ホームステイ先の部屋のシャワーは電話ボックスのようなガラス張り。シャワーヘッドは大きく固定されているものと、小さくてハンディなものの2つ。いつもドアがきっちり閉まらず、少し水が漏れやすいので、終わったらすぐに外の床を拭くようにしていました。
事故が起きた夜
それはワインを飲んでほろ酔いだった日曜の夜のこと。
その日に限ってドアがきっちり閉まったので安心し、小さなシャワーヘッドを壁にセットしたままドアを背にして浴びていたら、突然お湯が水に変わり、電気が消えました。
何が起こったのか分からず、電気がつくのを待っていたら、大家さんがやってきて穏やかな声で言いました。「水が私の寝室の天井から降ってきているの。まずは原因を追究したいから数分後に出てきてもらえる?」
とりあえず泡ごと体を拭いて外に出てみると、足ふきマットが水浸し。
慌てて大家さんの寝室にいくと、懐中電灯に照らされた中で見えたのが、ベッドの上の2つのバケツ。触ってみるとマットまで水浸し。そして天井にはうっすらとシミが!
19世紀に建てられた家です。床板の隙間から水が流れ、よりによって真下でもない大家さん夫妻の寝室まで流れていったのです。
後で見てみると、シャワー室のドアの下側に隙間がありました。
2日前に誕生日のプレ祝いもしてもらい、とてもよくしてもらっていたのに、なんてことをしたのかと落ち込みました。
水漏れの原因は?
今までは、水が少し外に漏れるのは、ドアをきちんと閉められないからだと思い、できるだけドア側に水がいかないように気を付けていました。
しかし今回、ドアがきっちりしまったので、水漏れしないだろうと思ってシャワーヘッドをドア側に向けて浴びたのです。
一般的には、ドア側に水が当たらない、もうひとつの大きなシャワーヘッドを使う人が多いのではないかと思います。
翌日の大家さんの反応
急遽来客用のベッドで寝た大家夫妻と、朝食の席で会いました。電気が復旧したという二人に、天井のシミやら、マットレスやらお詫びをさせて欲しいと伝えました。
「本当にもう心配しないで。その気持ちはよく想像できる。自分がその立場だったら落ち込むだろうと思う。でも、誰にでも起こりうること。息子の友達たちがやったことだってある。
これはアクシデントなの」
「水はクリーンなもの。トイレの水とかだったらコトだけど。掛け布団は洗濯するし、マットレスは乾けば問題ないものだから。天井には前から他にシミがあるから気にしないで」
どうしてそこまであたたかいのかと訊ねたら。
「自分たちは年の分色々経験している。あとはどうしたらあなたの気持ちを和らげることができるか・・・」
語学学校に相談
朝一で、ホームステイ担当のスタッフに話しました。賠償すべきだという回答。直接私が訊いても要らないと言われそうだから、間に入ってくれるよう頼みました。
結果、本当に被害が無かったから大丈夫という反応だったとのこと。お詫びしたいけれどどうしたらいいかと訊ねたら、大丈夫だと言っているから何も要らないという答えでした。
イギリス生活の長い日本人スタッフにも相談したところ、サンクスカードをつけてお花を渡すくらいで気持ちを伝えればよいとのことでした。
友人たちの反応
落ち込む私の話を聞いて、学校の友人たちは大笑い。寝ているときに天井から雨が降ってくる様子を想像したそうです。
イギリス人の友人も、カフェで紙コップを落としながら、水が入っていないから大丈夫、ホストの家は「flood(洪水)」だったけれどね、とギャグにしていました。
でも世界が終わるわけじゃないんだから、といった周りの励まし(?!)もあり、少しずつ気持ちが和らいでいったのでした。
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Shio Narumi ライター
イタリアはフィレンツェとタオルミーナの料理留学、イギリスはウエストン・スーパー・メアとケンブリッジの花留学を経て、現在はロンドンと神奈川を行ったり来たり。飛行時間の大幅短縮が実現するよう、心から科学の進歩を願う水瓶座。
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