パリッとした皮が身上のフランスパンや、柔らかくてほんのり甘いブリオッシュを始め、ありとあらゆるパンがそろうフランス。パリやボルドーのような大都会であれば、500メートル間隔でパン屋が軒を連ねることも珍しいことではありません。
フランスの食卓では、1日のうちに何度もパンを口にします。私たちがお米を食べる感覚と似ているかもしれませんね。
今回は、パンのなかでも食卓に登場する頻度の高い「フランスパン」にまつわる豆知識をご紹介します。
焼き立てが食べられる! バゲット自販機
私たちがフランスパンと呼んでいる長いパンは、現地では「バゲット」と呼ばれています。バゲットはフランスの食卓に欠かせないため、朝・晩に焼き立てを買い求める人も多いものです。また、焼き立てのものに限るらしく、翌日に持ち越すのをよしとしない人が多いようです。
こういった背景もあり、近頃では出来立てのバゲットが購入できる「バゲット自販機」なるものがパリ市内に登場! 人気を集めているそうですよ。
【You Tube】Baguette vending machine brings in the dough for French bakers
バゲットは長さや形によって、名前が変わる?
味はフランスパンなのに、名前を見ると「バタール」や「パリジャン」だったり・・・。国内のベーカリーでパンを選ぶ際に、迷ったことはありませんか?
生地は同じでも、長さや形によって呼び方が変わるようです。細かい規定によれば、長さ約60〜70cm・重さ250〜300g前後のものが「バゲット(バゲット・トラディショネル)」、それより一回り大きくて重いものが「パリジャン」、バゲットよりも太めで中身の柔らかい部分の多い「バタール」、バゲットより一回り程度小さいものが「フルート」、さらに細く軽くしたものが「フィセル」。どれも同じ生地なのに、食感が異なるのが面白いところ。
国内では比較的細長いバタールも、本国フランスでは楕円形のものが目立ちます。また、パリジャンやバタールよりも細めのフルートやフィセルの方が人気の模様。もちろん、一番人気はバゲットです!
粉の種類によっても、名前が変わる!
バゲットは粉の種類によっても、名前が変わります。味わいは異なりますが、見た目は似ていることも多いため、見分けがつきにくいことも。
例えば「バゲット・カンパーニュ」は、小麦粉の一部をライ麦粉や全粒粉などに変えたもの。「バゲット・セレアル」は、小麦粉の一部を穀物に変えたもの。こちらは「バゲット=白米、カンパーニュやセレアル=玄米」といった感覚で食べられているように感じます。
左からバゲット・セレアル、バゲット・カンパーニュ (C)sweetsholic
このほか、バゲット生地を丸く焼き上げた「ブール」や、キノコ形をした「シャンピニオン」などもあるので、フランスパンと一口に言っても奥が深いのです。
次回ベーカリーに足を運んだときに、これらの違いに注意してみると、フランスパンの楽しみ方も広がりそうですね。
[panpedia.jp]
[Photo by Shutterstock.com]
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