奥多摩、秋川渓谷。名前からして秋を堪能できそうなこの場所に、250年前の庄屋屋敷を移築した炭火焼・山里料理をいただける和食どころがあります。
「黒茶屋」。奥多摩をドライブ中に看板を見かけて気になっていた人もいるのではないでしょうか。
一歩進むごとに時の流れがゆっくりになっていく
黒茶屋を和食どころと言ってしまうのはいささか抵抗があります。広大な敷地にはおみやげ処や野外テラスなどが点在し、秋川まで散策することもできます。お屋敷? 公園? 小さな村? 一歩踏み入れると、昔のままの時の流れに漂うことになるのです。
門前にあるのは、「おやき屋竹庵」。あずきとさつまいもがあり、ひとつ120円。
大きな水車に迎えられ、門をくぐります。
入るとすぐ右手に、川魚を焼く「炭火焼楽庵」が。店先では、名物の勾玉豆腐が試食できました。ウエルカムスイーツならぬウエルカム豆腐のよう。カシューナッツから作られた風味豊かな味わいです。こちらもお土産にできます(3人前860円)。
「おみやげ処水車」には、ガラス食器や和紙文具など懐かしさを誘う素朴な雑貨が並びます。
秋川の澄んだ水に癒される
「籠屋」。籠の美しさもさることながら、店から眺める秋川の美しい翡翠色にじっと見入ってしまいました。時が止まったかのようなひととき。
そのまま誘われるように秋川まで降りていきます。秋川渓谷の中でも素晴らしい景観と言われる岩瀬峡。清流の醸し出す空気は、深呼吸したくなる清々しさ。
川の流れを眺めながら一息つける「野外テラス水の音」もあります。ここでは、薪能やコンサートが開催されることもあるそうですよ。
「黒茶」の懐に抱かれる
さて、そろそろお食事の予約時間。母屋へ入ります。黒茶屋の「黒茶」は、時を重ねた屋敷の黒茶色の柱や調度品を語るもの。独特の厳かさを感じながらも、包まれるような安心感があります。光の温かさと闇の恐さを教えてくれる、ふる里の家。
今回いただくのは、朴葉焼きと鮎の塩焼きがいただける「滝」コース。川魚、好きなんです。
まず運ばれてきたのは、目に鮮やかな緑が添えられた前菜と特製勾玉豆腐。
葉っぱをどけると、籠に盛られた前菜の数々。粋な演出ですね。
鮎の塩焼きも、ビクに盛られたたっぷりの笹とともに登場。おいしすぎて写真を撮り忘れた椀物には百合根や南瓜、榎茸、夕顔などが入っていて滋味深かったです。
ジューシーな朴葉焼き、優しい味の茶碗蒸しの後は、じゃがいもの大葉巻き揚げ、きゅうりやミョウガの酢の物、もろこしごはんなどをいただきました。デザートのトマトのコンポートでお腹はいっぱい。おやきはお土産に持ち帰りました。
山々と、清流と、黒茶色の木々に抱かれて味わう山里料理。こんな場所では、いつもより深い話もできそうです。大人デートにも、しっとり女子会にもおすすめ。
秋川渓谷の紅葉の見頃は例年11月中旬から12月だそう。今から計画を立てれば、十分間に合いそうですね。
[黒茶屋]
[Photo by Aya Yamaguchi]
Aya Yamaguchi 統括編集長
インターネットプロバイダ、旅行会社、編集プロダクションなどを経てフリーに。旅と自由をテーマとしたライフスタイルメディア「TABIZINE」編集長を経て、姉妹媒体「
イエモネ」を立ち上げる。現在は「TABIZINE(タビジン)」「イエモネ」「novice(ノーヴィス)」「bizSPA!フレッシュ」統括編集長。可愛いものとおいしいものとへんなものが好き。いつか宇宙に行きたい。
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