ドイツ北部、バルト海沿岸に「ハンザの女王」の異名をとる美しい街があります。
それがリューベック。中世の面影を残し、世界遺産にも登録されているリューベック旧市街の魅力をご紹介します。
「ハンザの女王」リューベック
リューベックは、バルト海沿岸部で最初の西洋都市として1143年に築かれ、13~14世紀のハンザ同盟全盛期にその中心地として栄えました。
ハンザ同盟とは、通商、交易上の権利保護を目的に結成された都市間の同盟で、王侯貴族の支配を受けない自由都市のネットワークのこと。
リューベックは、バルト海や北海で荷揚げされた海産物や近郊で産出された塩の取引拠点となり、多くの商人がこの街を訪れました。
現在でも当時の繁栄の面影が残る街並みはどこか北欧的で、木組みの建物に代表されるメルヘンなイメージのドイツとは一味違った魅力があります。
それではトラヴェ川とトラヴェ運河に囲まれた世界遺産、リューベックの旧市街を歩いてみましょう。
ホルステン門
1464~78年にかけて建てられたホルステン門はリューベックのシンボル。とんがり屋根の2つの塔をもつその姿は、重厚でありながらおとぎ話に出てきそうなかわいらしさも併せもっています。
ドイツの通貨がマルクだった頃、50マルク紙幣にも描かれていた門で、ドイツで最も有名な門といっても過言ではありません。
3.5メートルにもおよぶ壁の重みにより一部が地面にのめり込んでしまい、全体がやや傾いています。現在内部は市の歴史博物館となっていて、昔の模型や中世の武器、拷問道具などが展示されています。
市庁舎
中世に建てられたレンガ造りの建物が多数残るリューベックでもひときわ目を引くのが、マルクト広場に立つ市庁舎。
リューベック特有の黒レンガやとがった塔、風を通すための大きな穴の開いた壁など、さまざまな建築様式が組み合わさったユニークな建物です。
ハンザ同盟の盟主であった当時の扉が今も残っており、内部はガイドツアーで見学することができます。他ではなかなか見られない建築様式。ぜひ色々な角度から楽しんでみましょう。
マリエン教会
1250年から100年もかけて建てられたゴシック様式の巨大な教会で、ドイツで3番目の規模を誇ります。天に向かってまっすぐにそびえる塔は「ハンザの女王」の誇りを示しているかのよう。「レンガゴシックの宝石」と称されるこの教会をお手本に、70あまりの教会がバルト海沿岸に建てられました。
内部には8512本ものパイプをもつ世界最大級のパイプオルガンがあり、かのバッハもその音色に感激してこの教会に通い詰めたという逸話が残っています。
周囲を水に囲まれ、7つの塔がそびえるリューベックの旧市街。歴史を感じる石畳の道を歩けば、ゴシックやルネサンス、バロックといったさまざまな建築様式に出会います。
細い路地を散策すれば、レンガ造りの名もなき建物の数々に魅了されることでしょう。きっと今まで知らなかった新しいドイツの魅力を発見できるはずです。
[ドイツ観光局]
[All photos by Shutterstock.com]
Haruna ライター
和歌山出身、上智大学外国語学部英語学科卒。2度の会社員経験を経て、現在はフリーランスのライター・コラムニスト・広報として活動中。旅をこよなく愛し、アジア・ヨーロッパを中心に渡航歴は約60ヵ国。特に「旧市街」や「歴史地区」とよばれる古い街並みに目がない。半年間のアジア横断旅行と2年半のドイツ在住経験あり。現在はドイツ人夫とともに瀬戸内の島在住。
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