(C)北川菜々子
今から10年前、筆者がフランスに住み始めた頃に比べると、寿司以外の和食レストランが随分増えたという印象を受けます。日本人街にあるラーメン屋さんなどは、連日行列ができるほどパリジャンに大人気。どのような和食が今人気なのでしょうか。そして、なぜパリで日本食が人気なのかその理由に迫りたいと思います。
寿司レストランは王道の人気。でも経営は中国人が多い
最低一ヶ月に一度は寿司のデリバリーのチラシが家の郵便物に入っているほど、寿司はフランスでもポピュラーとなりました。寿司は何と言っても和食の中でも王道の人気です。しかし、寿司レストランの件数はパリではものすごい数なのですが、日本人経営というのはかなり少ないのが現実です。
パリには「たこ焼き」や「焼き鳥」と書かれた赤提灯のぶら下がる寿司レストランがやたらと多いのです。実は、これらの寿司レストランはほとんどが中国人経営。メニューの内容も寿司と焼き鳥と大体決まっています。
なぜ、中国人が寿司のレストランをやっているのかというと、これらのレストランは、最初はほとんどが中華レストランでした。ある番組で、中華レストランの衛生状態を暴露したルポルタージュが放送され、売り上げが激減。そこで、寿司レストランに鞍替えをしたという背景もあるようです。
日本人からすると中国人が寿司のレストランをしていることを不思議に思いますが、一般的にフランス人からすると、日本人経営か中国人経営かはどうでもいいようで、お客さんが結構入っているのを見かけます。また、フランス人からすると、中国人と日本人を区別するのも難しいので、中国人経営でも日本人のお店だと思っている人も少なくはありません。しかし、中国人経営であっても、中にはなかなか美味しい寿司のレストランもあるようです。また近年ではアラブ人経営の寿司レストランも増えてきています。
他の人気の和食
寿司の人気は根強いですが、近年フランスでは、他の和食も市民権を得ているように思います。どんな日本食が人気なのでしょうか。見ていくことにしましょう。
ラーメン
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一番人気はラーメンではないでしょうか。千葉のこってりラーメンなりたけや博多ちょうてんがパリに進出しました。瞬く間に人気店となり、連日行列ができています。
餃子
パリにGyoza bar/餃子バーがオープンしました。並ばなければ入れないほど、パリジャンに人気があります。餃子といえばビール。パリジャンにも、この組み合わせは受け入れられているそうです。
お弁当
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パリのいろんなところで、お弁当のお店を見かけるようになりました。日本のお弁当から、進化系のお弁当まであります。お弁当はバランスよく食べることができるので、健康志向のパリジャンに人気があります。
お酒とおつまみ
外国人の方には日本酒は癖があって飲みにくいように思っていましたが、近頃日本酒がパリではちょっとしたブームになっているようです。日本の居酒屋スタイルも人気で、パリ風にアレンジされた酒バーがトレンド。La maison du sake/ラ・メゾン・デュ・サケは人気の酒バーの一つです。
なぜ今和食が人気に?
それでは、なぜ和食がここまで人気になったのでしょうか。フランス人は、自国の食文化に誇りを持っているので、他の国の食には興味がないというイメージがありますが、以外にも、エキゾチックな料理が好きなフランス人が多いのです。寿司以外の和食はこれらのフランス人にとって、大きな発見だったようで、和食のブームにつながったように思います。上にあげた以外でも、お好み焼きやたこ焼き、カレー、うどんなども、レストランの数は多くありませんが、人気はあります。
また、和食といえば、バランスがよくて健康にいいというイメージがフランス人にはあるようです。確かに、オーガニックのお店に行くと、味噌や梅干し、わかめや海苔の海藻類などが売られており、健康志向の人々も和食に興味を持っているようです。そういった背景のもと、和食はパリのトレンドになっているように思います。
外国に住んでいると、やはり日本人として、日本の食文化にその国の人が興味を持ってくれるというのは、嬉しいことです。次はどんな和食がブームになるのでしょうか。パリに住む日本人として楽しみです。
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Nanako Kitagawa ライター
2007年よりフランス在住。パリ第八大学大学院を卒業。専攻は文化コミュニケーション。趣味は映画、読書、写真、雑貨、料理、街歩き、カフェ巡り。初めて訪れたその日からすっかりパリの街に魅了され、今日も旅をするようにパリの街を歩き回る。
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