前回、「外国人向けの日本ガイドブック、ここが不思議!面白い!5選~フランス編~」で不思議で面白い日本についてご紹介しました。今回はその続編。フランスの日本ガイドブックにはフランス人が旅行するにあたって、日本人とはどんな人たちなのかということが、紹介されています。哲学の国フランス、ガイドブックの中の日本人論は結構リアル。私たち日本人とはどのように見られているのでしょうか。
いくつもの宗教が混在する日本
フランスのガイドブックには日本人の宗教観について書いてあります。「日本人は生活の中にいくつもの宗教が混在する。産まれた時は、神社でお宮参りをして、結婚式は教会であげる人も多い。でも葬式は仏教。クリスマスもするし、正月には神社にもお参りをする」私たち日本人にとって生活の中に、神道、キリスト教、仏教といくつもの宗教儀式が存在します。
一方フランスは、キリスト教やイスラム教という唯一神。他の宗教儀式を生活の中に取りいれるということはまずありません。日本人のこういった宗教観は不思議なのです。
日本人の義理
日本人の倫理観は、「義理」という言葉で説明されます。義理とはフランスでは「道徳的義務」や「社会の行動規範」のように訳されています。義理とは対人関係のバランスを保つ為の義務や行動規範とガイドブックには紹介されています。誰かが贈り物をした時には、社会的地位や年齢、その人との関係性によってお返しを選ばなければならないといった例が挙げられています。
私たち日本人にとって当たり前なことなのですが、フランスではこういった義理という倫理観がないので、義務のようにネガティブに捉えられている一面もあるように思います。
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日本人特有の曖昧さ
日本人は曖昧だとよく言われています。人間関係に置いて調和を大事にするあまり自己主張をあまりしないというのは日本人の特徴。討論などが大好きな西洋人からすると、日本人は何を考えているのかわからないという理解しがたい側面もあるようです。
しかし、曖昧さは日本の美学に通じると思います。白黒はっきりさせるのが必ずしもいいわけではない。グレイゾーンや余白を大切にする日本文化は魅力的でもあります。日本の美学である情緒が「【TABIZINE自由研究部】日本人の情緒について<1>色気ある空気の国」「【TABIZINE自由研究部】日本人の情緒について<2>世の中の見え方はその人の情緒」の中で考察されているので、ぜひこちらもご覧下さいね。
様々な顔を持つ日本人
最後に紹介するのが、日本人の態度や行動のギャップについて説明されています。場所や状況、内と外、目上や目下の人によって日本人の行動や態度の変化があるということ。フランスのガイドブックでは極端ですが、茶道などで見られる厳しくももの静かなイメージの日本人とバーなどで騒いだりするような日本人の姿のギャップには驚かされるようです。
日本のガイドブックに見る日本人論は興味深いもの。必ずしも当たっていることばかりではありませんが、外から指摘されることで私たち日本人とはどういった人たちなのか気付かされるように思います。
外国人向けのガイドブック、面白いなあと感じた人は「外国人向けの日本ガイドブック、ここが不思議!面白い!5選~フランス編~」「外国人向けの日本ガイドブック、ここが不思議!面白い!7選〜アメリカ編〜」も合わせてどうぞ。
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Nanako Kitagawa ライター
2007年よりフランス在住。パリ第八大学大学院を卒業。専攻は文化コミュニケーション。趣味は映画、読書、写真、雑貨、料理、街歩き、カフェ巡り。初めて訪れたその日からすっかりパリの街に魅了され、今日も旅をするようにパリの街を歩き回る。
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