大都会の雑踏で歩き疲れたら、教会の扉を押してみましょうか。ニューヨークのランドマーク、全米最大のカトリック教会“聖パトリック大聖堂(St. Patrick’s Cathedral)”があります。天井の高い、美しいステンドグラスで囲まれた聖堂内に入ると、心が安らぎます。もし心に抱えた痛みや重荷があるのなら、旅先で下ろしても良いのではないでしょうか。
3年間の大修復工事を終えて、生まれ変わる
2012年から3年の歳月と約1億7700万ドル(約200億円)をかけて、修復工事が行われていました。しばらく建物内外共に足場が組まれ、見場が悪かったのですが、昨年ローマ法王の渡米前に工事を終えました。現在は、新しく建てたような美しさです。
ゴシック様式の大理石で出来た、天井の高い大聖堂。見上げると、心が解放されていく気がします。
観光客に門戸を開き、入場は無料
マンハッタンの真ん中、ミッドタウン5th Aveの観光地にあるので、訪れやすい場所です。入場料は無料なので、観光客も多いですよ。
ステンドグラスの美しさは必見
天気の良い昼間には、ステンドグラスが美しいです。
ニューヨークの中心的な存在
訪れた日は、イースター(復活祭)。大聖堂の外では、イースターパレードが賑やかに行われていました。ニューヨークのセントパトリックデイやイースターパレード、クリスマスなどカトリックのイベントはこの大聖堂を中心に行われます。
イースター(復活祭)の日
キリスト教徒にとって重要な祭日は、祭壇にたくさんの百合の花が飾られていました。
祈りを捧げるのは、宗教に拘らない
カトリック信者でなくても、祈りを捧げたい時はあります。カトリック信者でなくても、門戸は開かれていますよ。
筆者が訪れたのは、昨年末から近しい人の急逝が続いており、彼等のために祈りたいと思ったからです。カトリック信者ではなく、苦しい時の神頼み教(無宗教)ですが、神様は自分の心の中に存在していると信じています。
この世から旅立ってしまった人々を偲ぶ
揺るがぬ山のような、仰ぎ見る存在だった人。いつも見慣れた風景のように、いるのが当たり前と思っていた人。南太平洋に浮かぶ美しい国で暮らしていた人。もう、現世では会えなくなってしまいました。
キャンドルを灯して、彼等にお別れを言いました。「この広い世の中で、巡り会えたことを感謝します。またいつか会いましょう」と。
跪いて祈りを捧げる人
教会内には、21もの祭壇があるそうです。各祭壇では、跪いて真剣に祈りを捧げる人を見かけました。人種や宗教に関わらず、心の中に抱えているものは、誰もが同じなのではないかと思います。
旅先で心の重荷を下ろす
カトリックでなくても、跪いて祈ることで、心に抱える重荷や痛みが癒されるかもしれません。旅先では「何か持ち帰る」ばかりではなく、「心の重荷を下ろしていく」旅があっても良いのではないでしょうか。日本とは違う外国だから、心の呪縛から解き放たれて、素直に自分の気持ちに従えるかもしれません。
聖パトリック大聖堂 St. Patrick’s Cathedralオープン(毎日): 6:30am to 8:45pm*
The Cathedral is open until 10:00pm on the night of the Christmas tree lighting at Rockefeller Center.
入場は無料ですが、キャンドルは1個につき2ドルを献金箱に入れる必要があります。修復工事を含め、維持には莫大な費用が掛かっています。大人の場合、献金箱に多少のお布施を入れることを勧めたいと思います。
[All photos by Hideyuki Tatebayashi]
※無断で画像を転載・使用することを固くお断りします。Do not use images without permission.
sara-aoyama ライター
はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。
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