「古都」と聞くと、しっとりとした風情の美しい都市を思い浮かべませんか。日本人のそのイメージは、おそらく京都からきているのでしょうが、実際にヨーロッパには歴史と文化が花開いた古都が数多くあります。
そんな中でも、特に訪れたい美しい古都7つをご紹介します。
エディンバラ(スコットランド)
歴史的な街並みが世界遺産に登録されている、スコットランドの首都エディンバラ。ヨーロッパでも有数の美しい街として知られ、旧市街は中世の雰囲気を色濃く残しています。
エディンバラの風景をひと目見れば、エディンバラ城や聖ジャイルズ大聖堂といった、石造りの建物が生み出す重厚感と不思議な哀愁にすっかり魅了されてしまいます。
エディンバラ市街を一望できる丘、カールトン・ヒルからの眺めも必見。派手さはありませんが、静かに語りかけてくるような情感あふれる街並みに、心打たれます。
クラクフ(ポーランド)
「ポーランドの京都」とも呼ばれる、情緒薫る街並みが魅力のクラクフ。11世紀半ばから16世紀末にかけて、およそ550年間にわたってポーランド王国の首都として栄えました。ポーランドの都市の多くが第2次世界大戦の打撃を受けたなか、戦災を免れたクラクフは、中世そのままの街並みを残しています。
かつて城壁で囲まれていた旧市街はまるごと世界遺産。フロリアンスカ門から旧市街に足を踏み入れた瞬間、タイムスリップしたかのような錯覚にとらわれます。
中世からそのまま残っている広場としてはヨーロッパ最大を誇る中央広場や、旧市街の南に位置するヴァヴェル城・・・ポーランドの黄金時代を彩った華麗なる建造物の数々は圧巻のスケールです。
ドレスデン(ドイツ)
数々の古都を有するドイツのなかでも、重厚かつ優雅な街並みで知られるのが、ドレスデン。中世にはエルベ川の水路を利用した商業都市として発展し、16世紀からはザクセン王国の都として栄えました。
宮殿や教会、貴族の館など、バロック様式の壮麗な建造物がひしめき合う街並みは、「百塔の都」「エルベ川のフィレンツェ」と称えられたほど。
ところが、この美しき古都は、第2次世界大戦中の大空襲により、一夜にして破壊されてしまいます。戦後徐々に再建作業が進められ、今ではかつての華やかな街並みがよみがえっています。
川沿いにバロック建築群が建ち並ぶドレスデンだけあって、エルベ川沿いの遊歩道から眺める夜景も感動的。しっとりとした大人の雰囲気漂う、ロマンティックな絶景です。
アルル(フランス)
世界遺産の古代遺跡と中世の建造物が不思議な融合を見せる、アルル。ゴッホが一時期暮らし、名作「夜のカフェテラス」を描いた地としても知られています。
紀元前1世紀に造られた円形闘技場は、フランスで最大の闘技場。2万人もの観客を収容することができ、現在も闘牛などのイベントに使用されています。
プロヴァンス地方で最も美しいロマネスク様式の教会のひとつといわれるサン・トロフィーム教会は11世紀に建設されたもの。
プロヴァンスの明るい陽射しのもとで、2000年間息づいてきた壮大な歴史のロマンに触れる。そんな心の贅沢は、アルルならではの楽しみです。
フィレンツェ(イタリア)
「花の都」、フィレンツェ。15~16世紀、メディチ家による統治の下で経済的・文化的繁栄を謳歌し、ルネッサンスの都としてその名をとどろかせました。
街全体が美術館ともいわれるほど、女性的な色香を漂わせる美しい街並みは、世界遺産。フィレンツェの象徴である、レンガ色のドームが印象的なドゥオーモやヴェッキオ宮をはじめ、歴史地区は最盛期の雰囲気を今に伝える壮麗な歴史的建造物で埋め尽くされています。
メディチ家の財力を結集した、ルネッサンス美術のコレクションが詰まったウッフィツィ美術館はアート好きならずとも必見。「花の都」の名にふさわしい、珠玉の建築美と芸術作品の数々は、最上の心の栄養です。
ロドス(ギリシャ)
エーゲ海に浮かぶロドス島の中心都市・ロドス・タウン。城壁に囲まれた旧市街は、まるごと世界遺産に登録されています。
騎士団長の宮殿や考古学博物館の建物をはじめ、今もロドスに残る建造物の多くは、聖ヨハネ騎士団によって築かれたもの。それを知れば、旧市街を囲む堅固な城壁にも納得です。
中世の雰囲気を色濃く残す旧市街は、どこを切り取っても絵になります。「騎士団通り」と呼ばれる狭い路地を歩けば、どこからか騎士の足音が聞こえてきそうな気がするほど。
城壁を一歩出ると、目の前に真っ青なエーゲ海が広がるロケーションも魅力。中世の城塞都市と海の組み合わせはなんとも粋です。
トロギール(クロアチア)
アドリア海沿岸の古都トロギールは、中世の要塞島。外敵の侵入を防ぐために、水路によって本土と切り離されたことで、中世の街並みがそのままに保たれました。歴史的な街並みは、その名も「古都トロギール」として世界遺産に登録されています。
こぢんまりとした街ながら、クロアチア屈指の教会である聖ロヴロ大聖堂をはじめ、13~15世紀の建造物を中心に、さまざまな時代の歴史的建造物がぎゅっと詰まっています。中世のテーマパークを思わせるほど、統一された古い街並みは、ただ歩くだけでも感動的。
聖ロヴロ大聖堂の塔から望む、世界遺産の街並みとアドリア海が織り成す絶景も必見です。
それぞれに多彩な表情をもつヨーロッパの古都。やはり「古都」には私たちを魅了する特別な力があるのかもしれません。
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Haruna ライター
和歌山出身、上智大学外国語学部英語学科卒。2度の会社員経験を経て、現在はフリーランスのライター・コラムニスト・広報として活動中。旅をこよなく愛し、アジア・ヨーロッパを中心に渡航歴は約60ヵ国。特に「旧市街」や「歴史地区」とよばれる古い街並みに目がない。半年間のアジア横断旅行と2年半のドイツ在住経験あり。現在はドイツ人夫とともに瀬戸内の島在住。
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