ドイツとの国境に近いスイス北部に位置する小さな町、シュタイン・アム・ライン。スイスを代表する中世の美しい町並みは、「ラインの宝石」とうたわれるほど。
チューリヒから鉄道でおよそ1時間~1時間半と、日帰り旅行も楽しめるシュタイン・アム・ラインでひとときのタイムスリップ気分を味わってみましょう。
「ラインの宝石」シュタイン・アム・ライン
ドイツとの国境をなすボーデン湖周辺に位置する、ライン川沿いの小さな町、シュタイン・アム・ライン。この一風変わった地名は、直訳すると「ラインの石」。スイスにおいて中世の雰囲気を残す町の筆頭に挙がる美しい町です。
実際に、シュタイン・アム・ラインは、1972年にスイスで始まった、伝統的な町並みや景観を守る町に授与される「ワッカー賞」を史上初めて受賞した町でもあります。
ドイツ語の「シュタイン(Stein)」には「石」という意味のほかに「宝石」という意味もあるため、シュタイン・アム・ラインは、その町並みの美しさを宝石になぞらえて、「ラインの宝石」と呼ばれています。
壮麗なフレスコ画が彩る町並み
シュタイン・アム・ラインの景観を特徴づけているのが、16世紀から18世紀にかけて建物の外壁に描かれた見事なフレスコ画の数々。天井のない画廊さながらの光景は、一度見ると忘れられない印象を残します。
ヨーロッパに中世の面影を残す町は数あれど、これほど美しく、大規模な壁画が並ぶ町はそうはありません。
とりわけ、赤い木骨組みが印象的な市庁舎をはじめ、市庁舎広場に面した建物の壁いっぱいに描かれたフレスコ画は圧巻。
「ホテル・アドラー」の外壁には、スイスの画家で、世界的に有名な絵本作家でもあるアロイス・カリジェの手によるメルヘンチックな壁画が描かれています。
ほかにも、宗教的なモチーフやこの地方の歴史、伝説がなどが表現されたフレスコ画の数々は、ずっと眺めていても飽きることがありません。こうした光景を見ているだけで、なんだか心が豊かになったような気がしてきます。
リントヴルム博物館
シュタイン・アム・ラインで必見なのが、旧市街のメインストリートにある「リントヴルム博物館」。13世紀からの歴史をもつ建物に、19世紀のスイスにおける中産階級の暮らしぶりが見事に再現されています。
1995年には「ヨーロピアン・ミュージアム・オブ・ザ・イヤー」を受賞したこの博物館は、見た目こそ小さいものの、実は中で複数の建物がつながっているために、外観からは想像できないほど広く見ごたえがあります。
リビングやキッチン、寝室といった生活空間だけでなく、動物の毛皮や燻製ソーセージなどが吊るされた屋根裏、本物のニワトリが飼われている中庭や、さまざまな農具が置かれた穀物倉庫まで、展示は多岐にわたり、いずれも細部まで作りこまれたリアルさ。都市での生活と農業が共存していた当時の生活ぶりがいきいきと伝わってきます。
青く澄んだライン川
シュタイン・アム・ライン駅と旧市街のあいだにある、ライン川に架かる橋の上からは、高台に建つ古城で、現在はレストランとして営業しているホーエンクリンゲン城や旧市街、ライン川が一体となった絵のような風景を見ることができます。
ライン川といえばドイツのイメージが強いですが、ドイツに住む筆者は、これほどまでに青く澄んだライン川を見たことがありません。自然豊かなスイスは、町なかに流れる川でさえも驚くほど美しいのです。
ライン川沿いのレストランやカフェで食事やお茶を楽しんだり、あるいは船に乗って近郊の町、シャフハウゼンに足を延ばしてみたりするのも粋ですよ。
フレスコ画で彩られた芸術的な町並みと、スイスの自然の風景が調和したシュタイン・アム・ラインは、歩くだけで気持ちが明るく穏やかになる、心の栄養のような町なのです。
[All Photos by Haruna Akamatsu]
Haruna ライター
和歌山出身、上智大学外国語学部英語学科卒。2度の会社員経験を経て、現在はフリーランスのライター・コラムニスト・広報として活動中。旅をこよなく愛し、アジア・ヨーロッパを中心に渡航歴は約60ヵ国。特に「旧市街」や「歴史地区」とよばれる古い街並みに目がない。半年間のアジア横断旅行と2年半のドイツ在住経験あり。現在はドイツ人夫とともに瀬戸内の島在住。
【富山県穴場観光スポット】無料!映え映え!美術館の屋上にあるおもしろ絶景
Apr 15th, 2024 | わたなべ たい
富山県美術館の屋上がスゴいことになってる! 無料で楽しめることに加え、フォトジェニックでオブジェのようなオノマトペ遊具がいっぱい! 美術館の屋上らしく知的好奇心を刺激する魅惑のルーフトップ広場なのです。富山駅北口から徒歩約15分、もしくは車で3分、環水公園内の穴場観光スポット、現地ルポでお伝えいたします。
【2万8000円で1泊2日熱海を満喫】美食と温泉、絶景を巡る女子ソロ旅モ
Apr 11th, 2024 | Miki D'Angelo Yamashita
団体客がいなくなり、長く人気が落ち込んだ熱海。実はじわじわ若者たちを惹きつけ復活していたのです。King&Princeらアイドルがロケを行う地として一躍脚光を浴びたのが熱海の昭和レトロな町。海鮮からフレンチまでおいしいお店も目白押し。映えるスポットも多数。知る人ぞ知る絶景や海を眺めながらの温泉。ワーケーションにも力を入れているので、観光の合間にちょっとお仕事も可能、と1年中いつ行っても楽しみ満載の熱海1泊2泊女子ソロ旅のモデルコースを紹介します。
【ひとり花見散歩無料おすすめスポット5つ】会社帰りや空き時間にサクッと癒
Apr 9th, 2024 | TABIZINE編集部
満開を迎えた東京の桜。まだお花見できていないけれど、今週末だともう見ごろを過ぎてしまうかも……と心配なあなた。会社帰りや空き時間に、サクッと一人で散歩がてらお花見を楽しむのはいかがでしょうか。混み過ぎていなくて入場制限や通行制限などがない、都心のおすすめ桜並木&桜スポットをご紹介します!
