アン・ハサウェイ出演で大ヒットした「プラダを着た悪魔」の続編とも言われている映画「マイ・インターン」。日本では10月10日に公開され、オシャレなファション業界で奮闘する主人公を描いた映画が話題となっています。
(C) facebook/ワーナーエンターテイメント ジャパン
でも映画を見た方の中には、とてもいい映画だったけど、なんとなく思っていた内容と違った、なんて感じた人もいるのではないでしょうか。実は同じ映画でも、実際に映画を製作したアメリカではまったく違った形でプロモーションされているというのをご存知ですか?
日米オフィシャルサイトでの違いを比較
華やかなファッション業界で成功し、結婚してプライベートも充実、現代女性の理想の人生を送るジュールズ。そんな彼女の部下にシニア・インターンのベンが雇われる。最初は40歳も年上のベンに何かとイラつくジュールズだが、いつしか彼の的確な助言に頼るように。彼の“豊かな人生経験”が彼女のどんな難問にもアドバイスを用意し、彼の“シンプルな生き方”はジュールズを変えていくー。そんな時、ジュールズは思わぬ危機を迎え、大きな選択を迫られることに!
—映画「マイ・インターン」オフィシャルサイト より
こちらは日本版の映画紹介。仕事にプライベートに充実しているカッコいい女性・ジュールズの試練を描いています。
そしてこちらはアメリカのオフィシャルサイトでの映画の紹介。
70-year-old widower Ben Whittaker has discovered that retirement isn’t all it’s cracked up to be. Seizing an opportunity to get back in the game, he becomes a senior intern at an online fashion site, founded and run by Jules Ostin.
–The Intern Official Movie Site
(日本語訳)
妻に先立たれた70歳のベンは、退職後の生活が夢見ていたものとは違っていると感じていた。社会復帰を目指すため、ジュールズの経営するファッションサイトのシニア・インターンに応募することを決意する。
“インターン”というタイトルでも違いが分かる
(C) facebook/ワーナーエンターテイメント ジャパン
日本語版の紹介では「マイ・インターン」というタイトルからも、主人公はアン・ハサウェイの演じるジュールズであり、彼女の元にやってきた「私のインターン」との仕事を通じての成長、ストーリーも彼女の視点から描かれている映画だという印象を受けます。
(C) facebook/ワーナーエンターテイメント ジャパン
対するオリジナル版の原題は「The Intern」はインターンとして働くベンのことを指していることから、主人公はロバート・デ・ニーロが演じるベンであり、オリジナル版の映画紹介にもあるように彼がジュールズと出会うところからストーリーが始まっています。
映画の内容も、ジュールズの成長を描いているという点では日本語版の映画紹介も間違いではありませんが、実際には冒頭からベンの視点で語られている部分の方が大半を占めています。
映画のキャッチコピーも、日本語版では「アドバイスひとつで、人生は輝く」となっていますが、オリジナル版は「Experience never gets old(経験は決して歳をとらない)」となっていることからも、日本とアメリカでジュールズとベンのどちらに視点を向けているかの違いが分かりますね。
(C) facebook/ワーナーエンターテイメント ジャパン
日本語版ではやはり大ヒットした「プラダを着た悪魔」のイメージを強く残したかったことから、ファッション業界で活躍するジュールズにスポットを当てたかったのでしょう。
(C) facebook/ワーナーエンターテイメント ジャパン
実はこのように同じ映画でも、各国の文化やイメージに合わせて、その国でよりヒットするようにタイトルやプロモーションの方向性を変える戦略はよく使われています。実際に映画を見て少し違和感を感じたことがある人は、オリジナル版のタイトルや予告を探ってみるとおもしろい事実が発見できるかもしれませんよ。
Maki ライター
