(c) Studio Roosegaarde
国や土地によって、様々な個性を持つ空港たち。そこでしか買えないお土産物のショッピングなど、待ち時間の過ごし方もいろいろありますよね。この夏、オランダのスキポール空港に出現したとあるものが「時間を忘れさせる」と話題を呼んでいます。
3Dの雲の壁「BEYOND」
(c) Studio Roosegaarde
それが、2016年8月にこの出発ロビー(Departure Hall) に出現した、雲が動く壁。
(c) Studio Roosegaarde
スキポール空港の出発ロビーは3つに区分されているのですが、3番目のエリアに設置された「ビヨンド」(BEYOND)というインスタレーションです。
【BEYOND by Roosegaarde adds new dimension to Schiphol Airport with 3D clouds and Dutch light】
こちらの動画からご覧になれるように、ゆっくりと雲が姿を変化させ、まるですぐそこに本物の雲があるような錯覚を感じます。これが厚さたった10cmのLEDパネルに映し出された映像だなんて信じられないですね。
(c) Studio Roosegaarde
思わず、触りたくなる気持ちも分かります!
(c) Studio Roosegaarde
しかもなんと、このパネルの全長は112メートル。まるで既に雲の上にいるような気分になって、端から端まで眺めているうちに待ち時間があっという間に過ぎていくのではないでしょうか。
オランダ名画の巨匠たちにインスパイアされたデザイナー
【First glowing Van Gogh-Roosegaarde bicycle path in the world】
この雲の壁を生み出したのは、オランダのダーン・ローズガールデ氏(Daan Roosegaarde)。ゴッホの星月夜をモチーフとした光る自転車道(Van Gogh Path)をクリエイトしたり、オランダ国内のみならず世界的な活躍を見せるデザイナーです。
そんな彼は、スキポール空港から壁のデザインを依頼された際に、「オランダ絵画の黄金時代に活躍したサロモン・ロイスダール(Salomon Ruysdael)などの画家にインスパイアされて」このビヨンドをデザインしたと語っています。確かに17世紀ごろのオランダ絵画では雲が重要なモチーフになっていることが多いようですが、現代的なLEDを駆使するアーティストが昔ながらの絵画に触発されるなんて意外な気がしますね。
(c) YouTube/ Studio Roosegaarde
「スキポール空港の喧騒の中で、オランダの光と空を映し出すビヨンドは、驚きとアイデンティティを生み出す場所になります。雲を眺めながら、人々は再び夢を見始め、その中に自分自身の物語を見つけるのです」というロースガールデ氏の詩的なコメントが示す通り、確かにこの雲を眺めていると瞑想に近い気分になるかもしれません。旅立ちで高揚した気分を鎮め、自分の内面を見つめなおすための一助になりそうです。
(c) Studio Roosegaarde
出発ホールには誰でも無料で入れるので、空港を利用しない列車の旅であったとしても、自分を見つめなおしたいときに訪れてみるのも良さそうですね。そしてもちろん、空港で時間を持て余しているときにも、この時を忘れさせるインスタレーションはうってつけなのではないでしょうか。
[Photo by Shutterstock.com]
[Studio Roosegaarde]
[daan roosegaarde on ‘beyond’: a 160 billion pixel 3D cloud artwork at schiphol airport]
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