海外の長距離移動でバスに乗った経験はありますか? 海外旅行先で長距離バスに乗って移動する旅行は大変ですが、通常の旅では得がたい出会いや思い出が残る可能性が高いものです。ときには日本では考えられないカルチャーショックを受ける瞬間も・・・。
そこで今回は筆者がインドやネパールなど南アジアの各地を長距離バスで移動した際に体験したカルチャーショックを紹介します。現地の人に「ちょっとバスはやめておけ」と治安の面で心配された瞬間もありましたが、それだけディープな体験が待っていましたよ。
自分の荷物がバスの屋根に放り上げられる
日本で高速バスに乗ると、乗務員が車体の側面にある扉を開き、荷物を車体の内部に格納してくれますよね。その感覚でネパールの東部から首都のカトマンズへ通じるバスの乗務員に荷物を手渡すと、いきなりスーツケースを天井に放り投げられて、びっくりしました。
ロートルのバスの車内には荷物を格納するスペースがなく、旅人の荷物は天井に縛り付けておくのですね。移動中には「自分の荷物は本当に目的地で受け取れるのか」とずっと不安になっていました。
乗客まで天井に乗る
筆者が南アジアで乗り込んだバスの中には、シートが激しく傷み、窓が一部に存在しないような車両もありました。それでも利用者は多く、バスが進むと一部の区間では乗客が入り込むスペースがない状態になりました。すると後から来た人は身軽にバスの天井に上がり込み、座席を確保します。
現地の法律でどこまで許容されているのか確認しませんでしたが、仮に禁じられていても地方部では暗黙の了解になっているのかもしれませんね。事故も少なくないようですが、少なくとも筆者が乗り合わせたときは皆さん無事に、そして器用に目的地に到着していましたよ。
車内でサトウキビジュースやチャイを注文できる
インド東北部など各地で体験した便利なシステムでしたが、バス移動中の車窓から露店販売のサトウキビジュースやチャイを注文できるようになっています。時間調整のためにバス停などで長く停車すると、露天商が売り込みに来てくれるのですね。
ぎゅうぎゅう詰めの車内で外に出るチャンスがなくても、窓越しに注文をすれば、その場で手渡してくれます。マンゴーなどのカットフルーツも買えました。「生のフルーツはあまり食べるな」と一緒に旅をした現地の友人に制止されましたが・・・。
夜行便には絶対に乗ってはいけない
日本だと夜行便の高速バスは、夜のうちに移動できる便利な移動手段だと認知されていますよね。同じ感覚で夜行便で移動したいと一緒に旅をした現地の友人に相談すると、「絶対に嫌だ」と断られました。宿泊費を浮かしたいなら自分が宿泊費を出すから、夜行便にだけは乗りたくないとの話。
日本と違って夜行便の安全面は極めて疑問があるらしく、夜間に強盗に遭うリスクがあったり、路面コンディションの悪い道路を夜間に通過し、転落事故を起こすリスクがあったりするようでした。
「ちょっとディープな体験をしたい」と冒険心で海外を旅するときであっても、夜行便だけは避けてホテルに宿泊した方がいいみたいですね。
以上、南アジアを長距離バスで旅行した際に感じたカルチャーショックを紹介しましたが、いかがでしたか? バスは治安の問題もありますから、移動する際にしっかりと情報収集した上で、移動を楽しみたいですね。
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Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(
https://hokuroku.media/ )創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。
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