日本では急に日用品を切らしていることに気づいたとしても、年中無休、24時間営業のコンビニやスーパーがありますよね。コンビニやスーパーを除き、元日はさすがに休業のお店が多いですが、日曜日や祝日は「かきいれどき」。お客さんの入る休日にあえて休業するお店は多くありません。
日曜にほとんどのお店が休業するドイツ
そんな日本と対照的に、筆者の暮らすドイツでは、日曜日に休業するお店が大多数です。デパートやブティック、ドラッグストア、スーパーマーケットなど、ありとあらゆるお店が軒並み休業になります。
一部のベーカリーや薬局は午後の早い時間までなら開いていることもありますが、ドイツで日曜日に買い物をするのは容易ではありません。
ドイツ人は日曜休業をどう思っている?
日曜の商店休業は、いつでも買い物ができる便利さに慣れている日本人には驚きの習慣。「さぞかし不便では?」と思ってしまいますが、当のドイツ人たちはどう感じているのでしょうか? ドイツ人は「日曜日にお店が休みなのは当たり前のことだから特に不便は感じない」といいます。
ドイツにおいて日曜日の商店休業は商店の営業曜日や営業時間を規制する、「閉店法」という法律に基づき100年続いている伝統。近年閉店法の抜本的な改革が実現したものの、日曜日に営業するお店は依然として少数派のままなのです。
そのような背景があるため、日曜の商店休業はドイツ社会に深く根付いているのです。
ドイツ人は日曜をどう過ごしている?
それでは、買い物ができない日曜日をドイツ人はどのように過ごしているのでしょうか。無駄なお金を遣わず、質素倹約を美徳とするドイツでは、お金を遣う娯楽はあまりありません。
それよりは自然に触れてリフレッシュする時間や、大切な人たちとゆったり過ごす時間を重視します。ドイツにおける日曜日の過ごし方の定番は「散歩」。自然を愛する国民性のドイツらしく、ハイキングやサイクリングもポピュラーです。
日本では、若い世代が家の近所を散歩することは一般的ではありませんが、ドイツでは老いも若きも散歩を楽しみます。ドイツで暮らすようになってから、筆者も週末にドイツ人のパートナーと近所を散歩するようになりました。
はじめは「お店も閉まっているのに散歩なんかしてもつまらない」と思っていましたが、太陽の光を浴びるのは気持ちがいいですし、季節の移ろいも感じられます。
日曜日に外に出ると夫婦やカップルで散歩している人々の姿を目にします。ショッピングの誘惑がない状態で誰かと一緒に散歩をすると、自然とコミュニケーションが生まれ、その相手との時間に集中することになります。
散歩の後は、家でお茶を飲みながらリラックスしたり、読書をしたりして過ごします。一般にドイツ人は衣食には必要以上にお金をかけませんが、くつろぎの場である住まいにはお金とエネルギーを惜しみません。
ドイツ人のライフスタイルから学ぶこと
必要以上に消費せず、身近な自然や家族、住まいなど、「そこにあるもの」に幸せを見出すドイツ人のライフスタイルはとてもシンプル。日本のようにモノやサービス、娯楽にあふれた環境に慣れていると、ドイツのライフスタイルがとても地味に感じることもありますが、ドイツ流に見習うところがあるのも事実。
ドイツの人々は、「人生において、本当に自分を幸せにしてくれるものは何か」ということがわかっているように感じられるのです。
あなたは、常に新しいものや高価なものを欲しがってはいないでしょうか? レジャースポットに行かないと楽しめないと思ってはいませんか? イベントがない日は平凡で退屈な一日だと感じていませんか?
すぐそばにある幸せに気づいたなら、何気ない日常も特別な毎日になっていくのです。
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Haruna ライター
和歌山出身、上智大学外国語学部英語学科卒。2度の会社員経験を経て、現在はフリーランスのライター・コラムニスト・広報として活動中。旅をこよなく愛し、アジア・ヨーロッパを中心に渡航歴は約60ヵ国。特に「旧市街」や「歴史地区」とよばれる古い街並みに目がない。半年間のアジア横断旅行と2年半のドイツ在住経験あり。現在はドイツ人夫とともに瀬戸内の島在住。
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