魚介類たっぷり、トマト風味の豪華なスープといえば? フランス南部の名物料理「ブイヤベース」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。でも実はこれ、ブイヤベースではありません。
今回はブイヤベースの本場、地中海に面したプロヴァンス地方の湾岸都市「マルセイユ」よりブイヤベース豆知識をお伝えします。お魚ファンのみなさん、必見ですよ!
濃厚なお魚のスープ
「マルセイユに出かけたら、ブイヤベースは必食!」というぐらい、世界の人たちから支持を集めている名物料理。もともとは、漁師たちが売るのには不向きな魚を家庭に持ち帰り、調理したことに由来する家庭料理です。そう、本物のブイヤベースは、海老も貝も入らないのです! そして味も国内で「ブイヤベース」と称されるものとは全く異なる濃厚風味。魚の旨味たっぷりの、実にリッチな味わいです。
本場のブイヤベースには「地中海沿岸で獲れたての魚を4種類以上用いて作る」「サフランを用いる」といった決まりごとがあり、「rascasse(カサゴ)」「ホウボウ(rouget grondin)」「fielas (西洋アナゴ)」といったように、魚の種類も特定されています。基本的には貝や海老を入れないことになっていますが、任意でセミエビや伊勢エビを入れてもOKのようです。
岩礁の小魚でとった出汁を使って、数種類の魚とジャガイモや玉ねぎ、トマトにフェンネルなどを煮込み、サフランで香り付けするのが伝統的な作り方です。魚好きにはたまらない感じがしますが、現地でブイヤベースを食した人たちからは「期待して出かけたのに思っていたのと違う・・・!」という声もちらほら。なぜなのでしょう? その理由は、食し方にあるようです。
スープと魚は別々に食す! 本場のブイヤベースの食べ方
本場のブイヤベースは、スープと魚が別々のお皿に盛られて登場。まずはスープを味わってから、魚を食べる人が多いようです。
スープにはバゲットにオリーブオイルを塗ってカリッと焼いたパン、ニンニクたっぷりのマヨネーズソース「アイオリ」にカイエンヌペッパーを加えた、ピリ辛の「ルイユ」を添えていただきます。バゲットにルイユを塗って、スープに浮かべて食べるのが本場流。機会があれば、ぜひマネしてみてください。「スープにピリ辛マヨネーズ」はちょっぴり抵抗があるかもしれませんが、スープの味がより深いものに!
(C) sweetsholic
写真はマルセイユ市内のレストランで食べたブイヤベース。コース料理のひとつとして供されたため、盛り付けはひとつのお皿にされています。でもやっぱり、バゲットとルイユは欠かせません!
ブイヤベースは、夜のコース料理以上のお値段だった・・・
もともとは家庭料理だったとはいえ、ホテルやレストランが立ち並ぶマルセイユきっての観光スポット「マルセイユ旧港(Vieux Port)」のレストランでは、1人前50〜60ユーロ(約6500〜8000円)が相場です。現地の物価から見るとかなり高い! 前菜・メイン料理・デザートのコース料理の相場は、ディナータイムで30〜50ユーロ(4000〜6750円)程度です。
せっかくの旅行なので、時々は奮発するのもいいですよね。しかしながら、現地のレストランのなかには、ブイヤベースにおいて邪道なオマール海老や任意の伊勢エビを上乗せして高額請求するというケースも発生しているようなので、現地でのレストラン選びは慎重に・・・。
[Office de tourisme et des congrès de Marseille]
[Photos by Shutterstock.com]
ボルドーやブルゴーニュだけじゃない!知っておきたいフランスのワイン4選
Jan 13th, 2024 | 北川菜々子
フランスのワインといえばボルドーやブルゴーニュを最初に思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。実際日本にもこの2大生産地のワインが一番多く輸入されています。しかし、フランスのワインはボルドー、ブルゴーニュだけじゃないんです。フランス全土に渡ってワインは生産されています。在住者がおすすめするフランスの地方のワインを紹介したいと思います。
【大学生が見た海外の“今”】研修中のカメラロール見せてください!フランス
Dec 7th, 2023 | TABIZINE編集部
TABIZINE10周年企画、第3弾は日本女子大学とコラボ。大学生ならではの視点で切り取られた海外の“今”をお届けします。今年2023年から国際文化学部が新設された日本女子大学。新学部では1年生から約2週間の海外研修で他国の言語や文化を学ぶプログラムが必修となりました。彼女たちの研修中のカメラロールや等身大の体験談から見えてくる、教育や文化、価値観の違い、そこから得た学びとは? 第4回は、フランス編。レポーターは、日本女子大学国際文化学部1年生のA.Kさんです!
