海外旅行に出掛けると、各国の空港や港湾で税関の手続きがあります。課税対象の荷物を持っていないか、あるいは輸出入禁止のアイテムを携帯していないかなどを実際にチェックされた経験のある人も少なくないはずです。
ただこの税関の手続き、甘く見ない方がいいかもしれません。何も知らずに禁止のお土産を旅先に持ち込んで、罰金を払わされたり没収されたりするケースもあります。最悪の場合は逮捕されてしまうかも・・・。
そこで今回は外務省などの情報を基に、海外旅行の際に持ち運びに注意したいアイテムをまとめました。
1:楽器
プロの演奏家が数千万円する高額な楽器をドイツの空港で没収されたというトラブルがありました。有名な話なのでご存じの方も少なくないと思いますが、プロの演奏目的でなくても、高額な楽器の場合は申告をしないと、密輸などの疑いで没収をされてしまうケースもあるとか・・・。
自慢の名器を持って旅先を周り、ホテルや路上で弾いて旅気分を満喫したいという人は、機内で配られる申告書に「楽器を持っている」と記入して、念のため空港の赤色の税関ゲート(申告ありの人が通るゲート)に足を進めた方がいいかもしれませんね。
2:高機能ビデオカメラや一眼レフカメラ
プロの撮影用カメラは基本的に申告をしなければいけませんが、一般用のビデオカメラや一眼レフカメラであっても、高性能で高額だと申告や課税の対象になる場合もあります。申告をしないまま抜き打ちチェックをされると、没収や罰金を科される恐れも・・・。
場合によっては難癖を付けられているうちに、撮影内容をチェックされるかもしれません。
偶然映っていた画像や映像を問題視され、別室に連れていかれる可能性も否定できません。高額な機材はあらかじめ申告をしつつ、旅行中もトラブルになりやすい国境周辺や空港・軍関連施設の撮影は念のためしない方が無難かもしれませんね。
3:お酒とタバコ
お土産にお酒やタバコを国外に持ち込む、あるいは国外から持ち出す旅行者は少なくありません。ただ、こうした嗜好(しこう)品も要注意。
例えばエジプトの場合、紙の巻きタバコ200本(1カートン)、お酒2リットルを超える持ち込みは禁止になります。シンガポールの場合は紙の巻タバコ1本から、持ち込む際に1本単位で税金を支払わなければいけません。
他にはオーストラリアのように、ライターの持ち込みは5個までといったケースもあるので、やはり渡航先の関税のルールはしっかりチェックしておきたいですね。
4:日本の雑誌や漫画
旅先のホテルで読むために、日本の雑誌や漫画を国外に持ち込もうとしたとします。しかし、その雑誌の中にアイドルのグラビア写真や肌の露出の多い漫画の描写などが含まれていた場合、税関で没収される、あるいは罰金の対象になる危険性もあります。
特にイスラム教の国々や社会主義国家で旅をする場合は、持ち込み自体を控えたいですね。
5:ノート型パソコンやスマホ
最後はノート型パソコンやスマホです。こうしたアイテムは現代の旅のマストアイテムなので、携帯は避けられないですよね?
ただ、ノート型パソコンやスマホに高額な価値がある場合、申告や課税の対象になる場合も。しかもこの「高額な価値」に関しては評価があいまいになりがちなので、意地悪な担当者にぶつかった場合、難癖を付けられてしまうかもしれません。
スマホやPCごときで申告をするとなると面倒かもしれませんが、税関に関して悪い評判のある国へ入る場合は、申告書に「ノート型パソコンやスマホを持っている」と書き込んで、赤色ゲートに踏み込んだ方が無難かもしれませんね。
以上、トラブルになりがちな要注意アイテムをまとめましたが、いかがでしたか? 他にもシンガポールではチューインガムが持ち込み禁止になっていたり、オーストラリアではゴルフシューズやビーチサンダルの持ち込みが申告対象になっていたりと、意外な盲点もあります。
知らずに黙って持ち込んだところ、虚偽の申告をしたと言われれば反論ができません。事前のチェックは欠かさないでおきたいですね。
[Prohibited and restricted imports – Australian Customs and Border Protection Service ] [税関手続きを甘く見てはいけません! – 外務省 海外安全ホームページ ] [Custom & Currency – Egypt Tourism Authority ] [All Photo by Shutterstock.com ]
Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(
https://hokuroku.media/ )創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。
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