村の数だけチーズがあるといわれるフランス。せっかくフランスに旅行するなら、美味しいフランスのチーズを食べてみたいですね。しかし、興味はあるけれど、どんなチーズがあるのかわからないという方が多いのではないでしょうか。フランス在住者が、オーソドックスなチーズから日本ではあまり聞かないコアなチーズまで、おすすめしたい10種類のチーズを紹介します。
カマンベール
カマンベールはノルマンディー地方のカマンベール村が原産地。白カビタイプのチーズで、「チーズの女王」と呼ばれています。フランスでは一番人気のあるチーズだとか。カマンベールの食べ頃はフランス人それぞれ好みがあります。中が少し固めのものが好きだとか、トロトロに熟成させたものが好きだとか、各自こだわりを持って食べられる国民的なチーズです。
ロックフォール
ロックフォールは青カビチーズのひとつ。ブルーチーズのカテゴリーに入ります。ロックフォールはとにかく癖のあるチーズ。しょっぱくて匂いはかなり独特。好き嫌いがはっきりわかれるチーズです。いちじくや洋梨なんかと食べると、味がまろやかになります。赤ワインに合うチーズです。
サン・ネクテール
フランス中南部のオーヴェルニュ地方原産のセミハードタイプのチーズ。17世紀にサン・ネクテール元帥がルイ14世にこのチーズを贈ったことで有名になったのだそう。サン・ネクテールは灰色のカビに覆われているので、見た目が少し異様ですが、食べやすいチーズです。ナッツやマッシュルームの味がほのかに感じられます。
エポワス
エポワスはブルゴーニュ地方のウォッシュタイプのチーズ。匂いがとにかく強烈で、筆者が初めて食べた時は思わず息を止めたほど。そんな匂いとは逆に、スプーンですくえるほどとろりとしていてクリーミーな食べやすいチーズです。塩気と甘みがあります。
コンテ
フランシュコンテ地方のハードチーズ。AOC(原産地呼称統制法)認定チーズの中でも生産量が多く、フランスで一般的に親しまれているチーズのひとつ。熟成期間によって味も変わります。長時間熟成させたものは、濃厚な旨味が味わえます。
ブリー・ド・モー
イル・ド・フランスの名産で、白カビタイプのチーズ。なめらかな口当たりで、癖のない味が特徴。チーズが苦手という方にはぜひこのチーズから食べて頂きたい。
ルブロッション
フランス東部のサヴォワ地方のウォッシュタイプのチーズ。クリーミーで食べやすいチーズで、グラタンになんかよく合います。サヴォワ地方ではルブロッションを使って、じゃがいものグラタン「タルティフレット」を作ります。
マンステル
アルザス地方のチーズ。こちらもウォッシュタイプのチーズですが、匂いがかなりきつめ。表皮はオレンジ色で熟成していますが、中はかなりクリーミーで、比較的食べやすいチーズです。意外ですが、香辛料のクミンをかけて食べると美味しくなります。
サント・モール・ド・トゥーレーヌ
ロワール川流域のサント・モール・ド・トゥーレーヌ村で生産されているチーズ。やぎのミルクで作られたチーズなので、独特の風味があります。このチーズ固有の酸味が苦手な人が多いですが、食べ慣れるにつれて美味しく感じるように。サラダに加えると食べやすくなります。
ボーフォール
サヴォワ地方地方で作られるハードチーズ。牧草を食べて育った牛のミルクから作られています。夏に作られたこのチーズは青草や花の風味が口いっぱいに広がるチーズです。また熟成期間によっても味が変わり、熟成期間が長いものは奥深い味わいです。
フランスのチーズはこちらのサイトで購入できます。またフランスに来た時は、フランスでチーズの熟成士として活躍するマダム・ヒサダさんのサロンドフロマージュ・ヒサダで相談しながらチーズを選んでみるのもいいですね。日本人の店員さんもいらっしゃるので気軽に購入することができます。
チーズは奥が深い世界。ミルクという基本の材料は一緒なのに、自然の影響、人々の工夫や技術によって全く別のものになります。味わえば味わうほどチーズに魅了されていきます。フランスでチーズの世界を体験してみませんか。
[雪印メグミルク]
[Fromagerie Hisada]
[All photos by Shutterstock.com]
Nanako Kitagawa ライター
2007年よりフランス在住。パリ第八大学大学院を卒業。専攻は文化コミュニケーション。趣味は映画、読書、写真、雑貨、料理、街歩き、カフェ巡り。初めて訪れたその日からすっかりパリの街に魅了され、今日も旅をするようにパリの街を歩き回る。
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