海外旅行に行くのであれば、必ずと言っていいほど持参するクレジットカード。海外にいても、いざという時にこれ1枚あれば安心ですよね。しかし、買い物面だけでなく、あなたはそのお得な機能をしっかりと把握していますか?
実はクレジットカードには、海外旅行保険のサービスが付いているものがあるのです。知っているいのと知らないのでは、トータルの金額面で雲泥の差がでるクレジットカードのサービス。今回はクレジットカードを使用して、海外旅行に行く際に必要となる「海外旅行保険」の節約方法をご紹介します。
目次
クレジットカード付帯の保険サービスとは
クレジットカードの海外旅行保険でも、通常の保険のようなサービスは変わりません。現地で盗難などにあってしまった際、そして怪我をしてしまった時にでも頼れる存在になるでしょう。
補償内容や金額は、もちろんクレジットカード会社によって変わってきます。しかし、中にはクレジットカード付帯の保険で実質無料にもかかわらず、任意の保険よりも補償内容が良いこともあるほどです。
通常の保険のと違い
では、任意の保険と、クレジットカード付帯の保険には実際どのような違いがあるのか? と気になる方もいることでしょう。最大の違いは「歯の治療」と「疾病死亡」があるか無いかです。クレジットカード付帯の保険には、この「歯の治療」と「疾病死亡」がカバーされないのです(注:「歯の治療」は任意の保険でもカバーされたものが少なく、「緊急歯科治療費用補償特約」などが付帯されているものを選ぶ必要があります。支払い額の上限も要チェックです)。
旅行先の現地で、歯の治療をするとなると高額な事で知られていますね。しかし、よくよく考えると、長期滞在するのでなければ歯の治療は日本で十分ではないかと筆者の場合は考えます。「疾病死亡」に関してですが、現地で発病し死亡した際に適用となります。こちらに関しては、個人で必要か不要かは判断する必要があるでしょう。
滞在期間で使い分ける
クレジットカード付帯の海外旅行保険の一般的なカバー期間は90日間です。90日以上海外に滞在する予定がある方は、このクレジットカード付帯の保険ではなく、長期間カバー可能な任意の保険に加入した方がよいと言えます。
クレジットカード付帯の海外旅行保険は、まさしく短期間の旅行者向けのサービスと言えるでしょう。
保険付帯のカードを複数持ちする事も可能
クレジットカード会社によっては、それぞれの項目の補償金額が違うこともあるとお伝えしました。そんな時は、カードを複数持つことで、それぞれの弱点をカバーすることが可能です。ただし補償額が合算されない項目もあるので、加入前にしっかり事前確認を。
現在は年間費無料でクレジットカードを作ることも可能です。予め保険内容を確認した上で旅行に強いカードを手に入れても良いでしょう。
利用付帯と自動付帯
クレジットカードに付帯する海外旅行保険ですが、基本的には2種類あります。1つは、海外到着日から保険期間のカウントがスタートする「自動付帯」。そしてもう1つが、「利用付帯」です。
利用付帯とは、条件を満たした項目でクレジットカードを使用することで保険がスタートするものです。カード会社によって若干異なる場合もあるものの、多くの場合、利用付帯の条件を満たすためには、「公共交通乗用具」、つまり電車やバスやタクシーなどの運賃を、クレジットカードで旅行前か旅行中に支払う必要があるとされています。
例えば、旅行に出る際に、自宅から空港までの電車(もしくはバスやタクシー)の運賃をクレジットカードで支払う。もしくは、現地到着後に空港からホテルまでタクシーを使用し、その支払いをクレジットカード決済にすることも有効でしょう。
少々ややこしいイメージがある利用付帯ですが、1番簡単な方法は、旅行代金をクレジットカードで決済してしまうこと。旅行会社でパッケージ商品を申し込む場合には、こちらの支払いをクレジットカード決済すれば、利用付帯の条件を満たすことができます。
しかし、旅行慣れした人は、旅行会社のパッケージ商品などを利用せず、個人で全ての手配を行うことも少なくないでしょう。あくまでも旅行会社などのパッケージ商品のみ、条件が適用されるということにご注意ください。そんな方は、先に説明した「公共交通乗用具」の支払い方法で条件を満たしましょう。
利用付帯の条件は、カード会社により若干異なる場合もあるので、事前にしっかりと規約の確認をしてくださいね。
筆者が使用したのは自動付帯
実際にクレジットカードに付帯している海外旅行保険の機能を把握しても、いざ使用するとなるとやはり躊躇してしまうものですね。
筆者も、数年前オーストラリア滞在中に風邪を引き、シドニーのクリニックでお世話になったことがあります。その際にクレジットカードの自動付帯の海外保険を使用する旨、受付にて伝えました。受診後には、手渡された必要書類に記入して終了でした。クリニックで私が金額を請求されることはなく、「本当にこれだけで完了なのか?」と不安になったほどスムーズだった事を今でも記憶しています。
基本は買い物がメインのクレジットカードに、無料でここまで価値のあるサービスがあるものかと、その時は本当に有り難く思ったものです。
自動付帯、利用付帯に関わらず、クレジットカード付帯の保険でもキャッシュレスで診療が可能なカードがあるのも事実です。これは、クレジットカード会社がどこの保険会社と提携しているかによって変わってきます。クレジットカード付帯の保険を検討する場合には、現地でもキャッシュレス診療が可能かどうかの事前確認をすることで、よりスムーズに保険サービスを受けられるでしょう。
もしも現地で病院に行く必要位なった場合、海外旅行保険の緊急デスクへ電話をして、近くで保険適用可能な病院を紹介してもらうこともできます。日本語対応が可能かどうか、さらに保険適用の診療の際に持って行くべきものなど、心配なことはあらかじめ電話で確認をしておくとさらに安心ですね。
保険加入は自己責任で
海外旅行の保険は、まさしく自己責任になります。クレジットカード会社の保険も、それ以外の任意の保険も、しっかりと内容を確認することが大前提でしょう。
あくまでシンプルなクレジットカード付帯の保険ですが、自分に必要な補償内容を明確にして、さらに内容に満足できるのであれば、十分ではないでしょうか。なんだかんだで大きな出費になってしまう「海外旅行保険」。しっかりと知識をつけた上で保険を選べば、最終的にかなり節約ができるでしょう。
みなさんもメリハリを付けながら、旅費を節約してみてはいかがでしょうか?
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