ルネッサンス芸術発祥の地フィレンツェ、今なお100を超える美術館があるまさに芸術の都です。そんな町に住む人々は、芸術をとても身近に、生活の一部として気軽に楽しんでいます。その一例が、美術館にて新しい展覧会が催される時。さて、フィレンツェの人々はどんな楽しみ方をしているのでしょう?
新しい展覧会が開かれるにあたって、オープニングレセプションパーティーなど様々なイベントが催され、これを上手に利用して芸術を楽しんでいるんです。へぇー、いいなぁと思う方、実は日本でもこのような催しは行われていますよ。
まずは、芸術の都フィレンツェの人々に学ぶ“気軽に美術を楽しむ方法”をご紹介します。
あなたも参加できる、美術館のオープニングイベント
今、ちょうどフィレンツェのストロッツィ美術館で展示が始まった「ゲッゲンハイム・コレクション展 カンディンスキーからポーロック」で、フィレンツェの人々がどんなふうに楽しんでいるのか見てみましょう。
新しい展覧会にあたって開催イベントがいくつか開かれます。まずは、マスコミ、美術関係者に向けての展覧会内容の説明会。こちらは、もちろん関係者しか入れませんが、次に一般の人に向けた開催イベントが開かれます。こちらは美術館の年会員になると招待されます。展覧会公開に先駆けてイベント参加者のみに展示が公開されるのでゆっくり見ることができますし、芸術鑑賞のあとは、ドリンクと軽食のサービスもあります。
まずは芸術鑑賞から。会員だけへの公開ですので、ゆったりしていますね。
今公開されている、ペギー・グッゲンハイム・コレクションは、20世紀前半の美術、ピカソに代表されるキュビズムやシュルレアリズムの作品を中心としたコレクションです。
こちらは展示中のピカソの作品。
美術における○○派や××主義など理論を考え始めると敷居が高く感じてしまいますが、そういう難しいことを抜きに、色がきれいだとか、デザインがかわいいとか、単純な目線で、ただ自分がいいと感じるだけでいいのです。
今や多くの作品を所蔵するグッゲンハイム・コレクションですが、もとはといえばペギー・グッゲンハイムというひとりの女性が集め始めたものなのですから。
こちらは、今回の展示のメインとなっている絵で、抽象絵画の創始者といわれるカンディンスキーの作品。明るいパステル調の色彩と、まるで楽しい音楽のようにリズミカルな図画で筆者はとても気に入りました。
さてさて、ゆっくり鑑賞した後は、会場の外に用意されているドリンクコーナーへ。カナッペなどフィンガーフードの軽食とともに、ワインが用意されています。ここで喉の乾きを潤しながら、見た作品の余韻にひたるのもいいですし、人と感想を語り合うのも楽しいですよね。
とても良さそうだけど、会員になるのは・・・という方には、地元の情報を集めた地方誌が主催する展覧会公開記念イベントに参加する方法があります。イベント情報はインターネットで公開されており、申し込みもネットからできますので、例えツーリストでも事前に情報を調べて、予約しておけば参加することが出来ます。
いや、でもそれは海外の話でしょ、という方。そんなことはありません、展覧会のオープニングイベントは日本でも実は色々と開催されているのです。まずは美術館、アートギャラリーのホームページでチェック。アート情報を集めたサイトなんかにも情報がたくさんのっていますので要チェックです。
美術館に興味はあるけれどなかなか行く機会がない・・・で終わっていた方、楽しいイベントをからめたら、足を運ぶモチベーションのひとつになりますよね。芸術鑑賞に行く! と身構えずに、今日はちょっとおいしい物でも食べようかなと思うように、アートはもっと気軽に楽しく日常的に触れて良い物なのです。イベント情報をチェックして、楽しくアートに触れてみませんか?
[ストロッツィ美術館]
[フィレンツェの地元情報誌]
[Photos by Ryoko Fujihara & Shutterstock.com]
Ryoko Fujihara フォトグラファー&ライター
イタリア・フィレンツェ在住フォトグラファー&ライター。東京でカメラマンとして活動後、’09年、イタリアの明るい太陽(と、おいしい食べ物)に魅せられて渡伊。現在、イタリアで撮影・執筆活動をしつつ、更なる美しい景色を求めてカメラ片手に旅を続けている。
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