メキシコシティの世界文化遺産に登録されるセントロ・イストリコ(歴史的中心区)の美しい建物、パラシオ・デ・ベジャスアルテス(国立芸術院)前にこつ然と巨大なクモが出現しました。
こつ然と姿を現した巨大クモ!© Miho Nagaya
通行人たちも足をとめてクモに注目© Miho Nagaya
巨大クモの正体は?
この巨大クモは、フランスのパリで生まれ、アメリカに帰化した彫刻家ルイーズ・ブルジョワ (1911-2010)が手がけた、ママン(MAMAN)というオブジェ。高さ8m以上、重さ10.5 トンもあり、ブロンズ、鉄でできていて、いくつもの大理石の卵を抱えています。このママンはいくつかのバージョンが制作されているのです。
ニューヨークのグッゲンハイム美術館、ビルバオのグッゲンハイム・ビルバオ美術館、ロンドンのテートモダン、ソウルのサムスン美術館、オタワのカナダ国立美術館、カタールのカタール国立コンベンションセンター、サンクトペテルブルクの エルミタージュ美術館などに常設されるほか、東京の森美術館が所蔵し、六本木ヒルズ内の66広場に設置されています。
ビルバオのグッゲン・ハイム・ビルバオ美術館のママン ©nito / Shutterstock.com
六本木ヒルズのママン ©SeanPavonePhoto / Shutterstock.com
オタワのカナダ国立美術館のママン ©meunierd / Shutterstock.com
そして、ママンのひとつが、2001年から現在まで世界じゅうの町を旅しています。
いままでに、デン・ハーグ、コペンハーゲン、オーステンデ、 サンフランシスコ、パリ、ボストン、ナポリ、ブエノスアイレス、サンパウロ、ベルン、チューリッヒ、ジュネーヴ、リーヘン、ハンブルグ、今回のメキシコシティまで旅してきました。
メキシコシティのベジャス・アルテスのママン © Miho Nagaya
驚異的な造形に秘められたメッセージ
ブルジョワは、かねてから人のこころに宿る恐怖、偏執、脅迫観念、違和感を彫刻によって表現してきました。しかし、この巨大なクモ、ママンは、彼女の母親に捧げられ、特別な想いが込められています。布を織る職人だった彼女の母親と、糸を吐き、美しい造形の巣を作るクモの姿をだぶらせて、このオブジェを制作したのです。
クモが得意なひとはあまりいないと思いますが、こういう話を知ると、クモってロマンチックで偉大な生き物だなと思えるものです。母親とは優しく包みこむような存在であると同時にけっして逆らえないような、絶対的な権力をもっています。そんなところが怖さとなって、グロテスクで威圧感があるクモと繋がっているような気もします。
このママンですが、メキシコのベジャス・アルテス内の美術館で、ルイーズ・ブルジョワの回顧展開催にあわせて設置されています。
展覧会は現在開催中で、ママンは2014年3月2日まで展示予定です。ベジャス・アルテスの建物自体もアールヌーヴォーな外観とアールデコの内観の建築が見応えがありますし、ディエゴ・リベラ、シケイロス、ルフィーノ・タマヨといったメキシコを代表する有名な芸術家の壁画があるので、見逃せません。
長屋美保 ライター
メキシコシティの路地裏から見た生のラテン文化や社会を追い続けるフリーライター兼なんでも屋。雑誌、WEB、ラテン圏アーティストのCD解説、映画、コンサートのパンフレットなど、メキシコを中心としたラテンアメリカの記事を日本の媒体に執筆するほか、リサーチやスペイン語⇔日本語翻訳も行う。情報サイトAll Aboutのメキシコ公式ガイドでもある。
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