【2024年春】藤の花のおすすめ絶景スポット全国28選!見頃・イベント情
Apr 9th, 2024 | TABIZINE編集部
【2024年4月9日更新】4月から5月に見頃を迎える藤の花。全国各所の藤の名所では藤棚や藤のトンネルなど、紫色の幻想的な絶景が広がります。藤の花言葉のほか、この春ぜひ行ってみたい「藤まつり」情報や、藤の花が織りなす絶景が楽しめる全国28カ所のお花見スポットをまとめて紹介します!
【仙台からすぐ!宮城県のオールインクルーシブ宿3選】天然温泉の絶景露天風
Apr 4th, 2024 | Rei
仙台の奥座敷「作並温泉」・ダイナミックな景観の「秋保(あきう)温泉」・日本三景「松島温泉」など、名湯揃いの宮城県。そんな温泉を「オールインクルーシブ」スタイルで楽しめる宿をご紹介します。オールインクルーシブは、食事やアクティビティ・温泉など、滞在中のほぼすべての料金が宿泊代金に含まれているため、お財布を気にせず思い切り楽しめるのが魅力。今回は秋保温泉・作並温泉・松島エリア別のオールインクルーシブの宿へ行ってきました!
【67カ国制覇した旅人のバケットリスト】ナスカの地上絵を急旋回するセスナ
Apr 2nd, 2024 | 大林 等
「死ぬまでにやりたいことのリスト」、バケットリスト。海外67カ国を踏破した筆者が、これまでに訪れた国の中から、今おすすめしたい旅先とその体験を厳選、【67カ国制覇した旅人のバケットリスト】としてお伝えします。第4回は、ナスカの地上絵を急旋回するセスナ機から眺める旅です。
【オランダ・デルフト3時間で周れるモデルコース】人気観光スポットからおし
Apr 1st, 2024 | 北崎早希
オランダ南部に位置する小さな街「デルフト(Delft)」。古都の雰囲気が今も色濃く残り、オランダらしい街並みが広がるスポットです。今回は、そんなデルフトの街を散策した様子を3時間で周れるモデルコースでご紹介。デルフトを訪れるなら、ぜひ立ち寄っていただきたいおすすめスポットもお届けします。
【67カ国制覇した旅人のバケットリスト】万里の長城を歩いて中国4000年
Mar 31st, 2024 | 大林 等
「死ぬまでにやりたいことのリスト」、バケットリスト。海外67カ国を踏破した筆者が、これまでに訪れた国の中から、今おすすめしたい旅先とその体験を厳選、【67カ国制覇した旅人のバケットリスト】としてお伝えします。第3回は、万里の長城を歩いて中国4000年の歴史を体感する旅です。
【石川県の穴場観光地3選】現地に行ったからおすすめできる!川床から発酵の
Mar 28th, 2024 | sorano
2024年3月16日に北陸新幹線の金沢〜敦賀間がついに開業しましたね! 東京や大阪、全国各地から北陸へのアクセスが早く、便利になりました。能登半島地震で打撃を受けた北陸4県の早期観光復興のため実施されている『北陸応援割』もあり、石川県はまさに今一番行きたい観光地のひとつではないでしょうか。この記事ではそんな石川県の穴場の観光地を3つ、ご紹介します。
【香川県・小豆島の観光地7選】映えるフォトスポット盛りだくさん!オリーブ
Mar 24th, 2024 | 大林 等
瀬戸内海に浮かぶ小豆島は、一年を通して穏やかな海と温暖な気候に恵まれています。地中海の沿岸を思わせるような島内では、オリーブの栽培が盛んです。オリーブにちなむ観光スポットのほか、エンジェルロード、二十四の瞳映画村、寒霞渓など、変化に富んだ風景を楽しむことができます。特にオリーブ公園は、フォトジェニックな写真を撮影したい人に大人気。瀬戸内海・風車・「魔女の宅急便」のロケセットなどフォトスポットが満載です。