アンリ・カルティエ=ブレッソンは20世紀を代表するパリの写真家。「サンラザール駅裏」が有名で、決定的瞬間を捉えたユニークな写真たちは美しくて印象的。そんなブレッソンの写真を管理する財団が2003年に設立されました。
この財団はモンパルナスの住宅街の中にあって、どこか隠れ家のようにひっそりと佇んでいます。アンリ・カルティエ・ブレッソンン財団はガイドブックには載っていない、パリを知ることができる場所。まだ知られていないパリの姿を紹介します。
アンリ・カルティエ=ブレッソンとは
アンリ・カルティエ=ブレッソンは1930年代から写真家としてパリで活動を始め、その後メキシコ、スペインなど旅をしながら写真を撮りました。1965年には日本に滞在をしたことがあるのだそう。1952年に「決定的瞬間」という写真集を出版。この本によってブレッソンは高く評価されることとなります。
この題名にあるように、ブレッソンは一瞬の人々の行動や表情、風景を神業のごとくカメラで捉えています。その世界観はユニーク。哀しみ、喜び、滑稽さなど、私たちの視覚では捉えることのできない一面を浮き彫りにする写真を発表し続けました。そんなブレッソンの写真は時代を超えて人々を魅了し続けています。
アンリ・カルティエ・ブレッソン財団とは
アンリ・カルティエ・ブレッソン財団は写真家の展示を行なっています。とりわけフランスではあまり知られていない写真家の企画展などを開催。高梨豊やルイス・ハインの写真展やブレッソンとポール・ストランドのメキシコ932-1934の比較展など、興味深い企画展は写真好きのパリジャンを惹き付けています。毎年写真コンクールも開催しており、新人の写真家の発掘にも力を入れているそうです。
魅力的な建物
アンリ・カルティエ・ブレッソン財団の建物は、以前は芸術家たちのアトリエだったそうです。2、3階は展示室になっており、螺旋階段を上がった4階はブレッソンの作品を展示するスペース兼来場者たちの憩いの場となっています。
大きな窓から柔らかな光が差し込みます。晴れた日は気持ちがいいほど光が部屋いっぱいに溢れています。企画展を見た来場者は設置された椅子に座り、ゆったりとした一時を過ごしています。写真展についての感想や何気ない日常を語り合う人々。パリジャンの日常の顔を垣間みる瞬間です。
アンリ・カルティエ・ブレッソン財団はパリの隠れ家のような場所。ガイドブックには載っていないパリを体験できます。最後にひとつ。ここは美術館だけれど誰かのアパートを訪れた時のようにインターフォンをならして入らなければならないのでご注意を。それもまたこの場所の魅力のひとつです。
[Fondation Henri Cartier Bresson/アンリ・カルティエ・ブレッソン財団]
[All photos by Nanako Kitagawa]
Nanako Kitagawa ライター
2007年よりフランス在住。パリ第八大学大学院を卒業。専攻は文化コミュニケーション。趣味は映画、読書、写真、雑貨、料理、街歩き、カフェ巡り。初めて訪れたその日からすっかりパリの街に魅了され、今日も旅をするようにパリの街を歩き回る。
【24時間あったらパリで何する?】1日でパリを制覇する!在住者おすすめの
Jan 24th, 2024 | 北川菜々子
【2024年1月24日更新】旅行中、飛行機の乗り換えやヨーロッパ旅行で1日だけパリに滞在することになったという方もいるのではないでしょうか。そんな方々におすすめ。1日でパリを制覇する過ごし方をお教えしたいと思います。観光スポットもグルメも美術もショッピングも全て24時間で楽しんでしまいましょう。
ボルドーやブルゴーニュだけじゃない!知っておきたいフランスのワイン4選
Jan 13th, 2024 | 北川菜々子
フランスのワインといえばボルドーやブルゴーニュを最初に思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。実際日本にもこの2大生産地のワインが一番多く輸入されています。しかし、フランスのワインはボルドー、ブルゴーニュだけじゃないんです。フランス全土に渡ってワインは生産されています。在住者がおすすめするフランスの地方のワインを紹介したいと思います。
【大学生が見た海外の“今”】研修中のカメラロール見せてください!フランス
Dec 7th, 2023 | TABIZINE編集部
TABIZINE10周年企画、第3弾は日本女子大学とコラボ。大学生ならではの視点で切り取られた海外の“今”をお届けします。今年2023年から国際文化学部が新設された日本女子大学。新学部では1年生から約2週間の海外研修で他国の言語や文化を学ぶプログラムが必修となりました。彼女たちの研修中のカメラロールや等身大の体験談から見えてくる、教育や文化、価値観の違い、そこから得た学びとは? 第4回は、フランス編。レポーターは、日本女子大学国際文化学部1年生のA.Kさんです!
