴシック、ルネサンスなど欲張りにいろいろな様式を取り入れ、ポルトガルの栄華を今に伝えています。
森の中にカラフルな外壁が映えるようすは、テーマパークのよう。城からの眺めは素晴らしく、シントラの町はもちろん、天気がよければ大西洋やリスボンまでを一望できます。
城内はアズレージョの宝庫
アズレージョとは、装飾タイルのこと。美しく絵付けされたアラベスク模様のタイルを、城内のあちこちで見ることができます。
色の取り合わせが美しい一角も。たしかに切り取る場所により、まったく別の城のように違った雰囲気に見えるのが不思議です。
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あちこちで見られる奇妙なシンボル
ここでは、薔薇や絡み合うヘビ、騎士や何かの化身など、壁のあちこちで意味ありげな彫刻を見つけることができます。
怪し気なたたずまいのこの像は、海の守護神トリトン。
トリトンは、ギリシャ神話に登場する海王ポセイドンの息子です。
貝やブドウの蔓の細かな彫刻に目を奪われます。
こちらの門はよく見るとラッキーモチーフがてんこもりです。
上アーチ中央には中東などでお守りとしても使われるファティマの手、タイル部分に薔薇が3つ、下のアーチ中央には鍵のモチーフ・・・単に縁起がよさそうなものを集めたのか、あえて異教のシンボルともいえるものをひとつの門におさめたのか・・・。謎です。
城内には、彫刻のように描かれただまし絵の部屋もあります。
きっと、神秘的で面白みのあるものが好きな城主だったのですね・・・。
■
ペナ宮殿住所:Sao Pedro de Penaferrim, 2710 Sintra
営業時間:11/1~3/22(冬期)10:00~18:00、3/23~10/31(夏期)9:30~21:00
※1/1、12/25休み
料金:(冬期)大人11.5ユーロ、6〜17歳9ユーロ、65歳以上10ユーロ
※夏期はお問い合わせください。
[All Photo by Shutterstock.com]
Aya Yamaguchi 統括編集長
インターネットプロバイダ、旅行会社、編集プロダクションなどを経てフリーに。旅と自由をテーマとしたライフスタイルメディア「TABIZINE」編集長を経て、姉妹媒体「
イエモネ」を立ち上げる。現在は「TABIZINE(タビジン)」「イエモネ」「novice(ノーヴィス)」「bizSPA!フレッシュ」統括編集長。可愛いものとおいしいものとへんなものが好き。いつか宇宙に行きたい。
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