お金にとらわれていませんか？

私たちの生活は、お金があれば、あらゆることができます。衣食住はもちろん、学びや遊びなども、お金をかけるほど充実しやすくなります。旅に出るにしても、交通費など最低限の旅費が必要です。

お金の力は確かに偉大。しかし、だからといってお金至上主義になってしまってはつまらないもの。気がつくとお金を稼ぐことに多くの時間を費やしていて、せかせかした仕事モードが板についていませんか？ 何をするにもつい損得勘定をしてしまうようになったら要注意！ ちょっと立ち止まって、お金との付き合い方を見直してみて。

最近、ものを分け合い、与え合う「シェアリングエコノミー」の取り組みが日本で活発になっています。これらは、お金に縛られない、新しい経済。お金との関係を考えるきっかけをくれます。

さまざまなシェアリングエコノミー

例えばいらなくなった服。フリーマーケットやバザーで売る方法は昔からありますが、「xChange」というファッションの物々交換会があるのをご存じですか？ 誰でも参加・開催できるフリースタイルで、2007年に東京のカフェ・バーで第１回目を開催。その後全国各地に広がっています。xChangeでは、アイテム１つ１つに「エピソードタグ」と呼ばれるタグをつけて、服に対する“思い”も一緒に渡します。

〇「xChange」

一方、服に限らず、物全般を扱っているのが、「物々交換所」。不要品のシェアスペースです。特定の場所に、誰かがいらなくなった物を持ってきて、違う誰かがそれをもらうシステム。

〇「物々交換所」

次は食べ物にまつわるシェアリングエコノミーです。

食べ物に関するシェアリングエコノミーもあります。「セカンドハーベストジャパン」は日本初のフードバンク。食品製造メーカーや農家、個人などから、まだ食べられるのにもかかわらず、流通できなくなった食品を引き取り、福祉施設などへ提供しています。

〇「セカンドハーベストジャパン」

また、恩送りのレストラン「カルマキッチン」では、食事代を支払う義務はありません。自分たちの食べる食事は、前のお客さんがギフトで支払っているという仕組み。もちろん自分も、次のお客さんのための食事代を支払うことができます。

〇「カルマキッチン」

シェアリングエコノミーが活発になってきた背景には、インターネットの普及もあるようです。「あげたい人」と「もらいたい人」がバラバラの場所にいても、インターネットがあればマッチングできます。「I HAV.」は、世界中で贈り物をシェアしあうサイト。登録すればネット上で物々交換ができます。

〇「I HAV.」

面白い仕組みはまだまだあります。東京・国分寺の地域通貨「ぶんじ」は、「ありがとう」の気持ちを表現したもの。お金の正体って、実は感謝の気持ちなのかもしれません。

〇「ぶんじ」

世の中には、値段のつけられないものがたくさんあります。シェアリングエコノミーに参加してみると、お金に変換しがたい人間関係や新鮮な体験を得ることができます。お金がある人もない人も、一度参加してみると、お金との関係が今よりもっとよくなるかも。

AOI

AOI ライター・編集者

編集プロダクションを経てフリーランスに。自然が好き。堅苦しいことが苦手。旅するときはあまり計画をたてない。一度国際線に乗り遅れたことがある。