【海外のマクドナルド】フランスのハッピーセットのおもちゃを大公開!
Oct 19th, 2023 | sweetsholic
その国でしか味わえないご当地メニューはもちろん、ハッピーセットの内容やおもちゃも国によって異なるのが楽しい、海外のマクドナルド。今回はフランスのマックより、ハッピーセットの付録を大公開。また仏ハッピーセットの付録史上、大人の自分がもっとも興奮した、2023年秋のおもちゃも併せてご紹介します!
フランス・バスク地方の伝統菓子「メゾン・アダム」「メゾン・パリエス」の素
Oct 15th, 2023 | ロザンベール葉
日本でもすっかり定着したマカロン。巷で見られるものは厳密にはパリ風マカロンと呼ばれ、フランスには素材や製法、特徴が異なるさまざまなマカロンが存在します。フランス・バスク地方、大西洋岸のサン=ジャン=ド=リュズという港町で見つけた「メゾン・アダム」のマカロン、「パリエス」のムシューと呼ばれる2品を実食ルポでご紹介します。
17年前のパリの一人旅「とりあえずここで頑張ろう」
Oct 8th, 2023 | 北川菜々子
TABIZINE10周年を記念して、ライターそれぞれが自由に綴る旅エッセイ。第8回目は、フランス・パリ在住の北川菜々子さん。「今回TABIZINEの10周年企画で、どの旅のことを書こうか……色々考えました。今でこそ年に何回も旅に出ますが、根っから旅行好きという訳ではありません。どちらかというと家にいるのが好き。そんな私が一人で、それも海外に出たのが、大学4年生の冬でした。正確に言うと旅ではなくフランスに留学。それも一度も訪れたことがなかったフランスへ。その時のパリの一人旅が、改めて今振り返ってみると、私の中で一番印象に残っている旅なのです。なんてことのない旅ですが、17年前のパリの旅行の記憶を解きながら、今回のコラムを綴らせていただきます」
【ローマ・ナポリ・プロヴァンス】忘れられない朝食の思い出
Oct 5th, 2023 | ロザンベール葉
TABIZINE10周年を記念して、ライターそれぞれが自由に綴る旅エッセイ。第5回目は、京都在住のロザンベール葉さん。「旅行の際、“食”は最も重要なテーマですよね。朝食、ランチ、ディナーとそれぞれに魅力がありますが、10周年に寄せての今回は、朝食にフォーカスしたいと思います。シンプルな中に、その土地の要素がたっぷり詰まっている朝食。特に忘れられない、イタリアのローマとナポリ、フランス・プロヴァンスの思い出をお届けします」
【機内食ルポ】エールフランス航空「関西空港~パリ」エコノミー搭乗体験をコ
Sep 1st, 2023 | ロザンベール葉
フランスを代表する航空会社「エールフランス航空」。世界500都市以上に就航し、世界有数の路線網を維持しています。ハブ空港であるパリ=シャルル・ド・ゴール空港から日本へは、成田、羽田、大阪の3都市と定期運航。そんなエールフランス航空の最新情報を、ここ十数年毎年搭乗している筆者が、搭乗・機内食ルポとともにお届けします。
【世界の病院食ルポ】フレンチなのに、機内食みたい!?2023年8月ボルド
Aug 31st, 2023 | sweetsholic
機内食にもお国柄が表れるように、入院中の食事もその国ならでは。こちらの記事では、世界の病院食にフォーカス! というわけで、今回は筆者の暮らすフランス編。ワインの銘醸地ボルドーにほど近い場所にある、リブルヌ・ロベール・ブラン総合病院の入院食をルポします。
【海外の本格ノンアルビールを飲み比べ 】まるでホンモノ!?一番おいしいの
Mar 31st, 2023 | sweetsholic
世界的な盛り上がりを見せている、ノンアルコール市場。ワインの消費量は年々減っているフランスですが、ノンアル市場は右肩上がりです。現地スーパーのビールコーナーでも、数年前に比べ、アルコールゼロを謳うビールの存在感が増している印象。人気とはいうけれど、気になる味は……? そこで、日本でも知名度の高い海外ビールメーカーから発売中のノンアルビール4種類を飲み比べてみました!