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自宅で旅気分(1)美しい風景に癒される映画三選

Posted by: 阿部 真人
掲載日: Apr 10th, 2020.

首都圏や大阪、兵庫、福岡などを中心に、コロナウイルス感染防止のため自宅に留まらざるをえない状況がしばらく続きます。旅に出かけたくても、少しのあいだ我慢をしなければなりませんね。こんな時、旅好きのみなさんにおススメの映画があります。自宅にいながらネットやDVDなどで見ることのできる、旅の映画三選をシリーズで紹介していきます。まずは美しい景色に心が癒され、元気になる映画です。

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(c)Shutterstock.com


わたしに会うまでの1600キロ(2014)

映画ジャケット写真
(C)2018 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

監督はジャン=マルク・ヴァレ、主演のリース・ウィザースプーンと母親役のローラ・ダーンはこの作品で第87回アカデミー賞にノミネートされています。そして原作はシェリル・ストレイドの自叙伝『Wild: From Lost to Found on the Pacific Crest Trail』。1995年、作者が26歳のとき、アメリカ西海岸を3カ月かけて縦断した体験がもとになっているといいます。

最愛の母を亡くし、夫とも離婚、薬と男に走り自暴自棄になっていた主人公シェリル。あるとき彼女は書店で見つけた旅の本『パシフィック・クレスト・トレイル』の表紙(大自然の光景)に惹かれ、総延長1600キロを歩くことを思い立ちます。アメリカ合衆国西南部のメキシコ国境からカナダ国境まで、大自然の中をひとりでひたすら歩き続ける旅。

ロッキー山脈

ロッキー山脈の森と湖 (c)Shutterstock.com

まさにロードムービーですが、新鮮な大自然の映像と編集の仕立てが冴えわたっていました。広大な砂漠や山岳地帯、ちょっとした野生動物たちとの遭遇。雄大な景色は心にしみます。そして重要なのが、ひとり旅の合間にフラッシュバックで思い出される母のぬくもりや夫の思いやり、友人たちの好意、その反面、自暴自棄な自分の姿。歩き続ける中で彼女の内面を深く描いてゆく、それらの映像と編集がシャレているのです。

映画宣材写真
(C)2018 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

観終わって清々しく心が洗われたような気持ちになりました。こころの回復の物語。自分自身を再生させ、人生をやり直すための、体を酷使するという究極の克服法です。もう少し一緒に旅していたい気分になりました。ところでこのひとり旅で、シェリルが一番恐れたものはクマでもガラガラヘビでも孤独でもなく、男なのです。女性のひとり旅では、実はレイプや殺人が一番怖いのです。

『わたしに会うまでの1600キロ』
ブルーレイ発売中
¥1,905+税
20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン
(C)2018 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

「わたしに会うまでの1600キロ」公式サイト
http://www.foxmovies-jp.com/1600kilo/

ホノカアボーイ(2009)

ハワイのビーチ

ハワイのビーチ (c)Shutterstock.com

監督は真田敦さん、そして初々しい岡田将生さんの主演映画です。共演の倍賞千恵子さんがいい味を出していました。撮影はすべてハワイ島北部のホノカアという実在の小さな町で行われたそうです。ハワイならではの風景と空気感が重要な要素なのです。ホノカアの町はたぶん湿気が多いのでしょう。ちょっともの憂い感じです。が、ゆったり、まったりとしてとても気持ちが優しくなれました。そして映画の登場人物とのんびりした地元の方々が入り混じって、不思議な雰囲気を醸し出しています。

マラサダ
マラサダはハワイで人気の揚げパン (C)Masato Abe

物語は事件やハプニングなどは起きません。失恋して大学を休学した主人公レオ(岡田将生さん)は、かつて恋人と来たことのあるホノカアを訪れ、映画技師として働くことに。彼と現地の人々との交流と暮らしを描きます。

ハワイのお菓子パン、マラサダドーナツも登場します。そして倍賞千恵子さん扮する日系女性ビーさんの作るロールキャベツやポキバーガーなどの料理も目の保養になりますね。作り方も含めてもう少し詳しく知りたくなりました。心が爽やかになれる作品です。

「ホノカアボーイ」公式サイト
https://www.toho.co.jp/movie/lineup/honokaaboy/

かもめ食堂(2006)

ヘルシンキ港

ヘルシンキ港 (c)Shutterstock.com

監督は『彼らが本気で編むときは、』や『めがね』など名作を作り続ける荻上直子さん。そして主演は小林聡美さん。片桐はいりさん、もたいまさこさんなど個性豊かな方々が共演しています。

フィンランドの首都・ヘルシンキで、日本食を提供する小さな「かもめ食堂」を営む日本人サチエの日々の暮らしと、彼女が出会う個性的な人びとの交流を描いた作品。毎日をささやかに充実させることが、幸福をもたらしてくれます。

キッチン用品

(c)Shutterstock.com

ヨーロッパの有名観光地ではなく、ヘルシンキの街の景色と空気が新鮮でした。もうひとつ、北欧のインテリアや椅子、テーブル、食器やキッチン道具など、シンプルで洗練されていて、見ているだけでも気持ち良くなります。

日本食は今でこそ世界的なブームになっていますが、14年前の欧米の人びとにとって、ましてやフィンランド人にとってまだ珍しい食べ物だったことでしょう。しかし丁寧に作るおにぎりや鮭塩焼き定食、から揚げ定食が美味しそうなこと。美味しい食べ物は世界共通で人を元気にし、心を豊かにしてくれますね。

ヘルシンキという新鮮な舞台を使って、自分に素直に、身の丈に合った丁寧な生き方を見せてくれました。

もちろん映画の魅力は風景だけが決め手ではありません。さまざまな要素がミックスされて心に訴えかけます。物語や俳優、演出、ロケーションや映像の色調、画角の切り取り方にテイスト、そして編集や音楽などすべて重要ですが、今回は個人的な視点で選ばせて頂きました。

まだまだ次回以降も旅好きのみなさんに切り口を変えて、お腹を満たしてくれる作品や有名観光地を舞台にした作品などなどご紹介できればと思います。

阿部 真人

Masato Abe 還暦特派員
大学を卒業後、およそ30年間テレビ番組を作ってきました。57歳の時に、主夫となり、かつ自由人として旅に生きることを決意して早期定年退職。登山を始め、東京の街歩きガイドや温泉めぐり、豆大福探訪などなど60歳の還暦を迎えて好奇心が高まっています。


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