次々に登場するスーパーフード。聞き慣れない名前に、スーパーフード=海外のもの、という印象をもっていました。しかし、日本にもひっそりと自生すると言われるアノ植物が、次なるスーパーフードとして熱い視線を集めています。
その植物が、ヘンプ(麻)です。ヘンプシード(麻の種、麻の実とも言う)は栄養価に優れ、今やNASAで宇宙食にも選定されるのだとか!
今回は、「Byron de maison(バイロン デ メゾン) 」を運営するヘンプフーズジャパンの代表・松丸誠さんにヘンプシードについてお聞きして、“ヘンプシードが体にいい理由”をまとめてみました。
その1:理想的な必須脂肪酸の割合をそのまま持ち合わせている!
ヘンプシードには、14種類の脂肪酸(オメガ3,6,9,CLA,GLA,SDA )がバランス良く含まれています。注目すべきは、必須脂肪酸であるオメガ3とオメガ6の割合は1:3と理想に近い状態であること。必須脂肪酸は、身体のあらゆるシステムを正常に保つために欠かせない栄養素で、体内では合成されないため、食事などによって外からとり入れる必要があります。しかし、オメガ3とオメガ6をバランスよくとり入れることが重要で、それは意識的にそれぞれを摂取しなくてはならず、一般的には日本人はオメガ3不足と言われています。
しかし、先に紹介した通り、ヘンプシードは本来身体が必要としている必須脂肪酸の割合を、そのまま持ち合わせている珍しい食品です。
その2:必須アミノ酸のほとんどを含み、ミネラルとビタミンもカバー
私たちの生命を維持するうえで欠かせないのが必須アミノ酸です。アミノ酸はタンパク質を合成する物質で、アミノ酸のなかでも必須アミノ酸は必須脂肪酸と同じく、体内では合成できない栄養素です。ヘンプシードにはその必須アミノ酸のほとんどが含まれています。
またその他に、亜鉛、カリウム、鉄、マグネシウムなどのミネラル分と、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB6、葉酸などのビタミン類も含んでおり栄養価に優れています。
その3:高タンパク
ヘンプシードは高タンパクな食品。その約30%以上がタンパク質で構成されています。また、ヘンプのアミノ酸は、65%のエデステン、35%のアルブミンタンパク質で構成されており、赤血球のような球状のタンパク質エデステンは、免疫システムの維持に効果的と評され、アルブミンタンパク質は、動物性のタンパク質のように力強さのある身体能力の向上をサポートしてくれるのだそう!
その4:生で食べられる稀少なタンパク質
ヘンプシードは非加熱で摂取することができる珍しい実。一般的にナッツ類(種)を生の状態で摂取することが良しとされず、多くのものはローストや発酵をさせてから食べられています。
なぜヘンプフードが生で摂取しても大丈夫なのか言うと、エデステンの働きにより、酵素抑制物質が非常に少ないからなのだそう。また、エデステンを含むため、体内に吸収・消化されやすいという特徴もあります。こういったことから、エデステンは抗酸化物質として称されることもあるそうです。
ちなみに、ほかの植物はエデステンを含んでおらず、植物界では唯一ヘンプがエデステンを含む植物性タンパク質なのだそう! ヘンプは生で食べられる稀少なタンパク質なのです。
ヘンプシードのほかにヘンプフードってあるの?
ヘンプフードには、話題になっているヘンプシードのほかにもラインナップがあります。Byron de maisonからは、ヘンプオイルやヘンププロテインも登場しています。どれもオーガニック&ローフード。また、自然のままの栄養素と風味を残すため、化学処理などをせずに、ワイルド(未精製)の状態で届けられています。
ヘンプは人類に必要不可欠な植物
「ヘンプ食品は、身体にとって素晴らしい栄養があるだけでなく、育てることで大地を癒す効果もあります。また、100日間で育ち様々な製品が創れる可能性のあるヘンプという植物は、人類に必要不可欠な植物です。
世界では、食品にとどまらず、衣料、住居、医療、バイオ燃料などさまざまな産業用途への活用がすすんでいます。日本でも、輸入だけに頼らずとも、近い将来戦前のように社会に役立てる目的で麻を育て、サスティナブルな社会が実現されることを切に願います。」
とヘンプフーズジャパンの松丸さんはおっしゃいます。
わたしたちが麻に抱くイメージはドラッグを連想させるなど、決してよいものではありません。しかし、それは麻の全てではなく、ほんの一側面なのだと知りました。麻は有効に使えば、大いに役立つ、宇宙から与えられた奇跡の植物なのかもしれません。
[Global Hemp ] [Photo by shutterstock.com ]
LOCO Yoneda ライター・編集者。
自由と自然を愛し、Vanlifeにて日本を旅する。
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