大人になっても、子どもの頃好きだったものを嫌いになんかなれません。女性だったら、大事にしていた友達のようなお人形さんがいたはず。
ビルまるごとお人形屋さん
ニューヨーク5番街49丁目、高級デパート サックスフィフスアベニュー(Saks Fifth Avenue)の右隣には、建物1軒すべてがお人形屋さんの「アメリカンガール・プレイス(American Girl Place)」があります。筆者が訪れたのはクリスマスを目の前にして、最も混む時期。ママやおばあちゃんを引き連れた女の子たちで、店内はいっぱいでした。週末はイベントが行われるため、1ブロック先まで並ぶほどの人気。
ショーウィンドウは子どもの目線に合わせて
掻き入れ時のホリデーシーズンに、女の子の心をガッチリ掴む、魅力的なラインナップ。しかもショーウィンドウは、子どもの目線に合わせて低い位置にあるのです。大人は気がつかなくても、子どもはバッチリチェックしていますよ(笑)。
さすがアメリカ!
移民の国、多民族の国アメリカ。なんと、人種、髪の色、肌の色、目の色が違うお人形さんが勢ぞろいしています。アフリカ系、ラテン系、ユダヤ系、ネイティブアメリカン(インディアン)などそれぞれのキャラクター(名前あり)を通じて、アメリカの歴史を学べます。お人形が教材にもなるのです。
あなたにそっくりのお人形
女の子たちは、自分に似たお人形(Truly me)を探します。
私のベイビー
「決めた!この子が私のベイビーよ」
果てしなく続く付属品
お人形さんは一体115ドル。しかしながら、お人形さんは私たちと同じように生活するのですから、いろいろ必要品があります。着替えのお洋服、靴、バッグ、家具、アクセサリー・・・
カフェに行ったり、バーベキューをしたり、ベッドで寝たり、ソファで寛いだり。別にお人形専用でなくたって、人間と一緒で良いじゃないのと大人は思いますよね。自分の子どもの頃を思い出すと、やっぱり、お人形さんは専用のベッドや家が必要だと思い込んでいました。だって、小さくて可愛いし。
お人形さんのお人形さん
ややこしいですが、お人形さんもお人形さんが必要らしいです(どこまで行く連鎖、って気も)。もちろんペットもいますよ。犬や猫や馬。首輪やリース、ペットのベッドの小物も充実。
小さい子向けに
小さい子向け(3歳以上)の赤ちゃん。赤ちゃんのミルクはもちろん、おしめや離乳食、水着なんかもあるんです。最近まで自分が面倒みられていたことを、誰かにしたいのでしょうね。
お人形さんとお揃いよ!
お人形さんとお揃いの子ども服。人間がお人形さんの基準に合わせるところがミソ。逆転の発想ですね。
お人形さんのヘアサロン
お人形さんだって、お出かけの時は勝負ヘアにしたい。そんな時のために、ヘアサロンがあります。お人形さんのピアス施術やスパもあるそう。怪我してしまったお人形さんのための病院もありますよ。
自分のお人形さんが美しくなっていく姿に、うっとりの子ども達。
お人形さんカフェ
お人形さんのダイナーやカフェもございます。
こちらへどうぞ
お人形さんと一緒にランチが頂ける夢のカフェ。
お人形さんは専用席に座ります。
このカフェで、お友達を招いてお誕生会をするのが、全米の女の子の憧れだそうです。メニューはこちら。
姪や親戚の女の子のお土産に、と考えていたのに、あなたが欲しくなってしまうかもしれませんね。娘を持つ母親には、近寄りたくない危険な場所と言えそうですよ。
現代の少子化の家族形態に合わせて、よく考えたお店だと感心しました。ターゲットを絞って、商業的に成功した模範例と言えるでしょう。来店していたのは、着飾った子どもを連れた裕福そうな家庭でした。
[American Girl Place]
[Photos by Sara Aoyama]
sara-aoyama ライター
はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。
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