【海外のマクドナルド】フランスのハッピーセットのおもちゃを大公開!
Oct 19th, 2023 | sweetsholic
その国でしか味わえないご当地メニューはもちろん、ハッピーセットの内容やおもちゃも国によって異なるのが楽しい、海外のマクドナルド。今回はフランスのマックより、ハッピーセットの付録を大公開。また仏ハッピーセットの付録史上、大人の自分がもっとも興奮した、2023年秋のおもちゃも併せてご紹介します!
フランス・バスク地方の伝統菓子「メゾン・アダム」「メゾン・パリエス」の素
Oct 15th, 2023 | ロザンベール葉
日本でもすっかり定着したマカロン。巷で見られるものは厳密にはパリ風マカロンと呼ばれ、フランスには素材や製法、特徴が異なるさまざまなマカロンが存在します。フランス・バスク地方、大西洋岸のサン=ジャン=ド=リュズという港町で見つけた「メゾン・アダム」のマカロン、「パリエス」のムシューと呼ばれる2品を実食ルポでご紹介します。
【ローマ・ナポリ・プロヴァンス】忘れられない朝食の思い出
Oct 5th, 2023 | ロザンベール葉
TABIZINE10周年を記念して、ライターそれぞれが自由に綴る旅エッセイ。第5回目は、京都在住のロザンベール葉さん。「旅行の際、“食”は最も重要なテーマですよね。朝食、ランチ、ディナーとそれぞれに魅力がありますが、10周年に寄せての今回は、朝食にフォーカスしたいと思います。シンプルな中に、その土地の要素がたっぷり詰まっている朝食。特に忘れられない、イタリアのローマとナポリ、フランス・プロヴァンスの思い出をお届けします」
【機内食ルポ】エールフランス航空「関西空港~パリ」エコノミー搭乗体験をコ
Sep 1st, 2023 | ロザンベール葉
フランスを代表する航空会社「エールフランス航空」。世界500都市以上に就航し、世界有数の路線網を維持しています。ハブ空港であるパリ=シャルル・ド・ゴール空港から日本へは、成田、羽田、大阪の3都市と定期運航。そんなエールフランス航空の最新情報を、ここ十数年毎年搭乗している筆者が、搭乗・機内食ルポとともにお届けします。
【海外の本格ノンアルビールを飲み比べ 】まるでホンモノ!?一番おいしいの
Mar 31st, 2023 | sweetsholic
世界的な盛り上がりを見せている、ノンアルコール市場。ワインの消費量は年々減っているフランスですが、ノンアル市場は右肩上がりです。現地スーパーのビールコーナーでも、数年前に比べ、アルコールゼロを謳うビールの存在感が増している印象。人気とはいうけれど、気になる味は……? そこで、日本でも知名度の高い海外ビールメーカーから発売中のノンアルビール4種類を飲み比べてみました!
【世界ひとり飯!人気ランキングTOP10】世界一有名なミシュラン屋台から
Mar 6th, 2023 | TABIZINE編集部
世界60カ国以上を一人旅した、旅するフードフォトグラファー 石黒アツシが、世界で出会い心に残った食べ物をつづる連載「世界ひとり飯」。これまで掲載した42回の中から、人気記事のランキングTOP10を紹介します。あなたのお気に入りの料理や、食べてみたい料理が入っているかもしれません。
【フランス旅行で食べるべき必食グルメ10選】仏在住者おすすめ!日本国内で
Feb 4th, 2023 | sweetsholic
旅行の楽しみといえば、現地ならではの食事。限られた日数だからこそ、おいしいものを選びたいですよね。そこで今回は、フランス旅行で必ず食べたいおすすめグルメをピックアップ。駐在員や日本からの出張者に好評を得ているもの、なおかつご自宅でも気軽に食べられる定番フレンチをセレクトしてみました。日本のフレンチ店でも見つかりやすいものばかり!
フランスでクラフトビール醸造工房が人気の理由とは?現地から実情をレポート
May 26th, 2022 | 北川菜々子
フランスと言えば「ワイン!」とすぐに思い浮かべるぐらいのワイン大国ですが、実は近年、ビールの人気が高まってきています。スーパーにも大規模なクラフトビール売り場があるぐらいの流行りっぷり。そして最近では出来立てのビールが飲めるクラフトビール醸造工房で、バーのように飲むスタイルが定着しつつあります。実際にパリの近郊にあるクラフトビール工房を訪れてみたので、現地からレポートします。