ロベスピエール、サン・ジュスト「オルガン」、首飾り事件、三部会、テニスコートの誓い、バスティーユ監獄・・・。
どれもフランス革命に関するものだが、僕はこれらをすべてあの作品で憶えた。そう、池田理代子大先生の不朽の名作『ベルサイユのばら』だ。
小学生の時、5つ年上の姉が持っていたものを読み、その面白さにどっぷりと浸かってしまった。その影響を受けたままに成長した僕は、大学でも西洋史を専攻したほどだ。それほどまでに僕に影響を及ぼした作品が『ベルサイユのばら』で、その舞台となったのがフランスなのである。
ベルサイユ宮殿はパリの郊外にあるが、漫画に出てくる多くの舞台はパリ市内にある。これはもうパリに行かない理由はない。
ほかの都市同様、初めて行った町ならぜひ、高いところに上りたい。なぜ高いところに上るのか? それは町を見下ろして、これから行く場所を地図ではなく実際の景色で見つけ、思いを馳せるためだ。もちろん、その逆でも楽しめる。旅の最後に高いところに上り、その町で自分が歩いてきた足跡を実際の景色で眺め、旅を振り返る。
そういう楽しみ方をするにはパリという町はうってつけだ。高層ビルの少ないパリではあるが、歴史ある高層建築物が実に多い。
まずは何といってもパリを代表する高層建築物、エッフェル塔だ。
1889年のパリ万博のために設計・建設された塔で、当時は世界一高い建築物だった。エッフェル塔には3つの展望台があり、そのうち一番高いところにある第3展望台は東京タワーの特別展望台250mを超える276mの位置にある。
エッフェル塔はいまだに大人気で、上るためにはかなりの時間を待たなければいけないらしいのだが、第1展望台と第2展望台にそれぞれあるレストランを予約すれば、専用のエレベーターで待たずに上がれるという話を聞いた。しかも、そこから第3展望台にも上がれるというのだから、これはお得な話だ。エッフェル塔にはぜひお腹を空かせて行ってみよう。
そして、こちらも上っておきたいエトワール凱旋門。世界中にある数々の凱旋門の中でもっとも有名な凱旋門だ。アウステルリッツの戦いに勝利したナポレオンが古代ローマの風習にならって作らせたもので、その高さは50m。234段のらせん階段を使えば上まで登ることができる。さほど高くないように感じられるが高層ビルの少ないパリでは絶景が拝めるらしい。
ちなみに、完全な余談だが、現在は3代目となる大阪の通天閣。初代は凱旋門の上にエッフェル塔の上半分を乗せたような形をしていたらしい。
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そして、ディズニーアニメやミュージカルにもなった『ノートルダムの鐘』の舞台、ノートルダム大聖堂にも上っておきたい。物語の主人公・カジモドが眺めたパリの景色を眺め、彼が語りかけたガーゴイルを間近で見る。作品を身近に感じられる瞬間だ。
原作を描いたユゴー。1800年代の作家だから、現代の僕らからするとすごく昔の人で、完全に歴史上の人物。でも、そんな彼も1200年代に作られたノートルダム大聖堂を見て、「昔の人はすごいなぁ」なんて思いながら物語を生み出したに違いない。
さて、どうしたものか?
エッフェル塔、エトワール凱旋門、ノートルダム大聖堂。いったい、どれに上ればいいのだろう。いや、きっとすべてに上るべきだ。だって、見える景色は違うのだから・・・。
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歴史あるパリには、上からの景色だけでなく、外観や内装の装飾を楽しめる建築物も多い。中でもぜひ見に行きたいのがガルニエ宮、パリのオペラ座だ。あの名作ミュージカル「オペラ座の怪人」のヒントになり、ほぼほぼ舞台と言っていい場所。作者のルルーはこのガルニエ宮を取材し、この場所で起きた事件や噂話をヒントにこの作品を書いたという。
それにしても、パリを舞台にした名作ミュージカルのなんと多いことか。「レ・ミゼラブル」だって舞台の多くはパリ市内だ。残念なことに、最近、ヒットした映画版はほとんどのロケをイギリスでやったらしいが・・・。
ガルニエ宮に行ったなら、とにかくその豪華絢爛な内装に酔いしれたい。客席にぶら下がるシャンデリアや彫刻、シャガールの描いた天井画など、贅を尽くした空間が広がっている。今はオペラの上演はほとんどなく、バレエがメインだそうだが、どうせならしっかりと客席に座って何かしらの公演を見てみたいと思う。
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行かなかったら100%後悔すると思うのでルーブル美術館にも当然、行きます。
そして、どんなに並んでいようと、どんなに人が多くて見にくかろうと「モナリザ」の微笑みを見て微笑み返してきます。
そして、「レ・ミゼラブル」の登場人物のヒントになったともいわれているドラクロワの「民衆を導く自由の女神」だって見てきます。
いやいや、ルーブルなんて見たいものや見ておいた方がいいものがありすぎて、それだけで一日を費やしてしまうに違いない。きっと一日あっても足りない。
そうそう、フランスに行ったなら絶対にやりたいと思っていた食の楽しみがある。それは、本場で豪華フレンチを食べる、ということではない。
町場にあるパン屋さんを回っておいしいクロワッサンとバゲットサンドを探すのだ。
クロワッサンといえば、パリの朝食の定番だし、パリ市内を歩いているとバゲットサンドを食べながら歩く人を多く見るという。本当かどうかは知らないが、どっちも大好きなパンなので、ぜひ、真似してみたい。
外見は全く違うけど、少しでもパリジャンに近づけるだろうか・・・? あとは安い定食屋でつまみを頼み「さすが本場」と思えるような安くておいしいワインも飲んでみたい。できればセーヌ川のほとりにあるようなお店で・・・。
そして、いよいよベルサイユへ。パリの南西約20kmにあるベルサイユ宮殿は元々ルイ13世が狩猟のために使う離宮として作られ、その後、パリに住むことを嫌ったルイ14世が宮殿として作り替えたものだ。
その設計、建築には当時の一流の建築家や造園師、画家が携わっていたこともあり、宮殿建築と内部の装飾、家具調度品、庭園などなど宮殿全体が芸術作品として仕上がっている。現在は国立博物館になっているが、フランス革命直前には、宮殿内に5000人を超える王族などが暮らしていたという。
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そう。この場所に「ベルサイユのばら」に登場するマリー・アントワネットやルイ16世などが暮らしていたのだ。架空の存在だとわかっていても、その場に立てば、あんなキャラクターやこんなキャラクターが頭の中を駆け回り、僕はきっと泣いてしまう。
そんなパリ旅行。いったいいくらくらいで行けるのか?
人気のツアーだからだろう、大手旅行会社でも思ったほど高くはなさそうだ。高いものもあるにはあるが、概ね10万円くらいからツアーが用意されている。
それでも、現地でたくさんお金を使うためには安いに越したことはない。ということでもっと安いものはないか、探してみました。こうして探してみると5万円台というリーズナブルなツアーも結構見つかる。
そんな中にありました! 2泊5日。2日目の朝着いて、4日目の夕方発つという3日弱は現地を楽しめるスケジュールで、超格安! 5万7500円!! だけど、ここまで来たらどうしても4万円台を見つけたい。と思ったけれど、燃油台も現地のホテルもついてだとさすがに厳しいようで・・・。もし、もっと安いツアーがあったら、ぜひ教えてください。
※価格は2017年10月31日時点の情報をもとにしております。ご了承ください。
※ここに書いてあることは信頼ある情報元から調べたつもりですが、もし間違っていたら教えてください。すぐになおしてより完璧な妄想にしたいと思っております。
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