旅先で突然の雨に降られて、靴がぬれてしまったとします。しかし旅先では替えのシューズを持っていないケースが少なくありません。翌朝の出発までには、靴を乾かしたいとしましょう。どのようにすれば一気に乾いてくれるのでしょうか?
そこで今回は世界中をバックパッカーとして周る友人に、そのヒントを聞いてみました。さらにその靴を早く乾かすテクニックを実際に試してみました。
確かにちょっとは乾きが違うような気もしますので、ぜひとも試してみてくださいね。
靴を早く乾かしたいなら新聞紙にひと工夫
靴がぬれたら、どのように対処していますか? 普段の生活であれば、別の乾いた靴をはけばいいだけですが、旅先ではそうもいきませんよね。
知人のバックパッカーによれば、「新聞紙を詰める」との話。「は? そんなの誰でもやってるよ」とツッコミが聞こえてきそうですが、ただ新聞紙を詰めるのではなく、ちょっと火であぶった新聞紙を丸めて詰めると、さらに靴が早く乾いてくれるとの話。
ちょっと驚きですよね・・・。その仕組みとして新聞紙を火であぶると、紙に含まれた水分が飛んで、さらに水を吸収しやすくなるからなのだとか。
実際にやるとなると、火災にもつながりかねない危険な行為です。手放しで大賛成できる乾かし方ではありませんが、実際の効果を確かめるべく試してみました。
火の用心は慎重に・・・
まず古新聞と靴を用意。靴は洗面器に水をため、両足の靴先を入れて、5分ほど放置しました。取り出してみるといい感じに、靴の先がぬれています。大まかな水分を雑巾でふき取った後、今度は新聞紙の用意に取り掛かります。
あぶるとなるとライターでは時間が掛かると思い、今回はガスコンロの火を利用しました。もちろん火災になってはいけません。
周囲の可燃物は全て片付け、いざとなったら消化できるようにとバケツに水をくんでスタンバイさせました。さらには家庭用の消火器まで持ち出すビビりぶり・・・。
新聞紙はただでさえ燃えやすいですから、念には念を入れたいですね。
ガスコンロを点火したら、火を覆うように新聞紙の端を両手で持って、あぶってみました。火から50cmほど離した高さでも十分でした。なるほど新聞紙をあぶると、水分が飛んで表面がかさかさになっていく様子が分かります。
あぶった新聞紙とあぶっていない新聞紙を触ってみると、手触りもどこか違っていました。
新聞紙をあぶった方が水を多く吸収する
次は新聞紙を丸めて、靴のつま先に詰めます。右足の靴にはあぶった新聞紙を、左足の靴にはあぶっていない新聞紙を入れて、その乾き方の違いを比べます。
余談ですが新聞紙を丸めて入れる乾燥方法は、シューキーパーの役割も果たしてくれるのでいいですよね。靴の形が奇麗にも保たれますので、一石二鳥です。
その後は仕事に戻り、1時間ほど経ってから靴の様子をチェックしてみました。
もちろん、まだどちらの靴も完全には乾いていませんでしたが、驚きは新聞紙の湿り方。靴先に突っ込んだ新聞紙を取り出してみると、明らかにあぶった新聞紙の方が、しっかりとぬれていました。つまり、多く水を吸ってくれていたのですね。
両方の靴先を内側と外側から触ってみても、あぶった新聞紙を入れた右足の靴の方が、より乾いた感触がありあました。写真ではちょっと伝わりにくいですが、色もどこか違っています。
びしょぬれになった靴であれば、何回か新聞紙を交換する必要があります。そうなると何回も新聞をあぶらなければいけません。ちょっと手間が余分に掛かりますが、乾く時間は確実に短縮できるはずです。
旅先のホテルでは部屋にガスコンロがないと考えられますので、ライターなどであぶる方法が現実的かもしれません。
ただ、繰り返しますが火災にもつながる危険な方法です。もしやるとしても、お風呂場に新聞紙とライターを持ち込んであぶるなど、くれぐれも火の用心を心がけたいですね。
[All photos by Masayoshi Sakamoto]
Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(
https://hokuroku.media/ )創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。
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