フランス南西部の街・トゥールーズ。普段はひっそり静まり返る日曜日も、クリスマス前のこの時期はショッピングバッグを両手に街を行き交う人々で溢れ返ります。市内の中心部キャピトル広場では、例年のようにクリスマスマーケットが開かれ、ライトアップを眺めながら屋台料理をほおばる人たちでにぎやかです。

トゥールーズ市内のキャピトル広場の様子 (C) sweetsholic
ここキャピトル広場は、11月13日に起こったパリ同時多発テロの追悼式が行われた場所でもあります。
世界に衝撃を与えたパリ同時多発テロから、今月13日で1か月が経ちました。イスラム過激派「ISIL」は犯行声明を出し、フランスに対する攻撃は今後も続くことを警告。フランス全土の緊急事態宣言は2016年2月25日まで延長されました。
このようにお伝えすると「フランスは大丈夫なのか」「フランスに行ったら危ないのではないか」と思われるかもしれません。国内のニュースを見ているとそのように感じる方が多いと思います。しかし襲撃を受けたパリのカフェが3週間ぶりに営業を再開後、パリ市民がカフェにまた戻ってきているように、現地の人々は日常を取り戻そうと努力しています。
テロから1か月、フランスの人たちはどのような気持ちで日々を過ごしているのでしょうか? トゥールーズ出身の友人たちに、話を聞いてみました。
ーテロの前と比べて、何か変わったことはありますか?
「テロ直後に国民が一丸となって、テロに屈しない姿勢を示したのはよいことだと思います。しかし、政治家が国民にさまざまな情報を吹き込んでいるのは感心できません。人々が毎日を怯えて過ごすようになれば、個人情報の開示を認める法律が可決されるかもしれない。そうなると人々は疑心暗鬼になり、特定の宗教にレッテルを貼るようになってしまうかもしれません」(モーガン・エンジニア・25歳)
「極右政党の勢力が増していることに脅威を感じます。たった7人の人間により、130人の命が奪われたのは非常に悲しいことです。しかしもっと恐ろしいのは、この7人の行為が今月行われたフランス地域圏選挙(※)の勝敗に関係していることです。7人のテロ行為が、何百万人というフランス国民の考え方に影響を与えているのです。これはとても恐ろしいことだと思いますね。僕自身の意見としては、極右政党に投票することで平和な生活が取り戻せると考えるのは間違っていると思う」(レミ・英語教師・30歳)
※フランス地域圏選挙・・・今月6日・13日に行われた議会議員選挙。第1回目の投票ではパリ同時多発テロの影響を受けて極右政党が躍進するも、第2回目の投票では第1党には届かず。しかしながら、極右支持層が拡大することが懸念されている。
ーテロが起こった後、自分の生活にどのような影響がありましたか?
「何も変わっていませんね。公共交通機関を使うし、夜間の外出もしますし、特に人混みを避けるようなこともしません。テロリストたちは僕らの恐怖感を煽りたいのでしょうけれど、それに屈することなく人生を楽しみたいと思います」(モーガン・25歳)
「全く変わっていないと思います」(レミ・30歳)
筆者の暮らすトゥールーズはパリから約700kmの距離にあるため、パリの日常とは少し温度差があるかもしれませんが「心から安らげる日々を取り戻したい」と願う気持ちは同じです。被害に遭われた方々、パリ同時多発テロの影響により、世界で被害に遭われている無実の方々に、心からお悔やみを申し上げます。

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