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歴代1位は41.1℃!日本の最高気温を記録した場所はどこ?

Posted by: 坂本正敬
掲載日: Aug 10th, 2016. 更新日: Jul 31st, 2023
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今年は日本各地で厳しい暑さが続いていますが、日本の観測史上記録した最高気温は、41.1℃だといいます。その場所はどこだかご存じですか?

歴代1位は41.0℃!日本の最高気温を記録した場所はどこ?

そこで今回は気象庁の情報をもとに、今までで最も高い気温を記録した土地をクイズ形式で紹介したいと思います。


日本で最も高い気温を記録した場所はどこ?

歴代1位は41.0℃!日本の最高気温を記録した場所はどこ?

全国にはだいたい21kmの間隔で、風向きや風速、気温や日照時間を測る観測機が置かれています。その数はおよそ840か所。さらに観測機の置かれた環境によって結果に影響が出ないように、芝生の上の高さ1.5mに電気式温度計を設置するなど、細かいルールが設けられています。気象庁発表の記録値は、この観測所のものになります。

Q1.以下は歴代最高値の気温を記録したトップ5の場所(50音順)。この中で観測史上、最も高い気温を記録した場所はどこでしょうか?

・岐阜県の多治見
・高知県の江川崎
・埼玉県の熊谷
・静岡県の浜松
・山形県の山形

ヒント:1位は同率で2つの自治体が並んでいます。

第5位と第4位

歴代1位は41.0℃!日本の最高気温を記録した場所はどこ?

第5位・・・山形県の山形(40.8℃)※1933年7月25日

第5位の山形は、典型的な盆地にある町。夏場の盆地は山から吹きおろしてくる風が熱くなる、フェーン現象が起きやすい場所として知られています。

緯度は高いですが、山形も標高994mの白鳳山や蔵王国定公園に挟まれた立派な盆地の町になるのですね。

ただ、山形の場合は観測日が1933年(昭和8年)と戦前の話。この日は先に説明したフェーン現象で例外的に暑くなっただけだといいます。こちらは他の“名所”と比べると「暑いけど、言うほどでもない」と語る山形市民もいました。

次は第4位の発表。

第4位・・・岐阜県の多治見(40.9℃)※2007年8月16日

一般的に南の海から吹く風が、大都市を通過して吹き寄せる場所は、高温になります。

岐阜の多治見を見ると、この土地も南側に名古屋という大都市を持っているとわかります。背後には山々が控えていて、山から吹き下ろす風がフェーン現象を起こしやすい場所でもあります。多治見は、名古屋で熱せられた海側からの風と、山から吹き下ろす風のWの力で、苦しいほどの暑さになるのですね。

第3位

歴代1位は41.0℃!日本の最高気温を記録した場所はどこ?

第3位・・・高知県の江川崎(41.0℃)※2013年8月12日

高知県の江川崎は四万十市の西土佐にあります。地図帳を開くと、愛媛県の県境近く。標高857mの堂ケ森などに囲まれた山間の町になります。多治見のように大都市で温められた熱風こそ吹きませんが、緯度も低く、盆地のような地形で、西風が吹くとフェーン現象が起きます。さらに内陸といった条件も重なり、観測史上最高の気温をたたき出したのだと考えられています。

2013年にこの41.0℃という気温が出たときには、当時の日本の最高気温を塗り替えました。それ以前に記録を持っていた埼玉県の熊谷や岐阜の多治見からは、横やりが入ります。江川崎の場合は、電気式温度計の設置された場所の芝生がはげていて、土が露出しているといった指摘がありました。土が見えている条件では、高温が観測されやすいのだとか。

それでも当時「日本一」の称号を手にした西土佐の人たちは、

<日本国内観測史上最高気温となる41.0℃を記録、天から降ってきた「日本一の称号」>(四万十市西土佐商工会のホームページより引用)

などと自慢し、記録達成を誇りとして記念Tシャツなども作っています。暑い場所は本当に嫌ですが、日本一まで暑いとなると自慢にもなってくるみたいですね。

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第1位

歴代1位は41.0℃!日本の最高気温を記録した場所はどこ?

しかし、高知県の記録は、5年後に埼玉県の熊谷市に塗り替えられます。さらにビッグニュースとして今年、その記録に静岡県の浜松市が並びました。

第1位・・・埼玉県の熊谷(41.1℃)※2018年7月23日
第1位・・・静岡県浜松市(41.1℃)※2020年8月17日

関東に住んでいる人であれば、熊谷の暑さ自慢はご存じの通り。熊谷は盆地ではありませんが、岐阜の多治見と同じく南の海の方から吹く風が、大都市の東京を通過して吹き寄せます。海の風が東京を通過するうちに熱せられて、熊谷あたりに高温にするのですね。

さらに熊谷の場合は、関東山地から吹きおろす風がフェーン現象を起こして、Wの効果で暑くなるといわれています。熊谷の場合は、2018年に最高記録をたたき出す前にも、2007年8月16日に40.9℃を記録しています。熊谷の「ホットさ」は、関東の人のみならず全国区で知られている事実のはず。

2020年8月、その熊谷の記録に並ぶ土地が現れました。静岡県の太平洋側にある浜松市です。この浜松市はダークホースのような存在で、いくつかの報道によれば、どうして浜松で日本最高と並ぶような記録が出たのか、気象関係の担当者も驚いているのだとか。

ただ、地図を見ると浜松市の北側には、三方原を挟んで愛知高原国定公園や天竜奥三河国定公園などにも指定される山岳地帯が盛り上がっています。この辺りから風が吹き下ろし、フェーン現象が起きたのではないかと、専門家は指摘しています。

きっと埼玉県熊谷市の人たちは、複雑な気分でしょうね。

以上、日本の最高気温のランキングでした。今年の夏は、さすがにピークを過ぎているので、記録更新で日本一の称号が天から降ってくる自治体はなさそうですが、来年はまた記録が更新されるかもしれませんね。

歴代1位は41.0℃!日本の最高気温を記録した場所はどこ?

[All photos by Shutterstock.com]

※2020年8月27日更新 情報を更新しました。

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。


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