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連載小説「迷える女子に、幸せ行きの切符を」第5話/あたりまえの日常に非日常を

Feb 11th, 2017

連載小説「迷える女子に、幸せ行きの切符を」第5話/あたりまえの日常に非日常を

<過去のお話はこちらから>
 第1話/一人旅ってありかも?
 第2話/人生への挑戦、してる?
 第3話/幸せを共有したい人
 第4話/幸せ行きの切符

台湾2日目。PM3:30

連載小説「迷える女子に、幸せ行きの切符を」第5話/あたりまえの日常に非日常を
おみやげは「コレを買っておけばだいたい間違いない」と真由に教えてもらったパイナップルの小さなケーキと、大切な人には個別でお茶を買うことにしていた。

お土産を目当てに入った中国茶のお店は思っていたよりも高価で少しひるんだけれど、少しずつ試飲させてもらいながら、一番美味しいと思うものを真由や大地、聡に買った。聡にこれを渡すのは、会うのが最後になる日だろうと思った。

その後、来た時にも乗った空港と台北とをつなぐバスに乗り、空港へと向かった。昨日の朝見た時とは逆に移り変わっていく景色を、あの時とは全く違う気持ちで眺めている自分がいた。

台湾2日目。PM7:30

連載小説「迷える女子に、幸せ行きの切符を」第5話/あたりまえの日常に非日常を
空港で搭乗まで時間があったので、初めての一人旅の記念に自分用に台湾らしい刺繍の入った赤い小銭入れを買った。それから飛行機に乗る前に、どうしても1つやっておかなければならないことがあった。大地へのメールだ。

「行って欲しくない」と言われながらも、大地の気持ちを無視して台湾にやってきたこと、出発前に無視され続けて未だに連絡がないことを考えると、今更何を送れば良いのかわからなかった。でも話したいことはたくさんあった。台湾にやってきて、初めての一人旅をしてみて、見たもの、感じたもの、大地に対して思ったこと。返事があってもなくても、伝えておきたいことはたくさんあった。


一言一言、少しでも気持ちがきちんと届くようにと書いたり消したりしながらメールを作った。


帰国後1日目。PM1:30


月曜日の午後、会社に行くと真由が一番に駆け寄って来てくれた。
「お帰りーーーーーー!! 心配したんだよ、何より無事でよかった! 楽しかった楽しかった?」
真由の声が大きく社内の注目を浴びてしまったので、千晴は慌てて「また仕事終わってからね」と耳打ちした。


帰国後1日目。PM8:30

連載小説「迷える女子に、幸せ行きの切符を」第5話/あたりまえの日常に非日常を
夜、台湾行きを決めたダイニング居酒屋で真由と千晴は2週間前と同じように食事を囲って向き合っていた。台湾で食べた小籠包やかき氷のこと、九份で見た景色のこと、お茶の美味しさに目覚めたことなど、写真を見ながら説明する度に、真由から「いいなー」の声が挙がった。

「そっかぁ、そんなに楽しかったか、良かった良かった。本当に良かったねー」
と千晴の話を聞き終わって、真由は自分のことのように喜んでくれた。
「それで、その幸せ行きの切符はどこに行く切符だったの?」
真由が一番興味を持つ話はまだしていなかった。

ふふっと笑って千晴は「生ビール1杯追加でー」ともったいぶった後、九份で大地の顔が浮かんだこと、マッサージ店で出会った女性に人生を教わったことを話した。

真由は静かに話を聞いた後、悟ったように言った。
「旅の出逢いは特別だよね。変えよう、変わろうって自分から動ける人には、必要なものが届けられるんじゃないかな? って思うことは私もよくある。そういうのってきっと必然で、出逢うべくして出逢うんだよね」

「ひつぜん・・・」
千晴はその言葉を口の中で転がした。

(次のページに続く)

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栢原 陽子

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