ただ観光スポットをめぐりだけではちょっと物足りない、本当のヴェネツィアの魅力を知りたい方に、ヴェネツィアでまず楽しみたい5つのことを、イタリア在住者が伝授します。
1)ヴェネツィアの魚市場をのぞいて、イタリアのおいしい台所を知る
アドリア海の女王と呼ばれる水の都ヴェネツィア、海に浮かぶこの街ですから、当然海鮮がおいしいわけです。観光スポットのひとつであるリアルト橋の近くに、昔ながらの姿を残す魚市場があるのでぜひ覗いてみましょう。魚市の活気ある風景に、ヴェネツィアの素顔を見ることができます。
魚市場は午前中のみ、その後のお昼ご飯は美味しい海鮮を食べたいですね。
2)カフェ文化は実はここが発祥です。ヴェネツィアのカフェを堪能しよう
カフェといえばパリを連想される方も多いでしょうが、カフェ文化の始まりは、ここヴェネツィアだと言われています。そもそもヨーロッパ大陸に初めてコーヒーが伝わったのがヴェネツィア。その当時、海運貿易で財を得ていた貴族の社交の場としてカフェが流行しました。ヴェネツィア最古のカフェとされる「カフェ・フローリアン」は当時の優雅な雰囲気を保ちつつ、今も営業しています。
その他にも、サンマルコ広場には老舗カフェがいくつかあり、広場を眺めながらカフェタイムを楽しめます。優雅にコーヒーをいただきつつ、世界に二つとない美しい街を作り上げた当時の豪奢なヴェネツィアを感じましょう。
3)世界三大カーニバルの雰囲気を楽しもう
ヴェネツィアのカーニバルは世界三大カーニバルのひとつであり、その盛大さも魅力ですが、また古い伝統文化を体感できる機会でもあります。ヴェネツィアのカーニバルは、中世、身分階級のはっきりと分かれていた頃、仮面で顔を隠し身分を分からないようにすることで、身分階級からも解放され、心から自由に楽しんだという風習から、仮面をつけ仮装して参加します。コスプレマニアでなくても、中世の衣装を付けてその当時の雰囲気を体験するのは、その街の歴史や文化を知ることができる楽しい経験となります。
カーニバルの期間でなくても、衣装のレンタルや撮影のサービスを行っているところもあります。また、仮面は今やヴェネツィアの名物としてたくさん売られており、職人さんの手作りで作られた1点ものなどは、芸術品のように美しいので、そういったものを見てみるだけでも、カーニバルの雰囲気を知ることができていいですね。
次はやっぱり乗りたいゴンドラや、知っておきたいバーカロのスタイルについて。
4)やっぱり乗りたいゴンドラ!
なにぶん水の都ヴェネツィアですから、水上から見る景色は格別なのです。まるで迷路のように街に張り巡らされた細い水路を進めば、観光客にあふれる街の喧噪からはなれて、とても静か。水路の両脇には美しい中世の建物が並び、表からは見えない中庭なども垣間みられ、ヴェネツィアの美しさをより間近に感じることができます。
今でも荷物の運搬など、生活に欠かせないものとして使われている水路。観光客がその水路を渡る方法は、水上タクシーか観光用のゴンドラを利用することになりますが、やはり伝統的な、美しいゴンドラに乗ってみたいですよね。ゴンドラは、街角にあるゴンドラ乗り場から利用できます。料金は基本的に利用時間によって決められ、30分程度のミニコースもありますので、ゴンドラ乗り場で問い合わせてみましょう。手漕ぎの美しいゴンドラに乗るにはちょっとお値段は張りますが、ただ観光スポットを巡るだけでは見えてこない、本当のヴェネツィアの美しさをみることができるのでおすすめです。
5)ヴェネツィアのおいしいものを手軽に味わえるバーカロで乾杯
ヴェネツィアには、グラスワインと「チケット」と呼ばれる一口サイズのおつまみを楽しむ「バーカロ」というシステムがあります。席があるところもありますが、たいていは立ち飲みスタイル、おつまみは1つ1ユーロ〜と大変リーズナブルで、地元の人も多く利用しています。また、おつまみはヴェネツィアの郷土料理が揃っていますから、地元の人が味わう本当のヴェネツィア料理を味わうことができます。ワイワイと楽しむ地元の人に混じって、ヴェネツィアの楽しい夜を満喫しましょう。
6)ヴェネツィアの絶景をたっぷり堪能する
晴れても曇っても、昼でも夜でも美しいヴェネツィア、観光スポット巡りもいいですが、その美しい景色を十分心に焼きつけたいものです。それは街並を広く見渡せる広場からの眺めだったり、またふと通り過ぎた小径にあるかもしれません。感性を100%解き放って、ヴェネツィアの美しさを楽しみましょう。
[Photo by Ryoko Fujihara & shutterstock.com]
Ryoko Fujihara フォトグラファー&ライター
イタリア・フィレンツェ在住フォトグラファー&ライター。東京でカメラマンとして活動後、’09年、イタリアの明るい太陽(と、おいしい食べ物)に魅せられて渡伊。現在、イタリアで撮影・執筆活動をしつつ、更なる美しい景色を求めてカメラ片手に旅を続けている。
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