【TABIZINE 現地特派員による寄稿】

開発が進む名古屋駅とその周辺。2016年に地価上昇率が全国一になった場所もあるほどです。そんな名古屋駅からわずか徒歩15分の場所にあるとは思えない、緑と文化の香りが漂う、素晴らしいスポットがあるのをご存じですか? 高層ビルの見える森で、文化に触れるという贅沢。

ご覧ください、この清潔で美しい森! 繰り返すことになりますが、ここが開発の進む名古屋駅から歩いて15分の場所だなんて、信じられませんね。

高層ビル、まばゆい緑、清らかな川の流れ、そして文化を、一度に楽しめる贅沢な空間。それが「ノリタケの森」です。「近代陶業発祥の地」に宿るエネルギー。美しく、豊か。

ここは近代陶業発祥の地です。1904年、1枚のディナー皿からノリタケの歴史は始まりました。以来この場所で、変わらぬ理念のもとに、人々の心を豊かにする食器がつくられ続けているのです。

創業者の森村市左衛門には、こんなエピソードもあります。
市左衛門が海外貿易を志したのは、1859年(安政6年)のこと。開国を目の前にした幕末、市左衛門は、御用商人として舶来品などの販売を行っていました。日米修好通商条約批准のため、米国へ向かう幕府使節団が持参する、土産物の調達と旅費の両替を任された市左衛門は、日本の金(きん)が不利な相場で両替され、大量に海外へ流失していくのを目の当たりにしたのです。
疑問を抱いた市左衛門は、福沢諭吉に相談し、「金(きん)を取り戻すには、輸出貿易を行う他に道はない」という助言を受け、自ら海外貿易を始めることを決意しました。それは、日本の金(きん)や食器だけの問題だったでしょうか。市左衛門が取戻し、守り、つくりあげたかったのは、人間の尊厳ではなかったでしょうか。筆者にはそう思えてならないのです。

少なくともノリタケの森に来るたび、筆者はこんな想像をします。この場所には、自国を守りたい、高めたいと願って、実際に行動した人達がいた。ここには彼らの気概あるエネルギーが残存していて、筆者は今、それを吸収しているのだ、と。そしてとても、元気になれるのです。

株式会社ノリタケカンパニーリミテドは、創立100周年の記念事業として、2001年(平成13年)に、近代陶業発祥の地であるノリタケ本社敷地内に陶磁器に関する複合施設をオープンさせました。それがこの「ノリタケの森」です。名古屋市中心部の約48,000㎡という広大な敷地に、文化と出会う【カルチャーゾーン】、暮らしを楽しむ【コマーシャルゾーン】、歴史を感じる【ヒストリカルゾーン】という3つのゾーンを配し、豊かな緑が全体を包みこんでいます。見る、作る、食べる、散策する、いろいろな楽しみ方があります。どれも楽しいです。


筆者の一番のお気に入りはやっぱり、「ノリタケミュージアム」。オールドノリタケはいつ見ても思わず感嘆の息を漏らしてしまいます。「ノリタケの森ギャラリー」も大好き。ここの展示はいつもレベルが高い。

オールドノリタケには手が届かなくても大丈夫。ライフスタイルショップ、「ノリタケスクエア名古屋」があります。

本当に、充実した時を過ごせますよ。
陶磁器を中心としたショップというと、敷居の高いものを連想されるかもしれないのですが、広々とした明るい店内には、お値打ちなものからセレブな陶磁器、ミュージアム入りしそうな傑作など、きっと誰もが見て、買って楽しいものがいっぱいです。
例えば、こちらのマグは、こんなに素敵なのに値段は1,512円! ひとり暮らしの女性にもよさそうですね。こんなに素晴らしい「ノリタケの森」、筆者はこれからも通ってしまうと思います。
[ノリタケの森]
[All Photo by TOSHI]

toshi ライター
取材なら、どこに行っても、誰に会っても感動できるのが特技のライター、作家。「人は思い通りにならないけれど、自分が思いつきもしない、素敵な答えを言ってくれる」と、最近思います。クルーズ旅行を日本に広める活動の一端を担いたい。
著書「美しい人々 人間の美しさを追う」など。作家名は竹井夙(たけいとし)。
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