インドシナ半島の真ん中、タイ、ミャンマー、中国、ベトナム、カンボジアに接する、海のない国ラオス。ここでは年に3回お正月を祝います。西暦の1月1日、旧暦の元旦は2月、そしてラオスのお正月は4月です。そして、この3回目のお正月のメインイベントは、水かけ祭りです。
伝統的なラオスのお正月
このラオスのお正月は、陽気な大騒ぎと宗教的な祈りの入り混じったお祝いです。この期間に仏様をきれいに洗い清め、お寺や家を掃除して新年を迎えます。そして若者が年長者からその手に水をかけてもらって、無病息災を願います。
とはいえ、だれかれ構わず水を掛け合う無礼講!
ラオスの4月は、一年の中で一番暑い時期で、最高気温は40度に迫ることもあります。ここ、ラオスの古都ルアンパバーンでも、荷台に水を積んだトラックが目抜き通りに連なって、そこから沿道の人々やすれ違う他のトラックの荷台に乗る人たちに、これでもかと水を掛け、掛けられたらやり返します。沿道の人たちも、手に手に水鉄砲をもって水を掛け合って大騒ぎ。この暑さなら水をかけられてもうれしいし、赤の他人同士でも遠慮なく水をかけあえるので、全くの無礼講。盛り上がります。
きちんと夕方にはうちに帰ります
夕方4時くらいになって、強い日差しも落ち着くと、風も涼しくなってきます。そうすると、特に何の合図もなく大騒ぎはおしまい。それぞれが家に帰って、家族とお正月の晩餐です。観光客は、ナイトマーケットの屋台に集り、知らない者同士で一緒にビールを飲み、ローカルなご飯を食べながら、情報交換をしたりそれぞれの国のことを話したり。
大騒ぎというと、飲みすぎたり、夜中までうるさかったり、小競り合いがあるかななどと想像しますが、ラオスの皆さんは節制がしっかりしているというか、暗黙の秩序があるというか、きちんとしているんですね。心配無用でした。
次の春休み、ラオスでもう一回お正月を楽しんではいかがでしょうか。
[Lao New Year/ Pi Mai Lao]
[All Photos by Atsushi Ishiguro]
Atsushi Ishiguro ライター&フォトグラファー
旅するフードフォトグラファーです。そして、食生活について考えて、レシピを開発して料理もします。「おいしいものをおいしく伝えたい」をテーマに、世界のおいしいものを食べ歩き、写真におさめて、日本で再現し、みなさんと一緒に食べたいというのが、私のビジョンです。
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