(c)Andriy Petryna
2016年6月、ポルトガルのとある道が色とりどりの灯りでデコレーションされ、その美しさで話題を呼びました。でもこのランプ、実はただのランプではなかったのです。
南の島で集められた、133個の洗濯機ドラム
その灯りが出現したのは、ポルトガルの離島マデイラ島。ユーラシア大陸最西端に位置するポルトガルですが、マデイラ島は更に本土よりも南西に位置します。上の地図の右側に陸地が写っていますが、上部が欧州のポルトガル、下部がアフリカ大陸のモロッコ。その地理的条件からも、温暖な気候であるということが分かります。
(c)Andriy Petryna
そんな南の島の街に出現したランプの、点灯前の様子がこちら。シルバーのランプシェードが、何かに似ていると思いませんか?
実はこのランプシェード、古くて使えなくなった横型洗濯機のドラムを再利用しているのです! マデイラ島でアートや文化に関する活動を行っている「Teatro Metaphora」というNPO団体が、増え続けるごみ問題に関する視覚的な警鐘として、このプロジェクトを発足させたのだとか。
(c)Andriy Petryna
洗濯機ドラムは、ごみ捨て場に廃棄されていた洗濯機や、一般家庭から使われていない廃品を提供してもらうことで100個を優に超え、半年で133個も集まったそう。でもそれを解体、洗浄するのはすべて手作業。手間がかかっていますね。
祭りを幻想的に彩るランプたち
【You Tube】Midsummer Night’s Dream
メンバーたちの努力の甲斐があり、ついにランプは6月下旬、「Câmara de Lobos」という街の「聖ペテロ祭」(Festival de São Pedro)というお祭りで街を彩ることができました!
(c)Andriy Petryna
点灯前。
(c)Andriy Petryna
点灯後。白い壁に洗濯機ドラムの模様が影絵のように映り、幻想的ですね。
(c)Andriy Petryna
ちなみに、カラーライトを使用することでカラフルな光を作り出せているようです。
ランプを残して!マデイラ島住民たちの願い
(c)Teatro Metaphora
マデイラ島の住人にとっても、この洗濯機ドラムのランプは非常にインパクトがあった様子。発起人であるNPO「Teatro Metaphora」の担当の方に問い合わせたところ、展示期間は本来1か月程度だったそうですが、地元の人々からも「常設展示にするべき」という意見が出てきているのだとか。展示に関しては自治体との兼ね合いもあり、7月上旬現在も正確な展示終了日は未定だそうです。もし場所を訪れてみても展示が終了してしまっていたら残念なので、近日中にマデイラ島に旅行の予定のある方は、事前に洗濯機ランプの展示の有無を自治体まで確認したほうがいいかもしれません(自治体メールアドレス:geral@cm-camaradelobos.pt)。
このマデイラ島は非常に風光明美で美しい島であるとともに、マデイラ産のワインや海産物の美味しさにも定評があります。
(c)Naoko Kurata
欧州の様々な国を旅行した筆者にとっても、このマデイラ島は「もう一度訪れたい街」ナンバーワンです。あの日差しと青い海、美味しい魚料理が恋しい!
そういう観光地であっても、違和感なくごみ問題や環境の問題提起ができるアートの洗濯機ランプ。ぜひとも長い間、地元に残してほしいですね。
[Photos by Shutterstock.com]
[We Turned 133 Old Washing Machine Drums Into Street Lamps]
[Teatro Metaphora]
[Câmara de Lobos]
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