島国の日本に住んでいると、国境越えという響きにどこかロマンを感じることはありませんか? 陸路国境越えは隣国でも雰囲気が変化し、旅をもっとワクワクさせてくれますよ。
初めて国境越えを楽しみたい人にオススメのルートの一つが、ウィーン→ブダペストへの鉄道旅。オーストリアの隣国ハンガリーは社会主義時代の面影も所々に感じられ、旅の情緒たっぷり。片道3時間くらいなので日帰りでも滞在可能。
今回は筆者自身が体験したウィーン→ブダペストへの鉄道旅をご紹介しましょう。
ウィーンからブダペストへはいくつかの行き方がありますが、この日はWien Meidling駅から出発。
ちょっと奮発して一等席へ。早朝とあって車内はガラガラです。ゆったりとしたレザーシートは座り心地抜群!
約3時間後、ブダペスト東駅(Budapest Keleti pu)に到着。ウィーンの駅と比べてやや古く、どことなく哀愁が漂います。
歴史を感じさせる荘厳な駅の外観。
市内中心へ向かうため地下鉄に乗り換え。構内にはノスタルジックな売店がありました。ウィーンでは見なかった雰囲気のお店でもあり、このような隣国の違いを発見するのも国境越えの醍醐味なんです。
ブダペストの地下鉄。車体はかなり古く駅もやや薄暗いのですが、なぜか旅情が感じられます。
ドナウ川に架かるセーチェーニ鎖橋。商業の街ペスト地区と王宮のあるブダ城地区を結ぶ吊り橋で、両岸の美しい風景を一望できます。橋の両端には迫力あるライオンの石像があり、重厚感もたっぷり。
ブダペストのシンボルでもある国会議事堂。赤色のドームといくつもの尖塔が印象的で、風格ある壮麗な雰囲気。建物内部の見学ツアーもありますが、ブダ側の丘から眺めるだけでもため息が出る美しさです。
まるで駅舎のような立派な外観が目を引く「中央市場」。
2階建ての市場には地元の食材を売る店や雑貨店、食堂などがひしめき合います。牛肉や野菜をパプリカで煮込んだハンガリー伝統のシチュー、グラーシュ(Goulash)はぜひ試してみたい名物です。
ブダペストをのんびりと眺めるならトラムもおすすめ。ノスタルジックな車体がレトロな街並みに溶け込んでいます。
ブダペストは世界有数の温泉都市でもあり、古代ローマ時代から利用されてきたと言われています。ゲッレールト温泉(Gellért Gyógy fürdö)は街の中心にありアクセスも便利。男女別のお風呂や室内温泉プール、サウナなどが備わり、アールヌーヴォー様式の華やかな雰囲気のなかで温泉を満喫できますよ。
夕方のブダペスト東駅。これから再びウィーンに戻ります。少々駆け足になってしまいましたが、日帰りでも十分に楽しめるブダペストの旅でした。
Wien MeidlingからBudapest Keleti puまではオーストリア連邦鉄道にて、片道直通普通席38.8ユーロ、一等席62.2ユーロ。(2016年3月10日現在)
数日間かけてゆっくり滞在するのももちろん素敵な旅ですが、日帰りならばスーツケースを持ち運んだり、ホテルをチェックアウトする必要もないので、気軽に訪れられるのもいいところ。隣国でも雰囲気の違いを感じられる、ちょっとワクワクする国境越え。ウィーンを旅する機会があれば、鉄道に乗ってブダペストまで訪れてみてはいかがでしょうか?
[Photos by Nao & Shutterstock.com]]
Nao ライター
メーカー、ITベンチャー勤務を経てフリーランスに。
学生時代から旅を続け、渡航国は現在50カ国。
特技は陸路国境越え。グルメレポート翌日に大学の最先端研究を取材したり、ロシア州知事にインタビューしたり。幅広い対応力とフットワークの軽さが自慢。日本ソムリエ協会認定資格ワインエキスパート保有。
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