日本では、トルコといえばイスタンブールやカッパドキアが有名でビーチリゾートのイメージはありません。
でも実は、トルコ南部はヨーロッパ人観光客のあいだでは大人気のビーチリゾートなのです。洗練された港町フェティエとその近郊の美しいビーチをご紹介します。
洗練された港町・フェティエ
トルコ南部、エーゲ海に限りなく近い地中海沿いの港町・フェティエは洗練された港町。中心部に広がるヨットハーバーが壮観です。
(C) Haruna Akamatsu
街には数多くのリゾートホテルやおしゃれなカフェ、レストランが立ち並び、おしゃれで近代的な雰囲気を醸し出しています。
その一方で、港沿いの公園では地元の家族連れが遊んでいたり、リーズナブルなジューススタンドやロカンタ(トルコの食堂)が並んでいたりと、リゾートと日常が共存している街です。
(C) Haruna Akamatsu
だからでしょうか、ビーチリゾートにありがちなガヤガヤした雰囲気やけばけばしい感じがなく、肩の力を抜き落ち着いて滞在することができます。
(C) Haruna Akamatsu
温暖で晴れの日が多い地方だけあって、港沿いを散歩しながらテラスのカフェで一息ついたり、ショップが並ぶマーケットを散策したりと気ままに過ごすだけで心癒されますよ。
神秘的な岩窟墓
フェティエは古代リキヤの主要都市の一つで、かつては多くの遺跡がありました。ところが1957年の大地震により、今ではその断片を残すのみとなっています。フェティエ市街でもっとも有名な遺跡が「アミンタスの墓」。高台にある山の岩肌に彫られた岩窟墓です。
これらの岩窟墓は、高位の人々を祀るため、およそ2500年前にリキヤ人によってつくられたものだといわれています。伝説の鳥が死者の魂を来世に運んでいきやすいようにと高台に築かれました。
墓というよりも神殿のようで、侵しがたい神秘的な雰囲気をたたえています。2500年前もの長きにわたって、フェティエの街を見下ろしてきたのですね。
アミンタスの墓の前にはフェティエの街を一望できるカフェもあり、美しい景色が望めます。白い家々が並び、トルコでありながらヨーロッパ的な雰囲気が感じられるフェティエの街。
アミンタスの墓周辺は地元の人々の生活が垣間見える住宅街が広がっています。港町の風景を楽しみながら散策してみては。
(C) Haruna Akamatsu
トルコでもっとも美しいビーチ
フェティエからミニバスでおよそ30分のところにある小さな街、オリュデニズのビーチは「トルコで最も美しいビーチ」と言われます。
「オリュデニズ」とは「死の海」の意味。波の少ない静かな海であることからその名がついたと考えられています。
背後に山がせまる大小さまざまな入り江には真っ白な砂浜のビーチが続きます。ビーチの先端エリアは特に美しく、保護地区にも指定されています。
そして真っ青に透き通る海。「トルコの海がこんなに美しいなんて!」と驚くはずです。
アクティビティ
オリュデニズで大人気のアクティビティが、パラグライダー。2000メートル級の山から飛び立ち、上空から望む真っ白な海岸線と青い海、そして緑の山々が織りなす風景はまさに絶景。
夢を見ているのではと思うほどに美しい光景は体験した人にしかわからない感動です。
ほかに、周辺の島やビーチを訪れるボートツアーもおすすめです。
(C) Haruna Akamatsu
ボートツアーにはサンセットクルーズや半日クルーズ、一日クルーズなど色々な種類があります。
通常、海で泳ぐためのフリータイムが設けられますので、海に入りたい方は服の下に水着を着ておきましょう。
もちろん、泳がずにボートから美しい景色を楽しむだけでも参加する価値があります。
トルコでも屈指の人気リゾート、フェティエとオリュデニズ。あなたもその美しさを確かめに行ってみてはいかが。
※2016年6月現在、トルコは地域により外務省より渡航注意が出ております。渡航検討の際は、必ずご確認ください。
[Photos by Shutterstock.com]
Haruna ライター
和歌山出身、上智大学外国語学部英語学科卒。2度の会社員経験を経て、現在はフリーランスのライター・コラムニスト・広報として活動中。旅をこよなく愛し、アジア・ヨーロッパを中心に渡航歴は約60ヵ国。特に「旧市街」や「歴史地区」とよばれる古い街並みに目がない。半年間のアジア横断旅行と2年半のドイツ在住経験あり。現在はドイツ人夫とともに瀬戸内の島在住。
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