旅することを仕事にして、国内・海外問わず1年の3分の1はどこかをうろついている。ライフワークである世界の若者との文化交流から学んだ経験をシェアすべく、執筆を始めたばかりの駆け出しライター。どこへ行くにもカメラと音楽、コーヒーは欠かさない。趣味はスノードーム集め。
【品川国際映画祭】3年ぶりの屋外開催!開放感たっぷりなアウトドアシアター
Oct 25th, 2022 | TABIZINE編集部
2022年11月7日(月)~11月12日(土)の期間、品川インターシティ セントラルガーデンにて、3年ぶりの屋外開催となるアウトドアシアター「品川国際映画祭」が開催されます。上映されるのは、ショートフィルムを中心とした全9セレクション24作品(オンライン限定作品が他3作品)。注目のアーティストによる⾳楽ライブや、エリア内にはインパクトある豪華なイルミネーションも。キッチンカーも集結するので、食事をしながらゆったりと映画を楽しめるイベントになっています。
無料で話題作を楽しむチャンス!世界のショートフィルム満載の「品川国際映画
Mar 4th, 2022 | Sayaka Miyata
2022年3⽉7⽇(⽉)~3⽉12⽇(⼟)の期間、「品川国際映画祭」が、オンラインにて2年ぶりに開催されます。オープニングイベントには磯村勇⽃さん・井桁弘恵さんが登場︕ 世界各国から厳選したショートフィルムを中⼼とした全21作品を無料で楽しむことができる、6日間限定の映画の祭典です。
【旅する映画10選】漫画で紹介するラブストーリー・人間ドラマ・SF
Nov 15th, 2021 | TABIZINE編集部
海外に出かけるのが難しい今、映画で旅行気分を味わったり、旅行の予習をするのはいかがでしょうか? ロードムービーからラブストーリー、SFまで、旅を描く映画を漫画で紹介します。舞台もアメリカから宇宙まで、いろいろ登場!
旅する映画(10)刑務所帰りの男と少女の奇妙な恋愛を描く「バッファロー&
Jul 8th, 2020 | たかさきももこ
旅を描く映画を漫画で紹介する「旅する映画」。今回は、刑務所帰りの男と通りすがりに出会った少女との奇妙な交流を描いた異色のラブストーリー「バッファロー'66」(1998)です。
旅する映画(9)アメリカを舞台に恋の旅路を描く「マイ・ブルーベリー・ナイ
Jul 1st, 2020 | たかさきももこ
旅を描く映画を漫画で紹介する「旅する映画」。今回は、香港の名匠ウォン・カーウァイが、アメリカを舞台に描くロードムービー仕立てのラブストーリー「マイ・ブルーベリー・ナイツ」(2007)です。
旅する映画(8)アメリカの砂漠で人々の交流を描く「バグダッド・カフェ」
Jun 24th, 2020 | たかさきももこ
旅を描く映画を漫画で紹介する「旅する映画」。今回は、アメリカ西部のモハーヴェ砂漠を舞台に、ドイツから来た女性と彼女をめぐる人々の交流を細やかに描いてゆく「バグダッド・カフェ」(1987)です。
旅する映画(7)2人の男が故郷を目指す青春ロードムービー「マイ・プライベ
Jun 17th, 2020 | たかさきももこ
旅を描く映画を漫画で紹介する「旅する映画」。今回は、路上生活をする男が行方不明の母親を捜すため、親友とともに故郷アイダホへ旅をする青春ロードムービー「マイ・プライベート・アイダホ」(1991)です。
旅する映画(6)遺伝子優先社会で苦悩する人間を描く「ガタカ」
Jun 10th, 2020 | たかさきももこ
旅を描く映画を漫画で紹介する「旅する映画」。今回は、遺伝子が全てを決定する近未来の社会で苦悩する人間を描くSF映画「ガタカ」(1997)です。
自宅で旅気分(5)心もほっこり!車で旅をしたくなる映画三選
Jun 5th, 2020 | 阿部 真人
緊急事態宣言は解除されましたが、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐための「新しい生活様式」が求められています。もう少しのあいだ遠出は我慢。そんななか旅好きのみなさんにネット配信やDVDで見ることのできる、映画情報をお届けしています。今回は車と旅が重要な舞台となった、心温まる映画をご紹介します。
旅する映画(5)正反対の姉妹の葛藤と成長を描く「イン・ハー・シューズ」
Jun 3rd, 2020 | たかさきももこ
旅を描く映画を漫画で紹介する「旅する映画」。今回は、キャメロン・ディアス演じる無職のマギーが、弁護士の姉と大喧嘩して家出、フロリダの祖母を訪ねて成長していく「イン・ハー・シューズ」(2005)です。