サンフランシスコの最も有名な観光地のひとつであり、かつて映画にもなりその名を一躍有名にした「アルカトラズ島」。この島が映画化されるほど有名になったのは、この島にある刑務所が理由でした。刑務所といってもここは全米の重犯罪を犯した者が入所する当時もっとも危険な連邦刑務所であり、「絶対に脱獄不可能」と言われたいわくつきの監獄島だったのです。
今回は刑務所にまつわる逸話や観光地としての楽しみ方をお伝えしていきます。
アルカトラズ島のはじまり
他の刑務所に収監されても更生することがなかった、犯罪常習者や重犯罪者たちの「最終漂流地」として、このアルカトラズ連邦刑務所は1934年から1963年まで使用されていました。収監されていたのは強盗犯や誘拐犯、銀行強盗犯、脱獄の常習犯などの合計1545名の重犯罪者たち。実は当時アメリカで最大のマフィアの帝王、あのアル・カポネもこのアルカトラズ島に収監されていたというから驚きです。
「絶対に脱獄不可能」と言われたワケ
アルカトラズ島からサンフランシスコ市まではおよそ2.4kmであり、街から島を眺めてみると一見そこまで離れているようにも見えない距離なのですが、実はそこには脱獄不可能とされるトリックが隠されていました。もちろん警護の固さも理由のひとつですが、それ以上に過酷とされたのが島を取り巻く環境です。それは海水が7~10℃の冷たい水温ということ、潮流の流れが早く泳ごうとしてもすぐに流されてしまうという、ふたつの点。その当時脱獄はあまりに過酷で無謀なチャレンジだと思われていたのです。
それでも脱獄を試みた大事件
(C) Saya Meguro
そんな過酷な脱獄環境でありながらも脱獄を試みた収監者たちは存在しました。なんと過去14件の脱獄事件が発生し、36人が脱獄事件を試みたのです。結果的には射殺事件や溺死事件に発展し無事に脱獄した者はいないと発表されていましたが、ただ三人、脱獄に成功したのではないかと噂される人物がいます。
それはワシントン生まれのフランク・モリスという囚人と彼の指示に従った二人の囚人たち。彼らは夜更けに約二年の歳月をかけて掘った隠し穴から脱獄したのち、自ら作ったイカダに乗り海を渡った、といわれています。一説によると主犯のフランク・モリスはIQが133のかなりの頭脳派だったことも含め謎の多い事件とされ、「アルカトラズからの脱出」という映画の主人公にもなりました。
アルカトラズまでの行き方・予約方法
(C) Saya Meguro
フィッシャーマンズワーフの近くのピア33から専用のフェリーで約15分で、料金はフェリー往復込みの大人33ドルです。窓口でも当日券の購入は出来ますが、インターネットからでも予約は可能です。祝祭日は混むことが予想されるので、なるべく事前にチケットを取っておくと長い列に並ばずに済みます。
実際に見てみると
(C) Saya Meguro
実際に見て回ってみると、当時を再現した牢屋、脱獄を試みた際の実際の銃撃戦の跡や面会所、食堂など、映画でしか見たことのないような生々しくダイナミックな世界がそこには広がっています。
ガイドを雇うのも手ですが、節約派にはオーディオガイド(無料)がおすすめ。日本語版もあるのでガイドを聴きながら自分のペースで島内の施設を十分に堪能することができます。時代が変わっていたら決して足の踏み入れることの出来なかった危険な場所ですが、サンフランシスコへ行く際のお土産話のネタにはぴったりの観光地かもしれませんね。
■アルカトラズ島
住所:Pier 33
営業時間:9am〜4pm(※時期によって夜間営業あり)
価格:大人/33ドル 子ども(5〜11歳)/20.50ドル
[Alkatraz official website]
[脱獄者についての説明文]
[Alkatraz ticket]
[huff post DC(フランク・モリスについての説明文)]
[Photos by Shutterstock.com]
Saya Meguro ライター
北海道出身。NZや日本をヒッチハイク縦断してみたり、ヒマラヤに登ってみたり、スペインで盗難に遭ってみたり。とにかくワクワクすることがすき。将来の夢は湖畔のちかくに家を建てて、動物と自然に囲まれて暮らすこと。
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