JRの両国駅に隣接して大相撲の土俵があるという!? ここ、両国は大相撲の聖地。国技館のことでしょ! いえいえ、それが違うみたいです。江戸情緒を感じることができ、土俵を眺めながら利き酒マシンで日本酒が1杯300円! ほろ酔い気分を味わえるのです。
江戸の街並み広がる旧駅舎に原寸大の土俵が誕生
JR両国駅を降りると、白鵬や武蔵丸の巨大パネルと歴代横綱の手形がお出迎え。否が応にも大相撲の聖地としての雰囲気に胸が高鳴ります! その興奮のまま西口改札に隣接した2016年11月オープンの「両国 江戸NOREN(えどのれん)」へ。
2層吹き抜けの建物は、1929年に建設された旧両国駅の駅舎を利用したもの。かつては総武線の始発駅としての役割を担い、かわいらしいアーチ窓などに当時の面影が偲ばれます。
開放感ある吹き抜けの館内には、江戸のにぎわいを感じる町屋を再現。ここ両国は、江戸時代から大相撲の興行が行われ、江戸前寿司の発祥の地としても知られており、江戸きっての庶民の街としてにぎわったのだとか。
その館内中央に、存在感たっぷりにで~んと構えるのが日本相撲協会監修の原寸大の土俵! 6m70cmもあるその迫力は圧巻です。残念ながら神聖な土俵に上がることはできませんが、隣には江戸時代に取り組みが行われていた、一回り小さい「二重土俵」が描かれているのでお相撲をしたい方はこちらでどうぞ!? 実は外国人には大人気なのだとか。
江戸グルメも満喫!神々しく輝く特注の利き酒マシン
元大関霧島(現陸奥親方)が営むちゃんこ、寿司、天ぷら、そば、もんじゃ・・・ 素材や味にこだわった江戸の“粋”を感じる全12店がそろい、どれにしようか迷いそうですが本日のお目当ては、土俵脇の軒先に酒林が揺れる「東京商店」。
暖簾をくぐると、東京各地から厳選して取り寄せたお酒や酒の肴にぴったりの珍味などが。その店内を進み、最奥端で神々しく輝いているのが“利き酒マシン”。どのお酒もおちょこ1杯300円。東京にある全10蔵の日本酒がすべてそろっているというのです!
純米酒・吟醸酒・大吟醸酒と3台あるマシンには、各10種類の日本酒が入り全30銘柄もそろっています。これだけ多くの東京の地酒を呑み比べできるのは、もちろんココだけ。外国人が物珍しそうに訪れたか思うと、女性も気兼ねなく入れる雰囲気。先客に「これおいしいですね!」と自然と会話が始まり、酒樽をテーブルにした立ち飲みスタイルで何とも心休まる空間が広がります。
立ち呑みに加えて「東京商店」の名に恥じない東京のうまいものが大集合!
「おいしい日本酒を表現するときに“水みたい”などといいますよね。純米酒の“嘉泉 特別純米 幻の酒”は、まさにそんな感じの1杯ですよ」とは、店長の谷口さん。吟醸酒では、爽やかな酸味と軽快な切れ味が特徴の東京港醸造の「純米吟醸原酒 江戸開城」。大吟醸では田村酒造の「嘉泉 純米大吟醸」。香り高くフルーティーで、大寒中に米だけで作られる最高級品なんだとか。
おつまみ3種盛り300円も見逃せません! こちらも東京にこだわった品々。1日限定10個の濃厚な自家製卵黄の醬油漬けはイチオシ。ほのかな辛みが小気味よく弾ける茎わさびの醤油ジュレ、チーズのように濃厚な味噌漬け寄せとうふなど、全6種の中から3つ選べるスタイル。
さらに柿の種の燻製や明太子マヨネーズやみつきラスクなど、お菓子3種盛り300円もあり、こちらも今まで目にしたことがないような一品ぞろい。日本酒はもちろんのこと、珍味やお菓子はどれも購入可能。東京みやげや手みやげにしても大好評なこと受け合いです。
◆東京商店◆
【住所】東京都墨田区横網1-3-20 江戸NOREN1F
【営業時間】11:00~23:00(LO22:40)
【定休日】1月1日・2日・施設点検日(不定休)
【アクセス】JR「両国駅」西口に隣接
【HP】
東京商店 両国 江戸NOREN[All Photos by tawawa]
TAI WATANABE ライター・エディター・ディレクター
10代のころ、自転車でメキシコ・グアテマラを縦断し多くのことを学ぶ。それをきっかけに情報誌・旅行誌の取材を通じて、中南米・カリブ海を中心に世界各国で豊富な取材を経験。海外を見てきたからこそ日本は大好き! 紙とWEB、ふたつの媒体特性に精通した複眼的視点を持っている。
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