豪華寝台列車で世界を旅する。死ぬまでには何度かやっておきたい旅の形ですよね。
そこで今回は、世界の鉄道マニアを自称する元商社マンから、ウイスキー片手に教えてもらった世界の豪華寝台列車を3つ紹介します。航空券代などを加算するとなると決して安くはありませんが、人生の目標の1つとして掲げても悪くないですよね。
スコットランド『Royal Scotsman』
最初に紹介したい豪華寝台列車は、スコットランドのRoyal Scotsman。資料によっては“The”が冠として付いている場合もありますが、今回は公式ホームページの表記を参考にしました。
Royal Scotsmanはプログラムによりますが、2泊から7泊かけてスコットランドやイングランド全土の美しい景観を眺めて回ります。
例えば定番のコースとされている4泊5日の旅は、エディンバラからスタートし、ぐるりとスコットランド北部を回って戻ってくる旅。
出発時にはバグパイプの演奏があったり、移動中はタキシード着用のフォーマルなディナーがあったり、もちろん英国らしくアフタヌーンティーがあったり。
超豪華な客室を満喫しながら、鋼鉄の恐竜と呼ばれるフォース橋、北海やグランピアン山脈、ネス湖などを鑑賞します。ちなみにRoyal Scotsmanは寝台列車に珍しく、就寝時は移動せずずっと駅に停車しているそう。揺れの苦手な人には最適の寝台列車かも!?
南アフリカ『Rovos Rail』
次は南アフリカの『Rovos Rail』。南アフリカ北部のプレトリアを中心に、アフリカの南部を走り回る鉄道になります。途中下車の駅ではクルーガー国立公園でサファリカーに乗って、キリンやライオンなど野生生物を鑑賞するプログラムなどが盛り込まれています。
部屋によっては、列車内で広いバスタブの入浴も楽しめるゴージャスぶり。展望デッキ、食堂車、ラウンジ、社交車両などが用意され、オーナーも「世界一豪華な電車」と胸を張るほどのクオリティが保たれています。
また、ワイン大国である南アフリカらしく、おいしいワインが乗車中は飲み放題という点もたまりませんよね。
「人生で一度でいいからアフリカに行ってみたい」という夢を持っている人は、南アフリカの『Rovos Rail』が最有力候補かもしれませんね。
カナダ『The Canadian』
最後はカナダの『The Canadian』。この列車の走行距離は半端ではなく、カナダの西海岸バンクーバーからロッキー山脈を越え、オンタリオ湖畔のトロントまで、4,466kmを結ぶ世界屈指の長距離路線になっています。
公式ホームページによると、2010年から2012年にかけて大規模な路線の近代化が行われたといいますが、流線型の美しいフォルムは残り、車両は合理性を兼ね備えた近現代なエレガントさを受け継いでいます。
上述の2路線と異なり、庶民でも手を出せるエコノミークラスもある点がうれしいですね。ドレスコードなどもありません。豪華寝台列車でありながら、気さくなサービスも売りにしているのですね。
日本からだとやはり西海岸のバンクーバー出発が便利です。横断は人生の目標として、まずはロッキー山脈を越え、ジャスパー辺りを目的地にするくらいがちょうどいいかもしれません。
以上、世界の豪華寝台列車を紹介しましたが、いかがでしたか? その他にも世界には豪華寝台列車がたくさんあります。飛行機と違って移動そのものを楽しめる点が鉄道の魅力。新年の目標に迷ったら、豪華寝台列車の旅を加えてみてはいかがですか?
[BELMOND ROYAL SCOTSMAN ] [Rovos Rail ] [VIA Rail Canada ] [Photo by Shutterstock.com ]
Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(
https://hokuroku.media/ )創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。
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