(C) Sara Aoyama
ニューヨークは、夢を現実に叶える街。アメリカンドリームを目指す人が、エネルギーを発する街。
今回インタビューさせていただいたのは、「ウィンドウの仕事は私の天職」と自信を持って言い切る杉本恵巳氏。日本でウィンドウ・デコレーターとして活躍され、その後渡仏してパリに2年間滞在。現在は2年前にやってきたニューヨークで、世界一流のウィンドウを手がけることを目指しています。
杉本恵巳氏のインスタグラム 杉本氏作品 (C)instagram/emi_pepegreen
杉本氏プロフィール
(C) Sara Aoyama
杉本恵巳氏プロフィール
■広島生まれ。
■コムデギャルソン(comme des garcons)で働いていたことをきっかけに、デコレーターとしてスタート。
■ディスプレイを学ぶため、3年間プロのデコレーターに師事。
■東京へ移転。
■パリに2年間滞在。
■ニューヨークへ渡米、現在に至る。
(次のページに続く)
ディスプレイをしている時は、楽しくてしょうがない
杉本恵巳氏のインスタグラム 杉本氏作品 (C)instagram/emi_pepegreen
●ウィンドウ・ディスプレイとは具体的に何ですか?
ウィンドウ・ディスプレイは、消費者と商品をつなぐ夢の扉です。商品の魅力を表現することにより、消費者がガラス越しに商品の世界に入り込み、ワクワクする気持ちになること。お買い物はやはり夢で、楽しくなきゃいけません。
●ウィンドウ・ディスプレイの仕事が天職の理由を教えてください。
大好きだからですかねー。ディスプレイしている時は、楽しくてしょうがない。
●どういったきっかけでこの仕事に入りましたか?
スタートはファッション系でした。コムデギャルソン(comme des garcons)が大好きで販売員をしていましたが、店長にディスプレイする仕事があると聞き、そっちがやりたいなあと興味を持ちました。
●どうやって、ディスプレイのノウハウを学びましたか?
師と仰ぐ人について、3年間勉強しました。
最終電車まで仕事をしたことも
杉本恵巳氏のインスタグラム 杉本氏作品 (C)instagram/emi_pepegreen
●仕事の大変な点を聞かせてください。
大変な点は体力です。ディスプレイの作業をするのは営業終了後で、徹夜になることも。最終電車まで仕事をして、早朝にまた続きをすることもありましたよ。
●日本ではどういったディスプレイを手がけましたか?
デパートは、松屋銀座、銀座三越、西武ほか。カタログ撮影用には、オンワード樫山などです。日本では弟子が二人いました。
ニューヨークを選んだ理由
Bergdorf Goodman Holiday Window 2013
(C)Hideyuki Tatebayashi
●ニューヨークを選んだ理由とは
ずばり、世界最高峰の高級デパート バーグドーフ・グッドマン(Bergdorf goodman)がニューヨークにあるからです。
●バーグドーフのホリデー・ウィンドウは観光客のみならず、ニューヨーカーも楽しみにしている夢のウィンドウですね。
ウィンドウ・ディスプレイの最高峰です。
●ニューヨーク、パリ、日本における違い、比較
ニューヨークはゴージャス、パリは芸術性が高いです。日本は予算が優先順位の先になり、予算がなくなるとディスプレイは後回しになるのが悲しいですね。
●ニューヨークでの目標
バーグドーフ・グッドマン(Bergdorf goodman)のウィンドウをやること。ウィンドウの担当者に、交渉しています。
●ウィンドウ・ディスプレイで生活はしていけますか?
日本では生活出来ていました。デコレーターは何でも屋みたいな感じのところがあり、物撮りやカタログもやっていました。現在はブルックリンの店のディスプレイをやっていますが、生活のため他の仕事もやっています。
(次のページに続く)
ブルックリン ヲウチギャラリーにて個展
杉本氏作品 (C)Emi Sugmoto
2013年5月1日-5月5日の間、ブルックリン ヲウチギャラリーにて個展を開催。
杉本氏作品 (C)Emi Sugmoto
杉本氏提供資料
杉本氏提供資料 (C)Brooklyn Courier
恩師がニューヨークへ私を導いた
(C) Sara Aoyama
●デコレーターとしての基本作業「置く、たたむ、かける、着ける、切る、書く、塗る」については、どう磨きますか?
技術とお金は後から付いてくると思っています。まず、人間性。後は、まじめに遊ぶこと。
●ウィンドウに表現する自分の世界とは
自分がやったという足跡を残す、ちょっとした遊びをする飾り方。
●ニューヨークはデコレーターの恩師に連れられてきたのが始めだと伺いましたが?
ディスプレイの基礎から習った恩師は、ニューヨークが大好きでした。二人でニューヨークに来た時、恩師からここで仕事をしようと言われましたが、その時点では若かったので、気持ちも固まっておらず財政的にも不可能でした。その後、恩師は若くして病気で亡くなり、一緒に仕事をすることは出来なくなりました。残念です。
●恩師の気持ちを継げたら良いですね。
ニューヨークとは恩師のことを始め、縁が繋がっている気がします。
●今手掛けられているディスプレイは
新年(2017年1月1日)のイベントパーティのディスプレイを手掛けています。今回は会場が広いので、いつもとちょっと勝手が違いますね。楽しんで仕事をしています。
●最後にひとことどうぞ
自分でもディスプレイの天才じゃないかと思っています(笑)。上手に出来ますので、ぜひお任せください。
杉本氏は、明るくてパワーがあって、思わず人を惹きつける強いエネルギーを持っています。筆者は初めて会った途端、一目惚れしたほど(笑)。そのポジティブなエネルギーがニューヨークに良く似合い、豊かな人間性がまわりに人を呼び寄せます。同じ日本人として彼女の抱いている夢を応援し、実現することを信じて止みません。なぜなら、彼女は成功するオーラを放っている人だからです。
[杉本恵巳氏のインスタグラム]
※すべての画像および杉本氏の作品を無断で画像を転載・使用することを固くお断りします。Do not use images without permission.
