その土地、その土地にいろいろな銘菓があります。そうした食べ物は、旅に出た先のお土産にもぴったり。
そこで今回は富山県在住の筆者が、富山を代表する銘菓を3つ紹介したいと思います。北陸新幹線などで遊びに来たときには、ぜひともチェックしてみてくださいね。
1:富山干柿
最初の銘菓は干柿。「ええ? 干し柿? 」と意外に思うかもしれませんが、富山県の南砺市で江戸時代から作られている干柿は、全国のグルメ通には有名な銘菓。
富山県と石川県の県境を縦断する医王山(いおうぜん)から吹き降ろす寒風によって作り上げられるという絶品のスイーツです。年間の生産額は600万個。贈答用としても重宝され、例えば東京の『銀座千疋屋』では12個入り1箱が7,776円で扱われています。
もはや柿とは思えない、しっとりと濃厚な深い甘味がたまりません。
2:甘酒まんじゅう
(C) Masayoshi Sakamoto
富山を代表する銘菓と言えば、竹林堂本舗の甘酒まんじゅうもその1つです。
竹林堂本舗は創業1790年。当時の加賀藩主・前田利謙に命名され、スタートした歴史があるとか。それ以降、ずっと同じ味を守って営業を続けている老舗ですね。
もちもちした皮の中にあんが包まれており、食べるとほのかな甘酒の香りが楽しめます。富山市内の本店などでは1個から買えますよ。
少し時間が経つと皮が固くなってしまいます。できれば作り立てをいただきたいのですが、固くなってしまった場合は、オーブントースターで焼くとカリッとした食感と香ばしさを楽しめます。
3:玉天と玉風味
(C) Masayoshi Sakamoto
最後は越中八尾おわら風の盆で有名な坂の町、富山市八尾が発祥の銘菓・玉天(たまてん)と玉風味になります。
お店によって玉天(おわら玉天林盛堂本舗)と呼ばれたり、玉風味(柳澤屋)と呼ばれたり。どちらも創業が江戸末期や大正時代の老舗で、今も玉天や玉風味を手作りで1つ1つ作っています。
できれば越中八尾おわら風の盆の開催中に、町歩きをしながらお店に立ち寄って味の違いを食べ比べたいものですが、なかなか行けないという人は富山駅前のお土産売り場などで手に入れてみてください。
(C) Masayoshi Sakamoto
どこか甘い厚焼き玉子のような味もしますが、表面の香ばしさと内側のマシュマロのような食感が魅力的。シンプルで飽きの来ない銘菓です。
[Photo by Shutterstock.com ]
Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(
https://hokuroku.media/ )創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。
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