5年前フィレンツェに留学していたときのこと。キャンティまで友人たちとレンタカーでドライブした際、インロックに加え次々とトラブルが波及していった悲劇を振り返ります。
キャンティに肉を食べに行く
6月のよく晴れた日曜日。FIAT500(チンクエチェント)で出発! 街路樹が茂るくねくね道に車酔いをしながらも、上機嫌なドライブです。
ランチは各部位のステーキが食べられる50ユーロの食べ放題飲み放題コース。13時から、肉・ワイン・肉・ワイン・肉・ワイン、たまに野菜とパン、の享楽の時間。キャンティにいるという高揚感もあり、ワインが進むこと!
一次災害
17時頃、いい気分で車に荷物を取りに行きました。トランクを閉めた瞬間、何かが終了したような嫌な予感が。トランクが開きません。鍵は車の中。みんなのもとに向かいながら、えらいことになった、という気持ちがどんどん強くなっていきました。
JAFのようなものを呼ぶべく店のスタッフに相談するも、日曜のこの時間はもうやっていないと。以前インロックした客がガラス窓を叩き割って鍵を取り出したら1000ユーロ近く修理にかかったと。下手なことをせず、今日は車を置いていって、明日にでも取りに来る方が結果的には安くあがっていいだろう、とのことでした。
二次災害
仕方なくバスで帰りましたが、こんなときに限ってほとんどの荷物は車の中。友人2人は家の鍵や携帯電話も車の中に入れていたので、自分のアパートに入るのに、大家さんや同居人となんとか連絡をとらなければならなくなりました。筆者は大家さんが不在だったので手元に鍵を持っていた友人宅に泊めてもらうことになりました。
二次災害の延長
翌朝レンタカーのオフィスに開店と同時に勢い込んで入るも、窓口スタッフの返事は思いもよらないものでした。「スペアキーはここにはありません。ローマで一括管理しています。取り寄せるのに早ければ明日届きますが、もっとかかる可能性もあります」。
直接ローマに鍵を取りに行きたいと懇願しましたが、規則でそれは許されないとのこと。みんなへの申し訳なさで長く苦しい一日を過ごしました。
翌日の夕方、鍵が届いたという連絡がきました。ドライバーの友人が職場を抜けてきてくれたので共にバスでキャンティへ。鍵が正しいのか不安でしたが、無事車に乗ることができました。フィレンツェに戻ってくると気分も上がります。せっかく車があるのだからと、残りの2人を呼び出して別荘地フィエーゾレまでドライブ。
三次災害
その翌朝車を返却。OK、OK、これですべて終わりというので、延長料金についてこちらから触れずに帰ってきました。そんな訳ないじゃないかと思い直し翌日再訪すると、書類を出してきて、370ユーロがカードに請求されることが分かりました。
なぜそれを前日に出してこなかったのか? スペアキーがローマにあったせいで余計に延長料金がかかったことへ対してもその後友人たちが抗議してくれたがどうにもならず。
しばらくは思い出したくもない辛い経験でしたが、その2年後に集まったとき、あれは忘れられない思い出! とみんなに笑顔で言ってもらったのに救われました。
[All photos by Shio Narumi]
Shio Narumi ライター
イタリアはフィレンツェとタオルミーナの料理留学、イギリスはウエストン・スーパー・メアとケンブリッジの花留学を経て、現在はロンドンと神奈川を行ったり来たり。飛行時間の大幅短縮が実現するよう、心から科学の進歩を願う水瓶座。
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