個人旅行で行くにせよ、団体旅行で行くにせよ、現地の治安はやっぱり気になりますよね? 特に今は世界中で物騒なニュースを聞きます。外務省からも渡航を控えた方がいい地域、あるいは渡航しても問題ない地域が紹介されていますが、都市別に見るとどうなのでしょうか?
そこで今回はコンサルティングサービスを世界規模で展開するマーサーが発表した「2016年世界生活環境調査(Quality of Living Survey)‐都市ランキング」を基に、安心して旅行できる都市、逆に注意した方がいい都市を紹介します。
個人旅行に適した安全な旅先はルクセンブルク
そもそも「2016年世界生活環境調査(Quality of Living Survey)‐都市ランキング」は、世界中の多国籍企業や組織が、自分たちのスタッフを海外に出向させる際の報酬を決定する基準として使われているといいます。
日本企業の社員として発展途上国で働く筆者の友人も手当てをもらっていると言っていましたが、企業の側もこうした調査を参考に、手当や報酬を決定しているのですね。
上述の調査は今回で18回目。各国の情勢や治安、司法機関の機能、他国との関係などをベースに「個人の安全度ランキング」も発表されています。その調査で「安全」と太鼓判を押された都市は、以下の通りでした。
1位・・・ルクセンブルク(ルクセンブルク)
2位・・・ベルン(スイス)
3位・・・ヘルシンキ(フィンランド)
4位・・・チューリヒ(スイス)
5位・・・ウィーン(オーストリア)
「ルクセンブルグってどこだっけ?」という方、ドイツとフランス、さらにはベルギーに囲まれた小さな国ですね。ちなみに2位のベルンはスイスの首都になります。
6位がスイスのジュネーブ、7位がスウェーデンのストックホルム、8位がシンガポール、9位がニュージーランドのオークランド、10位が同じくニュージーランドのウェリントンでした。ウェリントンは北島の南端、クック海峡に面した都市です。
次は「個人の安全度ランキング」ワースト10をご紹介。
個人旅行に向いていない都市はイラクのバグダッド
一方で個人の安全度が低い都市はどこでしょうか? ワースト10を一覧にすると、
ワースト1(230位)・・・バグダッド(イラク)
ワースト2(229位)・・・ダマスカス(シリア)
ワースト3(228位)・・・サナア(イエメン)
ワースト4(227位)・・・バンギ(中央アフリカ)
ワースト5(226位)・・・キンシャサ(コンゴ民主共和国)
ワースト6(225位)・・・カラチ(パキスタン)
ワースト7(224位)・・・ナイロビ(ケニア)
ワースト8(223位)・・・コナクリ(ギニア)
ワースト9(222位)・・・ハルツーム(スーダン)
ワースト10(218位)・・・イスラマバード(パキスタン)、ラゴス(ナイジェリア)、ラホール(パキスタン)、トリポリ(リビア)
といった結果に。残念ながら足を運んだ経験のない場所がほとんどですが、パキスタンを除けば全て中東とアフリカの都市ですね。ちなみに6位のカラチ(パキスタン)や10位のラゴス(ナイジェリア)、ラホール(パキスタン)以外は全部、各国の首都になります。
外務省の海外安全ホームページを見ると、例えば2位のシリア、3位のイエメン、4位の中央アフリカ共和国は、国土全体に「レベル4:退避勧告」が出ています。渡航どころか「退避してください」というメッセージ。その他の国やエリア、都市にも「レベル3:渡航中止勧告」が出ています。
以上が安全に旅行できる都市、渡航を控えたい都市のトップ10、ワースト10でした。
ちなみに日本は東京、大阪、名古屋、横浜、神戸の5都市が32位に入っています。よく知る日本の諸都市が32位だという基準で、上位や下位の都市の雰囲気を察してみてください。
[マーサー「2016年世界生活環境調査(Quality of Living Survey) ‐都市ランキング」を発表 – MERCER ] [All photos by Shutterstock.com ]
Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(
https://hokuroku.media/ )創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。
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