いまもっとも渡航が危険な国になっていると言っても過言ではないシリア。外務省の海外安全ホームページのシリアは予想通り真っ赤。2016年現在は退避勧告が出ているレベル4になっています。
しかし、かつては穏やかな人々が暮らす豊かな国でした。古代遺跡も数多く残っていて、独特な街並みが美しく、一度旅したらきっと忘れない国になると思います。そんなシリアに平和が戻ったなら、ぜひ訪れたい観光地をご紹介します。
シリアってどんな国?
シリアはトルコ、ヨルダン、イラク、レバノンなどと隣接している国。西部の地中海沿岸は平野が広がっていて、南部は肥沃な大地が続いているため、国内農業のほとんどを負担しています。また中部はアンチレバノン山脈が連なる山岳地帯で、乾燥地帯にはシリア砂漠があります。公用語は現代標準のアラビア語。国民の70パーセントがイスラム教スンナ派です。
中東最古の都市、シリアの首都「ダマスカス」
1979年に世界遺産に登録されたシリアの首都「ダマスカス」はエキゾチックな雰囲気が漂う中東最古の都市です。この都市は太古の昔からエジプトとメソポタミア、地中海地域を結ぶ交通・交易の要衝でした。なんと紀元前3000年頃からできはじめた都市なのだとか。
このような路地裏にさえ、中東最古の都市の重みを感じますよね。この道を歩いたらどんな気持ちになるのだろうか・・・。遥か昔のこの地に思いを馳せて歩きたいですね。
古代ローマ時代に建てられた2つの神殿も!ISの攻撃を受けた「パルミラ遺跡」
廃墟になっても美しいこの遺跡のことをかつての人々は「緑の都」(ナツメヤシの都)と呼んでいました。この場所はシリア砂漠を往復するキャラバンにとって重要な中継点だったのです。
この遺跡は1980年には世界遺産に登録され、ローマ式の円形劇場や浴場、四面門などが残っています。ここで古代の人たちが行き交い、さまざまな情報を交換していたのかと思うと、胸が熱くなってきますね。
本当に美しい場所です。青い空と遺跡が見事に調和していて、この景色をぜひ死ぬまでに一度は目にしたいという衝動にかられます。ISの攻撃を受けたベル神殿とバール・シャミン神殿を修復して、この遺跡をなんとか後世に残していきたいものです。
[パルミラ遺跡]
モンゴル帝国の侵入や十字軍の攻撃にも耐えた古都「アレッポ」
紀元前10世紀の最初に建築されたアレッポには世界最大のスーク(市場)のひとつがあります。そのスークの北にあるグレート・モスクは建築様式がモスクの手本になったと言われているそう。
また、この都市のもうひとつの見所である、アレッポ城は幾度もの戦乱の歴史の中で徐々に城砦化していきました。しかし、十字軍に戦略され改築された後の12世紀の姿を現在も保っています。
アレッポのスークを歩いてスパイスなどを買ってみたいですね。どんな香りがして、どのような風が頬をかすめるのでしょうか・・・。
十字軍時代の聖ヨハネ騎士団の本拠となった「クラック・デ・シュヴァリエとカル-エッサラー・エル‐ディン」
こちらはシリア中部にある中世の城塞。十字軍時代の聖ヨハネ騎士団の本拠となりました。そのため、城塞の内部はゴシック様式で長期の籠城にも耐えられるようにつくられています。巨大な食料貯蔵庫もあるそう。
このお城はアラビアのロレンスが「世界でもっとも素晴らしい城」と称した天空の城でもあります。何とも言えない美しさが漂うお城ですよね。
異教の世界からキリスト教世界へ移行する様子がわかる「シリア北部の古村落群」
こちらはシリア北部にある古村落群。8つの公園にある40ほどの村落は一瞬で1~7世紀にタイムスリップさせてくれます。
この場所は「死の都市」「忘れられた都市」とも呼ばれていて、8世紀から10世紀の間に放棄されました。ですが、そのおかげか? 現在でも極めて保存状態の良い多神教の寺院、教会、貯水槽などの建造物を見ることができます。
シリアには多くの古代遺跡が残っています。はるか昔にこの地で暮らした、もしくは往来した人々も同じ光景を目にしたと思うと、これらの遺跡を何としても守っていきたい気持ちになりました。
情勢が不安定になる前にシリアを旅行した人のほとんどは“シリア人はやさしく、安全な国だった”と言います。いつかシリアの情勢が落ち着いたら、これらの地を時間をかけて旅したいですね。現地ルポに興味のある方は、「【シリア一人旅】あのときは温かさと平和で満ちていた、世界遺産の古都」も合わせてどうぞ。
[All Photo by Shutterstock.com]
Ayami ライター
フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。
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