フランスでは、街を歩くと思わず見とれてしまいそうな女性を見かけます。カトリーヌ・ドヌーヴのようなはっとするほど洗練されたエレガントな女性から、シャルロット・ゲンズブールのような自然体のエレガントな女性まで。エレガントなフランス人女性たちは世界中の憧れの的であります。
エレガントな女性とは一体どんな人たちなのでしょうか? フランス人流エレガントとは何かを紐解いていきたいと思います。
エレガントとは
フランス語の辞書でエレガンスという意味を調べてみると、以下のように説明されています。
1優雅、気品、質素
2服装や行動、行為の洗練さ
3自然さ溌剌さ
4繊細さ、礼儀正しさ
フランス人にとってエレガントとは服装などの外見でなく、中身も洗練された女性のことを指します。外見を着飾るだけではエレガントな女性にはなれない、内側から自分を磨くことでエレガントな女性になれるのです。次は具体的にエレガントな女性のポイントを見ていきたいと思います。
エレガントな着こなしの女性たち
フランス人女性はブランド物を身につけているからといってエレガントな女性というわけではありません。エレガントとは着こなしに個性が出ているかどうか。例えば、シックなコンサバ系でも、エスニック系の服でも、そこに自分のスタイルが確立されているなら、エレガントな着こなしと言うことができます。またベストセラーとなった「フランス人は10着しか服を持たない」の中で指摘されているように、クローゼットに収まりきらないぐらい服があるからといって、それがお洒落に敏感な女性だとは言えません。本当に似合う服を長く着るのがフランス流のエレガントな女性なのです。
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TPOに合わせた着こなし
エレガントとはTPOをわきまえることと、フランス人は学びます。例えば、街に出るのと海に行くのとでは同じ格好はしません。海辺でブランド物を着ているなんてナンセンス。しかし、高級レストランなどに行くときはとびっきりのドレスアップをします。時と場所に応じてお洒落を楽しむことができる女性こそエレガントな女性だと言えます。
教養のある女性
エレガントな女性になるには、教養は欠かせません。以前、このままでいいの?日本人〜フランスと日本、読書量の圧倒的な違い〜の中で、フランス人は日本人より読書量が多いというお話をしました。エレガントな女性を見ていると、やはり読書量も多く、文学のみならず、芸術、社会、歴史、政治経済とあらゆることに精通しているように思います。教養があって、色んな会話を楽しめる女性というのがエレガントな女性です。
愛嬌のある女性
以前筆者が働いていたアパレル関係の会社で、エレガントな女性がいました。もちろん着こなしはシックで素敵だったのですが、印象的だったのがいつも笑顔で愛嬌があるということ。「彼女はいつも感じがいいよね」と評判でした。愛嬌がある女性とは一緒にいても楽しく、自然とその人の周りに人が集まってきます。愛嬌があるということもエレガントな女性の条件ではないかと思います。
前向きな女性
根拠のないポディティブとかではないけれど、愚痴やネガティブなことを言わず、前向きな女性がフランスではエレガントな女性です。楽観視ではないけれど、前向きな女性というのは一緒にいて気持ちのいいもの。そういった女性というのはすっきりとして、垢抜けた印象を受けます。前向きさというのも、エレガントな雰囲気となるのです。
噂話などはしない女性
フランスでは以前は有名人の不倫などというのはマスコミのネタにはなりませんでした。不倫や恋愛というのは、個人の問題。マスコミが取り上げるなんて下品なことと長らく言われてきました。現在はネット社会というのもあって、フランスでも有名人の噂話というのはネットニュースなどで配信されていますが、本来フランス人はそういった話には興味を示しませんでした。人のプライベートには口を挟まない、噂話などをしないというのは、フランスのエレガントな女性のポイントです。
エレガントな女性とは人生の達人のようにも思います。個性が確立されていて、人生を前向きに生きる。簡単なことではありませんが、そういったエレガントなフランス人女性を見習いたいものですね。「フランス人はミニスカートをはかない〜フランスと日本のおしゃれ5つの違い〜」も要チェックです!
[フランス人は10着しか服を持たない~パリで学んだ“暮らしの質”を高める秘訣]
[All Photos by shutterstock.com]
Nanako Kitagawa ライター
2007年よりフランス在住。パリ第八大学大学院を卒業。専攻は文化コミュニケーション。趣味は映画、読書、写真、雑貨、料理、街歩き、カフェ巡り。初めて訪れたその日からすっかりパリの街に魅了され、今日も旅をするようにパリの街を歩き回る。
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