sara-aoyama ライター
はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。
【大学生が見た海外の“今”】研修中のカメラロール見せてください!アメリカ
Dec 7th, 2023 | TABIZINE編集部
TABIZINE10周年企画、第3弾は日本女子大学とコラボ。大学生ならではの視点で切り取られた海外の“今”をお届けします。今年2023年から国際文化学部が新設された日本女子大学。新学部では1年生から約2週間の海外研修で他国の言語や文化を学ぶプログラムが必修となりました。彼女たちの研修中のカメラロールや等身大の体験談から見えてくる、教育や文化、価値観の違い、そこから得た学びとは? 第2回は、アメリカ編。レポーターは、日本女子大学国際文化学部1年生のみおさんと、M.Nさんです!
これぜ〜んぶブラウニー!「Fat Witch Bakery 代官山店」で
Sep 18th, 2022 | kurisencho
すでにハロウィンやクリスマスが心待ちな9月下旬。現在、世界に3店舗を構え、オンラインと催事でもゲットできる、ニューヨーク生まれのブラウニー屋さん「Fat Witch Bakery(ファット ウィッチ ベーカリー)」では、秋冬の新商品が登場しています。2021年にオープンした東京・代官山店と一緒に、限定&新作フレーバーをチェックしました!
【ニューヨーク旅学事典19】911の記憶「ワールドトレードセンター」
Sep 11th, 2022 | 青山 沙羅
アメリカのニューヨーク。訪れたことがなくても、聞いたことがあるでしょう。でも、実際どこにあるの? どんなところ? 「ニューヨーク旅学事典」は、ニューヨーク市在住の筆者が名所や歴史、雑学、小話などを綴っていく連載です。今回は「ワールドトレードセンター」について。
【ニューヨーク旅学事典18】空中散歩「ハイライン」
Sep 5th, 2022 | 青山 沙羅
アメリカのニューヨーク。訪れたことがなくても、聞いたことがあるでしょう。でも、実際どこにあるの? どんなところ? 「ニューヨーク旅学事典」は、ニューヨーク市在住の筆者が名所や歴史、雑学、小話などを綴っていく連載です。今回は「ハイライン」について。
【ニューヨーク旅学事典17】世界経済の震源地「ウォール街」
Aug 3rd, 2022 | 青山 沙羅
アメリカのニューヨーク。訪れたことがなくても、聞いたことがあるでしょう。でも、実際どこにあるの? どんなところ? 「ニューヨーク旅学事典」は、ニューヨーク市在住の筆者が名所や歴史、雑学、小話などを綴っていく連載です。今回は「ウォール街」について。
【時代を先駆けたニューヨーカー】アメリカと中国政府が引退させたベイビーフ
Jul 18th, 2022 | 青山 沙羅
アメリカ・ニューヨークでは、時代を先駆けた人物が彗星のように現れては輝き、そして消えて行きました。時代を先駆け、時代を作り、新たな道を作ったニューヨーカー。今回ご紹介するのは、20世紀のニューヨーク市チャイナタウンを震撼させた男の話です。
インドア派ニューヨーカーも夢中!アウトドア用品店「REI」の人気アイテム
Jun 23rd, 2022 | 青山 沙羅
いよいよ夏季を迎え、本格的なアウトドアシーズンになりました。アウトドア大国アメリカでも、海へ山へと都市から郊外へ移動が始まっています。そこで今回は、アメリカの大手アウトドア用品専門ショップ”REI(アールイーアイ)”のニューヨーク市ソーホー旗艦店を覗いてみました。
【ニューヨーク旅学事典16】アジアの熱気「チャイナタウン」
Jun 13th, 2022 | 青山 沙羅
アメリカのニューヨーク。訪れたことがなくても、聞いたことがあるでしょう。でも、実際どこにあるの? どんなところ? 「ニューヨーク旅学事典」は、ニューヨーク市在住の筆者が名所や歴史、雑学、小話などを綴っていく連載です。今回は「チャイナタウン」について。
【時代を先駆けたニューヨーカー】6500名の小さな生命を温め続けた人
May 27th, 2022 | 青山 沙羅
アメリカ・ニューヨークでは、時代を先駆けた人物が彗星のように現れては輝き、そして消えて行きました。時代を先駆け、時代を作り、新たな道を作ったニューヨーカー。今回ご紹介するのは、奇想天外な発想で多くの小さな生命を救った人物の話です。
ニューヨーク市が抱える深刻な「治安の悪化」問題~在住者が盗難にあった話・
May 11th, 2022 | 青山 沙羅
ニューヨーク市の新型コロナウイルス感染率が下がり、マスク着用義務は、学校や病院、地下鉄・バスなどの公共機関などと緩和。春になり暖かくなったことから、ソーホーやチャイナタウンでは海外や米国他州から旅行客が増えました。しかしその一方で、屈託なくニューヨーク観光を楽しむ旅行客に、「ニューヨーク市の現在の治安の悪さを知っているの?」と筆者は思ってしまうのです。前回に引き続き、筆者が体験した治安の悪化による事件の後編をお届けします。