「日本人はワーカーホリック」といわれますが、アメリカ人からすると「日本の働き方っていいなあ」と感じることがあるんだとか。どんなことをうらやましいと思うのか、サラリーマン・公務員の働き方を想定し、日米で比較してみました。
休みが多い
一般的に、「日本人は休みをとらない」といわれます。確かに有給消化率は60%と世界最低ランクですが、有給の日数は20日あり、アメリカの15日より5日も多いのです。
アメリカ人の有給取得率は73%。取得日数で比較すると、日本は12日であるのに対しアメリカは11日(※1)。わずか1日の差ではありますが、日本人の方がアメリカ人より有給をとっていることがわかります。
有給以外にも、日本には国民の祝日が16日もあります。対してアメリカは、州や企業によって若干違いますが、たったの8日。日本の方がアメリカより8日も国民の祝日が多いのですね。
※有給休暇国際比較調査2015(Expedia実施)より
通勤手当がある
日本ではアルバイトやパートなど、正社員以外の勤め人にも支給されることが多い通勤手当。アメリカでは支給されることがほとんどありません。通勤手当以外にも、住宅手当、食事手当、単身赴任手当など、日本は手当天国。手当は一定の限度額まで非課税ですし、とてもうらやましい制度のようです。
昇給が自動的になされる
多くの日本企業では、勤続年数や昇格に応じて毎年昇給がされるのではないでしょうか。年功序列制度をベースにしているからだと思われます。
対してアメリカでは、昇給額を自分で交渉しなければなりません。年功序列など存在しない世界ですし、「経営者が一方的に昇給額を通達するより、従業員が交渉できる方がフェアだ」というように考えるからです。
多くの人はそれを当然の権利だと思い、満足もしていますが、毎回の交渉がストレスであることも事実。「黙っていても昇給してくれるなんて、日本企業は親切だなあ」と思うこともあるそうです。
社員研修がしっかりしている
「入社したら即戦力」がアメリカ流。すぐ第一線に放り出されます。
一方日本企業は、特に新卒者には数か月もの研修期間を与え、名刺交換や電話の取り方まで懇切丁寧に教えてくれるのでは。新卒者同士で合宿や富士登山をするなど、まるで学生生活の延長のように楽しい研修も存在します。
座学ばかりで実践に出させてくれないこと、会社の風土に染められること、横並びに扱われることを嫌がるアメリカ人も多いですが、「お給料をもらいながら勉強できるなんていいね」という声も耳にします。
産休、育休がとれる
日本では、出産前後14週の産休と、子どもが1歳になるまでの育休を取得できることが労働基準法で定められています。正社員でなくパート・派遣・契約社員でも行使できる権利ですよね。また、出産手当金と育児休業給付金という金銭面でのサポートもあります。
この制度、アメリカのワーキングマザーから見るとうらやましくてたまらないのです。アメリカでは出産の1週間前までバリバリ働き、産後は4週間程度で復帰する人が多々。休んでいる間は無給だからです。
産休・育休だけで比較すると、アメリカよりも日本の方が、仕事と子育てを両立しやすいといえます。
確かに日本には、長時間労働、低収入、ワーキングプア層の拡大など、問題点が様々あります。でも角度を変えると、日本で働くメリットも案外多いみたいですね。
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Misako Treutel ライター/翻訳業
1986年生まれ。大学では英米文学・英語学を専攻していたが、授業そっちのけで留学、国際インターンシップ、旅に明け暮れる。大学卒業後は出版社に入社し、約80点書籍を制作。2015年に退社し、現在は米国シアトル在住。
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